完全犯罪の死角 刑事花房京子

著者 :
  • 光文社
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334912260

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりの香納作品。
    しかも「K・S・P」シリーズぐらいしか読んでなかったので、シリーズ以外の作品となると、もうどれくらい前に読んだか覚えていないほど。
    今作は完全犯罪を企てる犯人側と、刑事・花房京子の心理戦を描く。
    どうやって殺したかを冒頭で描いてしまっているので、京子がトリックを見破るために仕掛ける会話のやり取りがほとんどを占める。
    しかし、読んでいる側は理由が分かっていて、読んでいるので、どことなく茶番な感じが否めない。
    きっとホワイダニットがメインなのだろうけど、それもイマイチ…刑事が単独で行動することもないし、久しぶりだった割には切れもなく、非常に残念…

  • 完全犯罪というほどの仕掛けでないように感じ少し物足りなかった。帯で、女性の友情を謳っていたけれど、そこについてはそんなに深くなかった。文章はとても読みやすかったので一気に読めた。

  • 2022.6.9-525

  • 主人公の女性刑事、花房京子で続編が出来たということなので、まず一作目から。

    今作は最初から犯人が判っている倒叙ミステリ形式。主人公の女性刑事が些細な状況証拠から的確に犯行状況を読み取り、犯人を追い詰めていく。ただ、その超人的な推理ぶりと言い、「最後に一つだけ~」のお決まりのセリフと言い、「相棒」の杉下右京の女性刑事版みたい。まぁ、右京さんみたいに周りに疎まれておらず、一人で勝手に捜査に繰り出してもお咎め無しなので、スムーズに進行していきますけど。
    舞台となるお家騒動のある会社はそう珍しくないとは言え、さすがに家具メーカーでこの状況は某大手家具メーカーの名前しか頭に出てこない。お家騒動の当人が絡む殺人事件なだけにもう少し配慮が必要だったのでは、と下世話ながら心配してしまう。肝心のミステリの方も、倒叙とは言え、最後にどんでん返しのひと捻りあるのかな、と期待したけど、普通に終わっちゃったし。面白くなかったわけじゃないけど、主人公にもさほど魅力を感じなかったし、次作はどうしようか、、、といったところ。

  • 05月-06。3.0点。
    ある家具メーカー、創業者の娘が社長を継ぐ。腹違いの兄との確執が。。
    どっかの家具屋がモデルとすぐ分かる。

    犯行の詳細は冒頭に書かれ、それを解き明かす主人公。。
    うーん、2時間ドラマでもあっという間に終わりそう。
    伏線が回収しきっていない気がする。

  •  石持さんを思い出したり、福家さんが浮かんできたり。

  • 大手家具店の女性社長が、最初から登場!
    一瞬 あのO家具店を思い出してしまった。

    高級嗜好を重視した初代の経営者の父親に反して、娘は、手頃な価格で提供を目的とする家具店を目指す。
    兄と母親違いの妹の経営方針の違いに、経営は順調ではない。

    コロンぽ刑事の如く、最初から、犯人である娘 沢渡留理が、登場するのだが、、、、刑事、花房京子の登場で、外堀を埋められていく。
    最後のネクタイピンに、オチがあった。

    作者 香納諒一氏の本は余り読んだ事が無かったが、この本は、活字も大きく、内容のテンポも良く、読み易かった!

  • お勧め度:☆6個(満点10個)。タイトルに魅せられて、図書館で読んでみたが、なかなか重厚な重みのある作品であった。粗筋は、兄と妹の遺産争い。所謂、相続問題なのだが、倒叙ミステリーであるから、最初から犯人はわかっている。それを刑事がどう推理していくのかというお話。父が残した「沢渡家具」の経営権をめぐり、妹の完全犯罪をどう解いていくのか、刑事「花房京子」の推理はいかに?という物語だけれど、肝心の死角とは何なのかがちょっと曖昧で理解しにくい点が少し不満だ。ストの犯人との対決は面白く書かれていたけれど・・・・・。

  • 家具屋の相続がらみの殺人事件

  • 事実を一つ一つ丹念に確かめ、推理を構築し、

    そしてまた、確かめる。



    刑事は「ニコイチ」が原則だが、

    彼女は一人で、粘り強く関係者の聞き込みに回り、

    徐々に真実へと近づいていく。



    それは、犯人にとっては、不安を増幅する崩壊への足音のようだ。



    花房京子は、警視庁捜査一課の女刑事。

    描写によると、身長一七五センチはあるかと思われる

    大柄な女性だ。



    洞察力、観察力はハンパないから、

    鋭利な刃物のようなキャラかと思いきや、

    のほほんと、あるいは飄々としていそうな感じ。



    仲間からは、「のっぽのバンビ」などと呼ばれている。



    物語は、老舗の家具屋「沢渡家具」の社長である

    沢渡留理が異母兄の要次と、その秘書で愛人でもある

    福田麻衣子を殺害するところから始まる。



    いわゆる倒叙モノ。



    ここまで来ると、ワタシたちは

    ある有名な警部補の姿をイメージする。



    ま、あちらは、小柄で学生と間違えられそうな

    風貌なのだが。



    この作品の続編が出るのだとしたら(期待はしている)、

    倒叙モノシリーズが読めるのだろうか。

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著者プロフィール

1963年、横浜市出身。早稲田大学卒業後、出版社に勤務。91年「ハミングで二番まで」で第13回小説推理新人賞を受賞。翌年『時よ夜の海に瞑れ』(祥伝社)で長篇デビュー。99年『幻の女』(角川書店)で第52回日本推理作家協会賞を受賞。主にハードボイルド、ミステリー、警察小説のジャンルで旺盛な執筆活動をおこない、その実力を高く評価される。

「2023年 『孤独なき地 K・S・P 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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