正しい愛と理想の息子

著者 :
  • 光文社
3.58
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感想 : 75
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334912505

感想・レビュー・書評

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  • 『自分の子どもを愛していますか?と訊かれたら、わたしは自信をもって「はい」と答えるだろう。この世の誰よりも、心から、わたしはわたしの息子を愛しています』と語る寺地はるなさん。

    あなたが”愛しています”と誰かから言われたのはいつのことでしょうか?特に欧米人と比較して日本人は”愛している”ということを安易に口にすることを躊躇します。下手にそんな言葉を聞くと却って疑いたくもなります。しかし、言葉には出さなくても心の中では言葉に出せば”愛しています”と表現される感情を、あなたも今、身近な誰かに対して抱いているとも思います。そんな対象の一つが自分の子どもでしょうか。日本人で自分の子どもに”愛している”などと言ったことのある人はぼぼいないと思いますが、言葉に出さずとも、子どもを愛しむ気持ちには変わりはないでしょう。それは、過去のあなたを育ててくれた両親だって同じはずです。”愛されて”育ち、今度は”愛して”育てる、人の世はこの繰り返しで回っているのだと思います。しかし、幾ら愛したって、幾ら愛されたって、それが双方にとって必ずしも幸せになるとは限りません。親子関係がそんなに単純なものであるなら、誰も苦労はしません。親が子どものことを思い、全力で”愛した”その結果が、その子どもの未来にとって必ずしも最善なものになるとは言えないという現実を前に『わたしの愛が、わたしの子どもの人生にとって有益なものであるかどうかはわかりません』と語る寺地さん。

    そう、この作品はそんな寺地さんが綴る『正しい愛』とはなんなのか、『理想の息子』とはなんなのか、を考えていく物語です。

    『黒いスエードケースの中のダイヤモンドを、女が目を輝かせてのぞきこむ。午後三時の喫茶店』という場面。『女はなかなかの美人で、鼻の下をのばしているあの男はたぶん一時間以内に契約書に判を押してしまう。お気の毒に』と思うのは主人公の長谷眞。『最初に必要になるのが婚約指輪ですね』、『女性はやはり憧れるのではありませんか?なにせ一生に一度のことですから』と畳みかけるように説明する眞。『今のうちに石だけ先に買って準備しておくんです』、『ネックレスに加工しておけば、普段から身につけられます』と続ける眞に、『はあ、なるほど』と頷く女性。『言ってみれば、投資ですよね。おふたりの、幸せな未来への投資』と駄目押しする眞は『それにこれだけのクラスのダイヤ、他ではこの価格では手に入りませんから』と言い添えます。『ジュエリーデザイナー。俺のSNSのアカウントにはそう書いている』という眞。一方、『目の前の男女もまた、SNSで知り合った。男のほうから誘って、交際に至った』と事情を何故か知る眞は男からメールで逐一報告を受けていました。『でも、さすがに九十万はちょっと、今は無理です』という女。『…こっちは、お客さん全員にお見せしているわけではないのですが。特別ですよ』と念を押して眞は『ひとまわり小ぶりな宝石ケースを取り出』しました。『プラチナの土台にアクアマリンとダイヤモンドが交互に並んだ』その指輪。『もちろんイミテーションだ』というその指輪。『ペアで四十万円です』と説明する眞は、『四十万円は大金だ。でも九十万円のあとだと、ずいぶん安く感じられるはず』と考えています。『ねえ、買おうよ。えっちゃん。買おう』と言う男。指輪は女の指にぴったりはまります。『現在はフリーターでいらっしゃるんですね』と聞く眞。『ごめんね、えっちゃん。僕が就職できないからローンが組めなくて』と言う男。『りょうちゃんってば』と言いながら『女が男の手を握りかえ』し『私が買います』と言う女。『毎月ちょっとずつ返してくれたらいいからさ』という女は『喫茶店の向かいのATMで金を引き出し、四十万円を支払った』という展開。ふたりが去った後に自らの住処へと戻る眞。『鞄から封筒を取り出して、一万円札を床に一枚ずつ並べた』眞は『心が「ようやく」という感慨でひたひたに満たされる』のを感じます。そんな眞と、ペアを組む沖遼太郎の詐欺にまみれた人生、そしてその中で『正しい愛』とはなんなのかを見つけていく物語が描かれていきます。

