ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人

著者 :
  • 光文社
3.60
  • (101)
  • (352)
  • (307)
  • (47)
  • (8)
本棚登録 : 3300
レビュー : 301
  • Amazon.co.jp ・本 (439ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334913724

作品紹介・あらすじ

謎を解くためなら、手段を選ばない。コロナの時代に、とんでもないヒーローがあらわれた!

名もなき町。ほとんどの人が訪れたこともなく、訪れようともしない町。けれど、この町は寂れてはいても観光地で、再び客を呼ぶための華々しい計画が進行中だった。多くの住民の期待を集めていた計画はしかし、世界中を襲ったコロナウイルスの蔓延により頓挫。町は望みを絶たれてしまう。そんなタイミングで殺人事件が発生。犯人はもちろん、犯行の流れも謎だらけ。当然だが、警察は、被害者遺族にも関係者にも捜査過程を教えてくれない。いったい、何が起こったのか。「俺は自分の手で、警察より先に真相を突き止めたいと思っている」──。颯爽とあらわれた〝黒い魔術師〟が人を喰ったような知恵と仕掛けを駆使して、犯人と警察に挑む!
最新で普遍的。この男の小説は、ここまで凄くなる。東野圭吾、圧巻の離れ業。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 手腕に舌を巻く一冊。

    コロナ禍を詳細に盛り込んでいるのが一番興味深い。

    葬儀を始め至る所にこんな影響が…と改めて制限された世の中を実感させられた。

    何よりもコロナ禍をこの時代を残したかった、だから敢えて明るさ系ミステリで魅せたのかな。

    早くこんな時代もあったよねと言えたら良いな。

    この叔父さんの観察眼、手腕には何度も舌を巻くほど。
    真世の皮肉めいたツッコミも明るいスパイスの犯人当てショータイムだった。

    しっかり向き合えよ、そう思わせる様な叔父さんのマジックも好印象。

    疲れるキャラだけどもう一度ぐらいなら会っても良い。

    • yyさん
      「疲れるキャラ」っていう表現、面白いですね。そして、その通りですよね! 新聞の広告欄には作者本人の言葉として「このヒーローを生み出せたことで...
      「疲れるキャラ」っていう表現、面白いですね。そして、その通りですよね! 新聞の広告欄には作者本人の言葉として「このヒーローを生み出せたことで作家生命が延びたかのしれません」とありました。もう一度くらいはお目にかかれるのかもですね。
      2021/02/02
    • くるたんさん
      yyさん♪コメントありがとうございます♪

      クセの強い、強烈な叔父さんでしたもんね。
      何でも見透かされたり、行動言動もチェックされて一緒にい...
      yyさん♪コメントありがとうございます♪

      クセの強い、強烈な叔父さんでしたもんね。
      何でも見透かされたり、行動言動もチェックされて一緒にいると疲れそうです、私にはw
      あ、叔父さんの方が忙しくて疲れてるかもしれませんねw

      これから叔父さんが何故に帰国したのかとか、シリーズ化で明らかになりそうですね。
      2021/02/02
  • 元国語教師として、生徒たちに慕われていた父親が、殺された。
    犯人は、誰なのか?

    これほど明確に、新型コロナウイルスが発生した世界、として描いている作品に触れるのは、初めてかも。
    今後は、フィクションの世界でも、コロナ渦が当たり前になっていくのか、と。

    素人が自分たちで事件を調べようとするとき、問題となるのは、警察のようにはいかないというところ。
    元マジシャンの手妻で、捜査情報や供述を引き出してしまうのは、おもしろかった。

    全体的には、軽めの作品。
    動機も見えてくるものがあり、ミステリとしてはまあまあ。

  • たった今、読み終わったところ。
    後ろに待っている人がたくさんいるから
    頑張りました。

    ブラックショーマン!
    カッコよくて面白くて、なんて頭が良いの。

    東野圭吾さんの頭が良いから、ですね。
    健康に気を付けて、これからも活躍してほしいです。

    しかし、こんなことで殺されちