光まで5分

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  • 光文社 (2018年12月14日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (200ページ) / ISBN・EAN: 9784334912550

感想・レビュー・書評

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  • どんな形でも生きる意志が光に繋がるのか。光のないものは死の匂いを嗅ぎ取られ、最期の光を光あるものに奪われるのか。沖縄舞台だけど、南原やツキヨの義父のクズっぷりのせいか暑さより湿度が強い。

  • 桜木さんにしては珍しく舞台が沖縄。だけど、青い海や青い海の爽快な沖縄ではなく、やっぱりジメジメと仄暗い桜木ワールドでした。

    道東から流れ流れて沖縄の風俗店「竜宮城」で働くツキヨ38歳。一度陸に上がってみたくなり、元歯科医の万次郎と、その同居人ヒロキと共に生活を始めるが…。

    ツキヨが義父に幼い頃から受けてきた性的暴力を楽しかった、義父が優しくて好きだったと言う所には違和感しかない。そして、ヒロキが南原から暴力を受けても彼を嫌いにならない所にも。ツキヨは結局「竜宮城」に戻ってきたけど南原、あなたは早く消えてくれ。

  • 姫野カオルコの「ツ、イ、ラ、ク」があまりにも面白くスイスイと進んでしまうので、途中に別のを挟もうと手に取った。

    ツキヨは北海道から沖縄に流れ、風俗の仕事をしている。虫歯を治してくれたタトゥーの彫り師とその友人と親しくなり、一緒に暮らすようになる・・・

    正直、まったく面白くなかった。桜木紫乃には高いレベルを求めてしまうのもあるのかも知れないけれど、読了した彼女の作品の中ではワーストの駄作と言って差し支えないと思う。

    流されていく女、男の悲哀のようなものが描かれているけれど、ただでさえ薄い本に、あまり意味のない叙情的な表現が多いのと、ストーリーそのものに読ませる感がない。

    大好きな桜木紫乃だから、たまたま今回は、と思いたい。

  • いつも北海道が舞台の著者が、
    沖縄を舞台にするとこんなストーリーになるんだ!
    暴力的なところは好きではないが、
    著者らしい人間分析が凄い。
    竜宮城と浦島太郎のたとえが妙に納得。

  • 決して幸せな気持ちになれるわけでもないのに何故か手に取ってしまう桜木作品。

    桜木さんが北海道生まれと言う事もあり作品の舞台には北海道が多いのですが本作は沖縄が舞台となっています。

    しかし場所が変われど、文中から滲み出て来る陰鬱さはそのままで、脳内ではグレーと言うより限りなく黒に近い灰色のどんよりした空気が流れ、暗さと刹那的雰囲気が迫って来ます。

    路地裏で身体を売っているツキヨが義父から受けた性的行為が気持ち悪い。
    元歯科医の万次郎と、彼と同居するヒロキもみんな闇を持つ。

    光まで5分のタイトルが意味する物は希望なのか?

  • もっと明るい本かと思った。
    光とは、あの世に行く直前の火花のような意味。

    少しずれた無垢なのか無知なのか、ヒロキの残忍さ。

  • 表紙から想像できないストーリー。沖縄の気怠い空気を感じる。正しいこととか常識とかで息苦しくなるけれど、痛みを避けるために力を抜くというやり方もある。流されると。
    ヒリヒリする話だが読後感良し。

  • 桜木さんの作品からいつも伝わる、ぬめり、仄暗さ。
    本作も違わずで、そこに希望や光はない。
    でも頁を捲ることを止められません。
    文字から伝わる映像は、息遣いや血生臭さが皮膚を撫でるようで。
    その表現の妙が、心を掴んで離しません。

    ストーリーを読むのではなく、表現を読むのだと、いつも実感する作家さんです。

  • 桜木ワールド全開です!!!

    【本文より】
     闇に浮いた母の肌の白さと、左右に揺れた瞳の余白が忘れられない。

     南原の口ぶりは義父がよくツキヨを遊びに誘ったときのそれに似ていた。こちらの指の間を砂そっくりに通り抜けてゆく話し方をする。あのころと同じ感触の言葉を耳に入れながら、ツキヨはまた誰かを失う予感に漂った。

     「旨い飯も音楽も、生活の上の棚に置いておくのは難しいんだ」

     パンを焼いた万次郎も食べたツキヨも、買ってきたヒロキもなにも食べられなくなったランコさんも、世の中からこぼれたところに在った。

  • 桜木さんの作品はほとんど読んでいて、沖縄が舞台!どんなテイストになるの?どんな女性が描かれるの?と楽しみで、図書館の予約待ちにしびれを切らして購入した。
    残念ながら、桜木さんで初めて、自分の心に全く響くものが無かった。好き嫌いの問題かもしれないが。

    ツキヨ、この人本当に流れていくしかないのか?ただの薄っぺらい意志のない女にしか感じない。
    幼少期からの義父との関係が…と言うなら彼女の思い出が(母親はともかく)辛いものという訳でもなさそう。
    万次郎の過去も今ひとつ不明だし、ヒロキもフワフワした半透明な感じで、魅力的なキャラクターが誰も居ない。
    文章表現はやはり好き。沖縄の風景や空気感を描くとこうなるんだーと素敵だった。
    でもいかんせんストーリーに入り込めない。
    「みんな痛くて泣きたい」なら何とかしようよ、しようとしてないじゃない!と思ってしまった話。

    星を一つにしたいのだが、自分の読みが甘いだけかも、という桜木さんびいきで二つにしました。

  • 北海道の東の果ての町から沖縄に流れてきたツキヨは、奥歯の痛みに耐えかね訪ねた闇の歯医者の元に居つくことになる。そこにいたのは、訳あって死んだことになっている男・万次郎と、なぜか近づく者の命を看取る運命にある少年・ヒロキだった。
    人生のどん詰まりで希望を持たない3人の生活は穏やかな日々だったが、それも長くは続かなかった・・・

