旅は道づれ きりきり舞い

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  • 光文社 (2019年5月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (260ページ) / ISBN・EAN: 9784334912819

感想・レビュー・書評

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  • 十辺舎一九の娘・舞による、きりきり舞いな日々を描くシリーズ第三作。

    玉の輿を夢見ていた舞だが、結局は一九の思惑通りに弟子・今井尚武を婿に迎えることになり祝言を行うところから始まるのだが、そこは奇人だらけの一九の家、恙無く進むはずがない。
    一九の生家から贈られた白無垢は一九とその妻えつにめちゃくちゃにされ、思いもよらぬ客人が次々訪れ、お約束の飲めや歌えの大騒ぎ。
    他にも一九のどんちゃん騒ぎで五十両もの借金をこさえ、その返済に養子の丈吉を取られたり、正月に街を回ってくる芸人の夫婦の揉め事に首を突っ込んだり。

    相も変わらず胃がきりきりしそうな日々だが、シリーズも第三作となると舞も慣れたもの。
    思うように戯作が掛けずに当たり散らす素面の一九にも、気が大きくなって見ず知らずの人間にも大盤振る舞いする酔っ払った一九にもオタオタしない。
    借金まみれだろうが、躍りでは食べてはいけなかろうが、居候のお栄に我が物顔で振る舞われようが何とかなると腹を括っている。

    実際五十両もの借金も何とかなってるし、一九が巻き起こす騒動もなんだかんだで決着がつく。
    このシリーズを読んでいると過去の因縁というのは後にいろんな形で戻ってくるもだと思える。
    一九が行きずりの女性を泣かせたことも、旅先で財布を掏られたことも、良いことも悪いことも戻ってくる。
    過去の大ベストセラーで版元を大儲けさせたことが、借金まみれの生活でも楽しくやって行けているわけで、舞ではないがきりきりしても仕方ない、一緒に楽しんでしまえば良いのだという気にすらなってくる。

    後半はタイトル通り旅に出る話。
    初登場の舞の兄・市次郎は、一九一家では唯一の常識人ながらおおらかで良い人だし、一九の過去の因縁も上手く纏まった。
    無茶苦茶な一九も身勝手なお栄も呑気な尚武もいざとなれば力を出してるし、誰かが手を貸してくれている。
    何より江戸だけでなくどこに行っても一九先生は大人気だ。
    この後一九が新作を書けるのかは分からないし、舞の踊りの弟子が増えてくれるのかも、尚武が新しい仕事を見つけられるのかも分からない。
    だが『破天荒な一九、厚かましい尚武、身勝手なお栄、酒乱気味なおえつ、言うことを聞かない丈吉』に囲まれつつも何とかなるのだろう。

  • “きりきり舞い”シリーズ第三弾。

    十返舎一九の娘・舞は、周囲の自由すぎる奇人変人達に翻弄される毎日。
    最近は一九の(四番目の)妻・えつまでも徐々に奇人化してきている様子。
    舞と今井尚武の祝言、舞の兄の住む駿府への旅等、大事なイベントがトラブルのオンパレードになっていますが、何だかんだで皆楽しそうかも。

  • 鬱陶しいキャラ、笑えないドタバタ、情感もない。

  • 文庫になった2冊から読んでみよう、、、

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    『東海道中膝栗毛』を著した戯作者、十返舎一九は舞の父。大酒のみで希代の変わり者。舞の家に居候する葛飾北斎の娘で女絵師のお栄も一九に負けず劣らずの偏屈者。更に、敵討ちのために江戸に出てきた浪人・今井尚武は一九の押しかけ弟子となり、舞の許嫁を勝手に名乗っていた図々しい奴。ところが、父から縁談話をことごとく壊され、婚期を逃してしまうのではと焦っていた舞といい感じとなり、とうとう祝言をあげることに。舞は嫁き遅れを免れ、うれしくてほっとしている、はずなのだが、大酒飲みや居候のいる台所は火の車、一九が旅籠の女に産ませたとおぼしき男児、丈吉を育てることになったりと、相も変わらず、奇人変人たちが巻き起こす大騒動の後始末ばかり。いったいいつまで「奇人気まぐれきりきり舞い」とおまじないを唱えつづけなければならないのか。そんな中、老舗の本屋に奉公に出ていた舞の兄、市次郎が府中宿で晴れて自分の店を開くことになり、一九たち一家を故郷の駿府に招きたいと文が届く。江戸から府中の東海道四十四里を一行は旅することとなる。どんな珍道中となりますか。大好評「きりきり舞い」シリーズ第三弾。 
    https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334912819