    『おふたりの、幸せな未来への投資』という甘い言葉を決め台詞に、まさしく詐欺が行われようとしている衝撃的な場面から始まるこの作品。小説の冒頭は、その作品にどれだけ入り込めるかを見極める上でもとても重要ですが、まさに犯罪が行われようとしている現場の、かつその詐欺師視点として物語に入っていくことになる読者は、いやがうえにも一気にこの小説の世界に引き込まれていきます。しかし、読者の気持ちとしては、視点側の眞ではなく、今まさに騙されようとしている女の側に警告を発したい、そんな思いに囚われます。しかし、眞のそれまでの人生、境遇が振り返られると読者の中に眞に対する複雑な感情が襲ってきます。『脚のきれいな女と、スルメ工場勤めのかたわら寸借詐欺を働いていた男は偶然出会い、気まぐれに子どもをもうけた』という眞の出自。そして『施設にほうりこんでも良かったけど、子どもは意外と役に立つかもしれんと思った。だから、俺が育てることにした』という父親のもとに育った眞。そんな眞は『三十二歳で、清掃会社でバイトしている男。偽宝石売りであることを知らぬ他人から見たら、俺はそんな男だ』と自分のことを見ています。しかしそんな眞は『ショッピングモールの床をモップでこすることだけが俺の人生のすべてではない』と思って生きています。そして上記で紹介した詐欺行為をする際には『女にとって四十万がはした金じゃないことは、もちろん俺にもわかっている』が『良心は痛まない。痛めてはいけない』と自分に言い聞かせます。『ほんの数か月とはいえ』、男と付き合うことができ、将来の甘い夢を見ることができた、『その対価だと思えばいい』という一見説得力がありそうに見えて、なんとも身勝手な自己擁護の理屈を展開する眞。そして『俺たちは俺たちの人生から降りられない』という信念の元、突き進む眞。本物の詐欺師がどんな感情を持って生きているのかは分かりませんが、生きていくためには、そして自らが日々行う行為に意味を持つためにも、彼らなりの論理・理屈というものがあるのだと思いました。しかし、これは納得できない、納得などしたくない論理・理屈でもあります。この辺り、詐欺師が主人公という設定のなんとも言えないもどかしさ、主人公に感情移入しきれないもどかしさを感じる物語だとまずは感じました。

    『愛なしに子どもは育てられないのかもしれないが、愛だけでも、子どもは育てられない』と語る寺地さん。この作品でも、主人公の眞、そしてその相棒の沖、さらには親子二代で民生委員という山田民恵など、幾つかの親子の関係が提示されていきます。そのそれぞれにおいて、形は必ずしも同じではないとしても親が子どもにかける愛というものが確かに存在していたことがわかります。すっかり大人になった今でも『いまだに母親に認めてもらいたがる沖』がいる一方で『沖を理想の息子の型にはめようと躍起になった沖の母』がいたのも事実です。子どもに不幸せになって欲しいと願う親はいません。こうすれば子どもが幸せになるだろう、と考える限りを尽くして、子どもに愛情を注いでいく、それが一般論としての親の姿だと思います。自分が良かれと思って、自分が正しいと思って、精一杯注いだ愛情の先に未来が開けると考えるのも当然のことだと思います。しかし、そんな風にある意味がんじがらめに、親の理想像の中に生きることを余儀なくされた子どもにとって、それを正しいと感じるかどうかは別物です。また、その先に本当に正しい未来が訪れるとも限りません。『そもそも愛などというのは、世間で言われているほどきれいで尊いものなのだろうか』と疑問を呈される寺地さん。いつもながらに奥深い問題を提示される寺地さんがおっしゃる通り、”愛しています”という一見、美しく尊い響きの言葉の意味するところ、その感情の行き着く先を考えれば考えるほどに、『正しい愛』とはなんなのか、その答えを単純に語ることなどできないと思いました。