    桜木さんには珍しい沖縄を舞台にした作品。
    桜木さんが描く女性は相変わらず強くて、どんな悲惨な境遇にあっても淡々と、どこかあっけらかんとしている。
    不幸のどん底にあるような3人だけど、舞台が沖縄というだけでいつもの身も凍るような寒さ(←当たり前か)と救いようのなさが緩和されて、それがいいような物足りないような・・・。やっぱり、極寒の北海道を舞台に不幸な女の切なさ、やるせなさを描いて欲しいわ~。

    帯にある「はきだめのメルヘン」の言葉に「何じゃそりゃ!」と思ったけれど、読み終わってみるとあながち的を外していないような気がするのは、登場人物たちが吸っていた葉っぱ(多分マリファナ)の煙と、それが見せる幻覚のせいか・・・。
    でもメルヘンだとやっぱり、物足りないのよね~。

  • 北海道から流れて沖縄までたどり着いたツキヨ。「竜宮城」で体を売って暮らしている。奥歯が痛く、闇の歯医者に行くことになる。そこには、元歯医者の万次郎、万次郎に刺青を入れてもらっているヒロキがいた。二人が同居しているところに、ツキヨも加わることになる。はきだめメルヘン。
    登場人物みんな幸福から縁遠い人たちばかりだし(「おばあ」がまともか)、終始暗いムードが漂う。そういうジメジメを描きたかったのかしらね。性と金と暴力。そして、いつもの女の強さ。私の中では桜木史上一のどんより感いっぱい。

  • 初出 2016〜17年「小説宝石」

    北海道から流れ流れて沖縄の「竜宮城」という売春宿に居着いたツキヨは、歯の治療をしてもらうために、女性関係のもつれから逃げて匿われている元歯科医万次郎のもとを訪れ、その同居人で万次郎からモナリザの刺青を施されていたヒロキと、3人の奇妙な共同生活が始まる。
    ヒロキが拾って来た子猫が死んで、ヒロキのおばあが居る奥武島に橋を渡って行く。おばあによると、ヒロキは死にかけた子猫ばかり拾って来る「看取りの天使」なのだという。暗い前半からうって変わって明るい後半だが、生活感のないふわふわした物語が続く。

    竜宮城は短期のアルバイト感覚で女の子が入れ替わる海の底なのだが、ツキヨはそこへ戻ってママ(遣り手)の後釜に座り、万次郎は海で本当に行方不明になる。

    ツキヨが少女期に義父から受けた性的行為がトラウマになっていることが、物語の端々に伺えるのだが、ずっと読み手の心に刺さっている棘ような気持ちになる。
    タイトルの「光まで5分」は歯の治療後にツキヨに吸わせたタバコ(たぶんマリファナ)が効くまでの時間、象徴的だが分かりにくい。

  • ハッピーエンドという訳ではないけれど
    読後感も悪くなく
    桜木紫乃さんらしい素敵な文章が随所にあり
    あっという間に読み終えてしまいました。

    タイトルが良いです。

  • 北海道から流れ流れて沖縄にやってきたツキヨは、那覇の路地裏で身体を売っている。客に教えてもらったもぐりの歯医者を訪ねたツキヨは、元歯科医の万次郎、同居人のヒロキと出会った。ヒロキと気が合ったツキヨは、万次郎たちと暮らすことにするが――。

  • 2025/9/20

    砂の中にいて、水中に出ようとしたら砂が巻き上がって水が濁ってしまう。
    そんなイメージ。

    すごく暗い話なのに、なんだかキラキラしてる。
    虐待された子どもが、いつまでも親に期待して、良いふうに思おうとしているのが辛い。

    死ぬときはヒロキに迎えに来て欲しい。
    背中で微笑むモナリザを見たい。

  • 沖縄行きたい

    ってな事で、桜木紫乃の『光まで5分』

    北海道から流れて沖縄に居着いたツキヨ。

    身体を売ってどんつきまで落ちた生活の中で元歯科医の万次郎と、その万次郎にモナ・リザのタトゥーを背中に彫って貰った青い瞳のヒロキに出逢う。

    何となしに3人で暮らし始めて、どんつきまで落ちていたツキヨは陸へと上がって行くのだか、謎のおっさん南原が現れた事によって穏やかな生活は逆流していく事に…。

    生きながら死んでいる、過去のトラウマから逃れられない、生きる意味を見いだせない、それぞれの生き様は何とも言えんね…

    流れて生きていく事は、わしの人生もそんな感じでもあるし、流れながらも良い人達にめぐり逢えて、可愛がって貰って人徳…

    じゃないな人運がええと常々思いながら生きてます

    出逢う人によって流れていく人生はええけど、流されてく人生には成りたくないなと思った本じゃね。

    2021年34冊目

  • もう少し希望のある結末を想像していたので気持ちがしんどくなった。読み終えて、こちらの方が救われない気持ちになった。

  • 数年後にまた読みたい

  • 暗いねぇ悲しいねぇ
    舞台は南の島なのに、まるで雪に閉ざされた北の国のよう。さすが桜木紫乃さん。

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著者プロフィール

一九六五年釧路市生まれ。
裁判所職員を経て、二〇〇二年『雪虫』で第82回オール読物新人賞受賞。
著書に『風葬』(文藝春秋)、『氷平原』(文藝春秋)、『凍原』(小学館)、『恋肌』(角川書店)がある。

「2010年 『北の作家 書下ろしアンソロジーvol.2 utage・宴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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