  • 小説宝石2017年1,5月号、2018年1,5,8,11月号掲載の6つの連作短編を2019年5月に光文社から刊行。シリーズ作成。毎度のドタバタコメディーパターンで、軽く読めるが、残るものが少ない。

  • 本当に 十返舎一九が、大酒飲みだったのかどうか、わからないけど、葛飾北斎の娘のお栄も、描くことばかりで、他には興味なしの娘。
    十返舎一九の娘 舞は、いつもこんな奇人変人たちの後始末にてんやわんや!

    6話のは話になっているのだが、、、、
    「おどろ木、桃の木」とくれば、山椒の木・・・
    「捨てる神あれば」とくれば、拾う神・・・と、つい言いたくなるような題名にしてある。

    どれもこれも、十返舎一九の豪快さを表しているのか、大酒飲みの酒乱を表しているのか、、、と、思いたくなるほどの乱痴気騒ぎ。
    宵越しの金はは、持たない主義であろうか?
    毎度、お金を貸して貰っている。
    舞の結婚相手も、十返舎一九の所に押しかけて弟子になった今井尚武も大酒飲み。

    そして、十返舎一九の落とし子の丈吉を舞の子どもにするなんて、普通では、考えられない事が、すらりと、書いてある。

    そして、偽一九と、本物の一九が、血は繋がらないが、縁があった事も、本当なのか?と、・・・

    本は、読んでいて面白いのだが、、、余りに世間ずれしていて、あっけに取られてしまった。
    舞の気持ちになったら、最初の花嫁衣裳の白無垢に墨をかけられて、どんなに、落ち込んだかと思うと、悲しみの方が大きいだろうと、、、そして、どうして、もっと怒りを、、、と、思ってしまった。

    こんな親の後始末ばかりさせられて、この後、舞はどんな人生を送ったのだろうと、余計な心配をしてしまった。

  • 初出2017〜18年「小説宝石」シリーズ3作目だが、2作目から5年もたっている。

    十返舎一九の娘舞は、中風で戯作を書かなくなって酒浸りの一九、その弟子で厚かましい浪人の今井尚武、北斎の娘で絵以外に興味の無いお栄の、常識外れの三奇人に相も変わらず翻弄されるるのだが、今作でとうとう今井と祝言を挙げる。もちろん大騒動で。
    美男の太神楽の太夫が遊び好きの女房に逃げられてしょげる話、旗本に輿入れする公家のお姫様を預かる話、養子(になったのか?)の丈吉が借金のかたに、大名屋敷の奥から下がった認知症の老女にかつての恋人の「息子」として売られる話を経て、最後の2話が、一九の故郷駿府に一九の息子を尋ねて全員で旅する話。
    一九を名乗って地元でちょっとした有名人になっている偽物にツケを払わされたりして翻弄されるが、一九の複雑な出自や関係する人々のことが分かって、舞は一九の心中を思いやる。

  • 十返舎一九の娘、舞は、いつも奇人変人たちの後始末ばかり。ひょんなことから、一家総出で、江戸から駿府へ四十四里。これぞ本家本元「東海道中膝栗毛」。弥次さん喜多さんに成り代わり、涙と笑いの人生をたどる旅路。人気シリーズ最新刊!

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著者プロフィール

諸田玲子
静岡県生まれ。上智大学文学部英文科卒。一九九六年『眩惑』でデビュー。二〇〇三年『其の一日』で吉川英治文学新人賞、〇七年『奸婦にあらず』で新田次郎文学賞、一八年『今ひとたびの、和泉式部』で親鸞賞を受賞。著書に『お鳥見女房』『あくじゃれ瓢六』『きりきり舞い』シリーズのほか、『四十八人目の忠臣』『波止場浪漫』『帰蝶』『女だてら』『尼子姫十勇士』『しのぶ恋』など多数。

「2023年 『其の一日 増補新版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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