    「正しい愛と理想の息子」という問題提起を感じさせる書名を冠したこの作品。”愛しています”という言葉に絶対正義のような感情を抱いてしまう私たちですが、そこには『愛しているからこそ、まちがってしまう』という思わぬ結果が待ち受けている可能性があることをこの作品で見せていただきました。

    難しいテーマを優しい筆致とハッとする言葉の数々でわかりやすく問題提起してくれるこの作品。絶妙に張り巡らせられた伏線の数々と、未来の垣間見えるさわやかな結末に、なるほどね、と感じた作品でした。

  • ★3.5

    ハセ32歳、陰気な男。相棒の沖、30歳だけど可愛い。
    コンビを組む二人は違法カジノで働いていたが失敗ばかり。
    今度は偽宝石売りでも騙した女に騙され無一文に。
    切羽詰まったハセは商店街にたむろする老人たちを見て閃いた。これからは、年寄りだ。
    32歳と30歳。崖っぷち男二人。騙すのは、年寄りだ。
    さびしさは、利用できる。歪んだ愛を抱え、じたばたする悪党コンビ…。

    生まれついての仏頂面のハセ。
    水商売の母親と寸借詐欺を働いていた父親が偶然出会い
    気まぐれに子供をもうけた。
    母親は一歳になる前に出奔し、父親が子供は意外と役に立つかもしれないと
    思って育てた。
    その通り、ハセを利用して寸借詐欺をしたり、
    女にたかったお金が中学まで暮らしていた。
    誰にも心を許さず、好きでもない相手に嫌われようが何とも思わない。
    そんなハセが唯一大切に思ったのが、違法カジノで働いていた時に
    失敗ばかりを重ねる沖。
    ハセは沖に対して友情を超えた愛着を感じている。
    沖は教育者の父母の期待に全く応えられない勉強嫌い。
    そんな自分が嫌で家を飛び出していた。
    沖が自分の母親を騙そう…という言葉から二人の人生は変わっていく…。

    今迄の寺地さんの作品と少し違った感じの本でした。
    親は自分で選べないし、自暴自棄になる気持ちも解らなくはない。
    それぞれの家族でそれぞれの親子の形があります。
    けれど、その後どの道を選択するかで、
    人生はいくらでも変わっていく。変える事が出来る。

    それぞれが異なった「愛」という不確かなものを求めてきているのが伝わってきました。
    終盤に向かい徐々に寺地さんから紡がれる魔法のような言葉に温かく包まれました。

    正しい愛っていうのはどこにもないんですよね。

    • ひとしさん
      こんばんは!
      こちらのレビューとは関係ないんですが、『永遠についての証明』にいいねをしていただきありがとうございます!
      ただ、何かの手違...
      こんばんは!
      こちらのレビューとは関係ないんですが、『永遠についての証明』にいいねをしていただきありがとうございます!
      ただ、何かの手違いなのか、『読み終わった』にしていないのに、レビューがあがっていてビックリしましたσ(^_^;)
      読んでいるにしていても、レビューを書くとアップされちゃうんですかね?お恥ずかしい限りです(><)
      2019/02/02
    • しのさん
      こんばんは (*´ω`)
      コメントありがとうございます。
      そして、この本に興味を抱いて下さって本棚に登録して下さりありがとうございます(...
      こんばんは (*´ω`)
      コメントありがとうございます。
      そして、この本に興味を抱いて下さって本棚に登録して下さりありがとうございます(#^^#)
      「読み終わった」にしていないのに、レビューがあがっちゃうのですね。
      私は、いつもレビューを書くときに読み終わったにしていたので、そのタイミングを全く意識していなかったです(;'∀')
      全然お恥ずかしい限りではないですよ~。
      2019/02/03
  • 良かった。読み終わりじわーんと余韻にしばらく浸っていた。初めて読む寺地さん作品。大きくは、老いること、家族のこと、愛のことが書かれている作品だ。

