屑の結晶

  • 光文社
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レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334913069

感想・レビュー・書評

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  • 殺人を犯した青年と弁護士との攻防。

    小野宮楠生は恋人と清掃員の中年女性を殺害し、世間を挑発するような発言をして、クズ男と呼ばれていた。

    しかしそのクズ男を支援する妙齢の恋人たちが、弁護士・宮原貴子のもとへ、弁護の依頼にくる。

    楠生と接見した宮原だったが、殺害の動機や供述に違和感を覚え、調査していくうちに、殺された二人と楠生はM町で繋がっていることがわかる。

    過酷な幼少時代に交錯した同級生の宍戸真美との関係性が、事件の鍵を握る。

    楠生はなんなのために生きているのか。


    とても面白くて一気読み。
    誰も救われないのが、寂しい読後感です。

  • 02月-09。3.5点。
    楠男という名の男、殺人を犯し「クズ男」と呼ばれる。弁護を依頼された主人公、クズの背後には。。

    背景を調べていくうちに真相が。謎っぽく、だんだん明らかになる過程が結構上手い。でも哀しい。。

  • 屑なんだけどクズじゃない、1人の為に全てを捧げる。

    うーむ。

  • 面白かったけど、救われない話で悲しくなる
    クズ男はなんの為に産まれたのか…

  • +++
    「誰を殺そうと俺の自由」小野宮楠生は二人の女性を殺害した容疑で逮捕・起訴され、チャラい外見とふざけた供述から「クズ男」と呼ばれている。弁護士の宮原貴子は、小野宮が幼少期を過ごした町へ赴き、ある女性の存在をつかむ――。聖と悪のボーダーをゆるがす哀切のミステリー長編。
    +++


    一見すれば誰にでも判るような殺人事件の裏に、実はこんなにも複雑な体験とそれに伴う心理状態が潜んでいようとは。起きたことの判りやすさとは逆に、終始、座りの悪い不安定な何かを感じていたのは、弁護士の貴子だけではなく、読者も同じである。楠生の態度や反応は、ステレオタイプでありながら、底の読めない空恐ろしい昏さを内包している気がして、その掴みどころのなさ故に、地団駄踏みたくなるようなもどかしさを感じてしまう。しかし、ある点を突かれると意外にも脆い一面をのぞかせることに気づいたとき、事件の真相はぐっと近づいてくるのである。幼児体験の影響力のすさまじさとともに、人の心の奥底をのぞき込む怖さをも味わわされる一冊である。

  • 二人の人間を殺害し、しかし反省の様子もなく人を食った態度と笑顔で世間を騒がせる「クズ男」。彼の弁護を引き受けた弁護士が彼の証言に疑念を覚え、真相を究明するために証人を探すうち、思いがけない物語が現れてくるミステリ。
    クズ男とは言い得て妙。最初のうち、とにかく彼の軽すぎるノリにむかつくことと言ったら! だけどそれにたらされてしまう人も少なくはないんだろうなあ、という妙な魅力もないではありませんね。その魅力的にも思える外面がすべて見せかけの態度にも見えて、逆に彼が本当は何者なのか、ってのは気になって仕方がなく。ぐいぐいと一気読みです。
    と、これ以上はネタバレになりそうなので語れませんが。あまりにも切なく思えたこの物語は、誰かに愛されたかった人たちの悲劇だったのかなあ、と。悲惨な環境であれ恵まれた環境であれ、その部分は共通している気がしました。彼と彼女、どちらが幸せな人生といえたのか。

  • 2人の女性を殴打した殺人犯楠生の弁護を引き受けることになった貴子は、事件に違和感を感じていた。…

    反省の色の見えないクズ男の笑い方や仕草が、わざとらしく感じ、私自身も違和感ばかりでした。

    被害者以外の人物の登場で、どんどん面白くなり、真相が分かると、なるほどと納得。

    ただ、エピローグには、また違和感を感じてしまいました。
    クズ男の仕草の真相ではあったのだけど、今ひとつピンと来なかったです。純粋で一途な楠生で良かったはずなんですが…。

    ストーリーは面白かったので、出会って良かった作品でした。

  • 「誰を殺そうと俺の自由」小野宮楠生は二人の女性を殺害した容疑で逮捕・起訴され、チャラい外見とふざけた供述から「クズ男」と呼ばれている。弁護士の宮原貴子は、小野宮が幼少期を過ごした町へ赴き、ある女性の存在をつかむ――。聖と悪のボーダーをゆるがす哀切のミステリー長編。

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著者プロフィール

1965年東京都生まれ。北海道育ち。1994年『パーティしようよ』が第28回北海道新聞文学賞佳作に選ばれる。2007年「散る咲く巡る」で第41回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)を受賞。著書に『夜の空の星の』『完璧な母親』『きわこのこと』など。

「2018年 『玉瀬家、休業中。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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