新選組の料理人

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334912222

感想・レビュー・書評

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  • 炊き出しの不満を言ったことから、原田左之助に新撰組の賄方にされた菅沼鉢三郎。賄方として食事を用意しつつも様々な事件に巻き込まれていく。

    新撰組の料理人というタイトルに惹かれて借りて読んでみました。実際は原田左之助の話が多く、もう少し鉢三郎と日常的な感じの話があれば、よかったかなと思います。食事に話も出てくるが、もう少し深掘りや食事を元にした展開があってもとも思います。

    意外に興味を惹かれたのが、本陣を転々とする際の土地の見立て方。左之助だったり、鉢三郎だったりするが、選ぶ視点や状況判断などおもしろかった。

    2018年刊行だけど、渋沢篤太夫は狙ってたのか、たまたまかな。

  • ひょんなことから新選組の料理人になってしまった、
    菅沼鉢四郎の、隊内での悲喜こもごもを描く短編集。
    新選組の料理人・・・蛤御門の変の後、鉢四郎は、炊き出しが縁で
           新選組に入隊するが、にぎりめしの件で切腹!?
    ぜんざい屋事件・・・大坂のぜんざい屋は土佐出身者の活動拠点か?
      細作として店に潜り込むことになった鉢四郎だが、騒動が!
    結婚・・・婚儀を済ませた左之助だが、近藤と共に伏見へ通うことに。
       そこは寺田屋。あの男に会うために。結婚は男を変える。
    乳児をさらう・・・左之助の子が攫われた。下手人は?子の行方は?
      まさか我が隊の隊士?左之助VS斎藤一の対峙の凄まじいこと!
    解隊・・・薩長同盟、龍馬の暗躍と暗殺、大政奉還と、急激な時代の
       変遷を受け、新選組は京を去る。左之助の、鉢四郎の想い。
    菅沼鉢四郎32歳。剣の腕はからきしだが、料理の腕は自信有り。
    原田左之助と出会いが、新選組入隊となり、料理人へ。
    彼の視線からの新選組の活動を描く、短編集です。
    新選組の料理人という設定のユニークさ、新選組の
    主要メンバーの姿、中村半次郎や坂本龍馬も登場するなど、
    文章の分かり易さもあって、面白くなるはず・・・なんだけれど、
    如何せん、焦点が絞られていない感じがします。
    300人の平隊士の食事は朝夕で延々と米を炊き上げる場面とか、
    休息所に届ける折詰の準備とか、料理人としての描写はありますが、
    それは少なくなってきて、原田左之助の登場が多くなってきます。
    しかも事件が中心となり、鉢四郎は傍観者になっていく。
    ん~料理人としての鉢四郎からの新選組への視点に、
    焦点を絞って欲しかったなぁ。

  • ふとしたきっかけから新撰組隊士・原田左之助にスカウトされて、新選組の賄い担当になった、菅原鉢四郎。
    武士のくせに剣の腕はからきし、しかし、うまい飯を炊く。
    彼の目から見た、武士の世の終わりとともに燃え尽きて行く新選組と侍の魂。
    彼の身近にいる左之助は、それを映す鏡でもあった。

    面白く読めたけれど、なんとなく薄味でシオタラ~ン。
    出汁が効いているのだろうか?
    新選組や幕末のことをある程度知っていないと、歴史的描写の部分はさらっと流してしまうだろう。
    頭の中の、今までに読んだ他の歴史小説とか大河ドラマの引き出しを開けていろいろ引っ張り出してみました。
    その割に、料理の存在が効いているわけでもないし…
    そういえば、今まで新選組の隊士の食のことを考えたことがなかったなあ、とわくわくしながら手に取ったのですが、そういう意味では期待外れでした。
    視点もあちこちに飛んでいる気がします。

  • 図書館で借りたもの。
    度胸もなく、剣の腕はからっきしの浪人・菅沼鉢四郎は、まかない専門として新選組に入隊することになった──。

    料理をする描写は1話目は多かったけど、それ以外はそうでもなくて拍子抜け。
    「新選組の料理人」という題名なら、もっと料理に絡めた話にしてほしかったな。

    新選組の賄方から見た幕末や新選組の話。
    歴史を読みたかったんじゃなくて、その時の食事のことが読みたかった…。

  • 新選組といえば剣の腕、という中で、まかない担当という切り口が新鮮。
    最初は、料理好きの主人公ならではの話で、おもしろかった。
    後半になるにつれ、料理人であることがあまり関係なく、単なる傍観者という立ち位置で、ややもの足りない。
    後味のよくない終わり方だったのも、意外。

  • 料理人というわりに料理の話ではなく、ひょんなことから料理人の役を任じられた男と新撰組の物語。ドラマや小説で新撰組についてはキャラ立ちしているせいか、何となくこういうものだよなという既視感めいたものがあったが、今回は原田左之助の人物像が多く描かれていた。面白くはあったが、せっかく料理人から見える新撰組なのであればもう少し幅広く色々な視点から見て描かれていた方がもっと面白かった気がした。

  • 特に20代の頃に新選組に嵌り京都の色んな箇所を一人で巡り、沢山の新選組関連の本を読み漁り、部屋には新選組の提灯と暖簾を飾っていた。
    ラジオ番組でこの本を紹介していて面白うそうだなと思い読んでみた。
    驚くほど内容の無い中身に驚いた。
    主人公が料理人である必要が何処にも感じなく、後半は主人公そっちのけの展開。
    又、新選組を深く描いてるわけでもなく最後までなんのこっちゃか解らなかった。
    娯楽本にしてもあまりにお粗末な内容。

  • 主人公は別だが、左之助がメインみたいだということで読んでみた。 文章も読みやすいし中盤までは楽しかったんやけども…ね。 中盤までの感じでさ。一冊終わらせてくれれば良かったよね。

  • この本で、炊き出しのおむすび一つが、あんなことになろうとは!

    歴史の中で生き残った人が今を作った、ということを思い至る作品でした。

  • 都で起きた火事の炊き出しに「まずい」と文句を言ったことから、新選組のまかない専門として組員となった鉢四郎。
    剣の腕はからっきし。危ないところには行きたくない。
    幕末の争乱期の真っただ中、都や新選組の隊員たち、会津、薩摩、長州、坂本竜馬が、鉢四郎の視点から描かれていく。
    料理だけ作っているわけじゃない。武力では活躍できないけど、なかなかいいところに目をつけている。

    この時代が大好きなので、サクサク読める。

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著者プロフィール

1971年群馬県生まれ。同志社大学文学部卒業。2003年、第42回オール讀物推理小説新人賞を「キッドナッパーズ」で受賞しデビュー。15年に『東京帝大叡古教授』が第153回直木賞候補、16年に『家康、江戸を建てる』が第155回直木賞候補となる。16年に『マジカル・ヒストリー・ツアー ミステリと美術で読む近代』で第69回日本推理作家協会賞(評論その他の部門)、同年に咲くやこの花賞(文芸その他部門)を受賞。18年に『銀河鉄道の父』で第158回直木賞を受賞。近著に『ロミオとジュリエットと三人の魔女』『信長、鉄砲で君臨する』『江戸一新』などがある。

「2023年 『どうした、家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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