    32歳の陰気な男ハセと30歳だけど可愛い沖。ふたりはお年寄りからお金を取ろうとする崖っぷち悪党コンビ。違法カジノの元締めから200万稼ぐよう言われたふたりは、沖の母親をだましてお金を奪おうとする…沖は"復讐"だと称して。

    最後の方で、ハセが沖の母親に言ったことばに胸打たれる。認知症の彼女には別の人の言葉に聞こえたらしく、会話がチグハグになってしまうのだけど…
    人からあまり好かれるタイプでなく、疎まれてきたハセが他人のことをそんなふうに思えるようになるなんて!と感動しました。

    愛・息子について、正しい・理想の・なんてひとつもない。そして"世の中にはお年寄りなんていない、それぞれが歳を重ねた人がいる"というようなことが書かれていてハッとさせられた。

    表紙のハセの服の柄が作中に出てくるポメラニアン!柄なのと、帯の後ろの折り返しにもポメがいて、和ませてくれます。

  • やはり、この作者が描く人物は優しい。今回の主人公は、詐欺を働く男。
    でも、なぜか憎めない。おそらく被害者側に立つと、許せないような男なのだが、なぜか憎めない。

    やっていることはもちろん最低なこと。女性を騙したり、老人を騙したり。でも、なんか憎めないのは、作者の心なのか。ハセと沖。それから、ハセの親父。みんな最低な男たちだけど、なんか最高。

    ハセと沖はバカラで働き、沖のミスで200万の借金を背負った。その借金を返すため偽宝石売りを始める。しかし、騙したはずの女に騙され、やっと貯めた200万を取り上げられる。この後騙す対象を老人に絞った2人。この気持ちの優しい2人は老人を騙すことができるのか・・・。

    世の中にはたくさんの犯罪があって、その数だけ犯罪者がいる。でも、その犯罪者たちがこの2人だったならば、少しはマシな世の中になるのかなと思えた。

  • 本物の悪になれない人情味あるハセと、なんだかほっとけないイケメンだが仕事ができない沖が、灰嶋(半グレ?)から借金200万を返済する為、偽宝石の販売や老人をターゲットした詐欺を計画する。
     沖の母親に偽ダイヤモンドのブローチをプレゼントする。偽宝石だかとても綺麗に輝いている。
     それが、すべての愛は正しいわけではなく、正しい愛など存在しない事もあるかの様に。
     性根まで腐ってなかった二人だから出来る、とっておきの話しは生涯の生業として成功して欲しい。

  • 善悪というものは学習して分かる部分があると思うので、人柄は良くても人をだましたり奪ったりする事には罪悪感を抱かない。そういう人いますよね。
    優しく接してくれる人を騙す事で、次第に罪悪感に目覚めていく。30歳過ぎて初めて大人になっていく、恵まれない青年の成長物語。

  • 30代のハセと沖の男性2人の話。
    ハセを通して話が進んでいく。
    ハセと沖は、偽物の宝石を女性に売る詐偽をしてる。
    ただ、それがうまくいかなくなる。
    今度は女性ではなく、お年寄りをターゲットにする。
    詐偽を通して、いろいろなお年寄りと出会う。
    医者を目指す孫のために金を貯める男性。
    もこもこワンコの「わたあめ」を飼ってる女性。
    そして、認知症になった沖の母。
    いろいろなお年寄りと出会い、ハセの気持ちが
    揺らいでいく話。

    そんなにうまくいくーーー!?
    というエンディングでしたが、理想ではあるかなー。
    どんな環境で育って、悪事をしてても、
    心のどこかに良心があってほしいなー
    と思えた話でしたー。

