バッグをザックに持ち替えて

著者 :
  • 光文社
3.56
  • (11)
  • (30)
  • (31)
  • (6)
  • (1)
本棚登録 : 284
感想 : 35
  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334912147

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 唯川恵は、私にとって青春時代を代表する作家である。
    学生時代にはコバルト文庫を読み漁り、自分が大人になるに連れて、大人の恋愛小説を書くようになり、疎遠になった。
    少し前からハマった山岳小説の1冊として、「淳子のてっぺん」を読んだ。正直、何故唯川恵が山岳小説?と思ったけど、読む人間が年を取るように作者も年を重ね、山にはまっていく姿がこの1冊に凝縮されている。
    山は魅力的だ。しかし、その分危険も孕んでいる。
    この作品では山のいいところも、悪いところもきちんと書いてあり、これから山に登ってみたい人にもおススメの1冊。
    個人的には久し振りに作者の本業である恋愛小説も読みたくなった。

  •  よく行く本屋さんで山登りの本のコーナーを何気なく見ていたら、今まで気づかなかった本が目に入った。恋愛小説家だと思っていた唯川恵さんの本だった。「唯川恵さんが山登りの本?!」 とっても意外で、気になって読んだ。元々は文芸誌に連載されていた山のエッセイがまとめられた本です。
     「海派か山派と聞かれれば、私は海派だった」という著者は直木賞受賞後に山登りを始めます。周りの人たちを山登り仲間に加えていき、ついにはヒマラヤ5000メートル峰にまで挑戦するまでに登山にハマっていきます。「登山は下山後の呑み会がセットになってこその楽しみなのである」とチョットお気軽な楽しみ方の話あり、はたまた世界の登山史に名を残した女性登山家(田部井淳子さん、谷口けいさん)との交流の話が出てきたりと、近所の里山からヒマラヤまで、オールラウンドな山の話一杯の本です。
     ヒマラヤ登山の様子が映画のシーンの様に目に浮かびます。唯川さん一行はエベレストがよく見える5455メートル峰「カラパタール」を目指し、嶮しいヒマラヤ街道を何日も歩く。残念ながらアタック直前に唯川さんはひどい高山病になってしまう。一名のみが頂上アタックをすることになり、残りのメンバーは分かれて500m標高を下げた4410mのディンポチェまで撤退する。翌日の夕方、頂上を目指した一人が登頂を果たし、サーダー(※)と共に戻ってきてパーティのメンバーが出迎える。    (※シェルパのリーダーのこと)

    カラパタールに登れなかったのは残念だが、羨ましさも悔しさもなかった。
    ただただ、シューマン鈴木さんが登頂を果たしてくれたことが嬉しかった。
    「パーティの一人だけでも山頂に立てれば、パーティ全員の成功です。全員の栄誉になる。」
    そんなサーダーの言葉が素直に心に届いた。…

    頂上アタックを目前に撤退し、登れなかった残念な気持ちを蓋いつくした喜び… 行ったことのないヒマラヤに行きたくなりました。僕が選ぶヒマラヤ遠征のハイライトシーンは迷わずここです。 最後は、山登り愛あふれるステキなことばでこの本は終わります。大人になって山に登ったことのない人でも、山に登ってみようかな…と思う一節です。           

       今も不思議に思う。
      この私が山登りをするようになるなんて。
      最近は少しずつほかの山にも足を延ばすように
      なった。
      まだまだ登ってみたい魅力的な山は数えきれ
      ないほどある。
      繰り返し登りたい山もたくさんある。
      山との出会いは自分との出会いでもある。
      これからも体力の続く限り、私らしく登り
      続けたいと思っている。

     読み終わってすぐに、唯川さんが語る次の山の話が聞きたくなりました。 (^^)

  • 20210321 登山を始める手順がエッセイでまとまっている。うらやまからヒマラヤへと言う内容。読んでいて無理がないので今後日本女子の活躍に貢献するのではないかと言うのが感想。又、リターン山男にも丁度の内容。自分でも今年は秋山から復帰しようと言う気になっている。まずは一人キャンプからしようと思う。

  • 軽井沢在住の唯川氏は、愛犬ロスをきっかけに浅間山に登る。山登りなど、まったく興味がなかったし体力もないし、正に「こんな私が登山なんて」という感じだったらしい。山が好きなご主人とともに、浅間山、八ヶ岳、冬山、富士山、そしてエベレスト街道へ!
    プチ登山気分に。

  • 唯川恵 著「バックをザックに持ち替えて」、2018.4発行。ワンちゃんと一緒に暮らすために軽井沢に引っ越す方、多いですね。唯川恵さんも、馳星周さんもそうみたいです(^-^) ニャンコの場合も家具を動かす時は許可がいるしw、家を運動場みたいにしなくてはいけませんが(^-^) 著者は、セントバーナードのために軽井沢に、そして浅間山を眺めてるうちに、還暦を過ぎて登山の魅力に目覚められたそうです。山のルール、山用語、富士山は登る山か眺める山か、冬山の美しさと厳しさ、・・・、うんうん、と頷きながら読了しました。

  • 文章が好き ◯
    作品全体の雰囲気が好き ◯
    内容結末に納得がいった ◯
    また読みたい
    その他

    以前『淳子のてっぺん』を読んで時にいだいた違和感を拭いたくて、読んでみました。

    本書は、著者の趣味である登山にまつわるエッセイです。
    とりあげられている山は、初心者でも歩きやすい山だったり、少し経験を重ねれば歩けるような山が多く、以前自分が山歩きを始めた頃のことを重ね合わせたりして、懐かしさも覚えました。
    エベレストを身近に見るために、ネパールまでいくお話、そして実際にエベレスト街道を歩くエピソードも入っています。

    本書を読んでみて、やはり著書にとっては『淳子のてっぺん』は高い頂きだったのではないか、と思ってしまう。

  • 最初は犬のために引っ越したのがきっかけで、それから数々の山々を登山され、最後はエベレストのそばまで。
    どんどんレベルアップしていく様子が、読んでいて自分も擬似体験できておもしろかった。
    雪山の話は雪の怖さにひやりとしたし、山の怖くて不思議な話では、
    「山には狐も熊も鹿も猿も棲んでいる。そして、きっと神様も魔物も潜んでいる。」
    この言葉に、山の怖さを改めて思い、それと同時に、それでも山に登りたい気持ちが深まった。

  • 山が好きで、でも体力にも技術にも自信がなくて、足場の悪いところでは足がすくんでしまって。。そんな著者が冬山やエベレスト街道で5000メートルまで行ってしまうなんて、同じように山好きだけど…な私にはとても勇気をもらえる、わくわくする、山に行きたくなる、そんな一冊でした!!

  • 山の怖さや登山の辛さを素人目線(と言ったら失礼でしょうか、登山家ではないという意味で)で綴っているので共感しやすく楽しめました。
    でもやっぱり私には登山はムリ!

  • 唯川恵と言えば恋愛小説のイメージ。
    が、これは彼女の山登りエッセイなので、そうした要素はなく淡々としていて読みやすく共感できるところもたくさん。

全35件中 1 - 10件を表示

唯川恵の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×