    • shintak5555さん
      予定調和と言ってしまえばそれだけなんですが、寺地さんの作品はこうあって欲しいというところに着地してくれますよね。ほんわかします。

      “こんな...
      予定調和と言ってしまえばそれだけなんですが、寺地さんの作品はこうあって欲しいというところに着地してくれますよね。ほんわかします。

      “こんなにうまく行くわけないし、根っからの悪人も多いで!ホンマに!知らんけど!”
      とくだまきながらビール飲むのが楽しい。笑笑
      2023/04/25
    • ほくほくあーちゃんさん
      私、寺地はるなさんの作品が初めてだったんですー!!
      どんな作風かもしらず、名前は知っていて、たまたま図書館で表紙のインパクトにやられて借りて...
      私、寺地はるなさんの作品が初めてだったんですー!!
      どんな作風かもしらず、名前は知っていて、たまたま図書館で表紙のインパクトにやられて借りてしまいした。
      「大人の男性が泣いてる!?」と表紙の絵から話の内容が気になり、借りてみました。
      寺地さんの作品は、ほんわか系が多いのですね!!
      納得です!!
      他の作品も読んで、心がほんわかしたいですー。
      2023/04/26
  • 日頃本を読む環境にある人の周りにはいないかもしれない、そして想像しづらいかもしれないけれど、きっとどこかで起きているかもしれない出来事。

    育った環境はハセより沖の方が恵まれていると思いがちなので、沖がハセに対して言った言葉、
    「認めてほしいって思うことのなにが悪いんだよ。自分はここにいていいんだって思いたい、それのなにがいけないの?今まで生きてきて一度もそんなふうに思えなかった、ここにいてもいいの?生きててもいいの?いっつもそう思ってた。ハセはお父さんから否定されたことなんて一度もないんだろ。認めてもらいたいと一度も思わずに生きてこられたのは、ハセが強いからじゃない。しっかりしてるからでもない。今までちゃんと自分の存在を認められてきたからだ。(中略)子どもの頃に子どもであることを許してもらえなかったんだよ。そんな人間がちゃんと大人になんかなれるわけない。そのことにちゃんと向き合うことにした。」
    にハッとしました。

  • 詐欺師の沖とハセ。

    沖の母親の認知症をきっかけに
    更生する。。。かも、しそう、多分するだろう。

    32歳と34歳を若いと思うか、
    何を今さらと思うかはそれぞれ。

    私は、人生に遅いはないよ!と思う、思いたい。

    生い立ちの不幸が詐欺師になる根拠というのは
    甘えていると思うけれどね。

    自分で働いて、お金を得て、身の丈で生活する。
    とても尊いことだと思う。
    子育ての目標はここにあるとも思っている。

    寺地さん、優しい言葉遣いでとても入りやすい。
    ただ、ストーリーは好きだけど、
    タイトルがちょっとなぁ。
    表紙の絵もストレートすぎて好みではない。

  • 「忘れるな。『お年寄り』なんていう生きものはいない。それぞれ違う心をもって、それぞれ違う長い年月を生きてきた人たちがそこにいるだけだ」

    自分の人生への納得のいかなさを、何かのせいに責任転嫁して生きること。他人との関わり合いの中で、そこから脱出することができると教えてくれた本でした。

    お年寄り、同級生、ふとしたところで会話しただけの赤の他人、それぞれがそれぞれの人生を生きていて、偶然にも人生が交差して影響し合う…そんな物語です。

    親の期待に押し潰されてしまう子どもは少なくはないでしょうが、立ち直るかどうかは周りは直接的には助けてあげられない。その子次第だと考えています。

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著者プロフィール

1977年佐賀県生まれ。大阪府在住。2014年『ビオレタ』で第4回ポプラ社小説新人賞を受賞しデビュー。他の著書に『わたしの良い子』、『大人は泣かないと思っていた』、『正しい愛と理想の息子』、『夜が暗いとはかぎらない』、『架空の犬と嘘をつく猫』などがある。

寺地はるなの作品

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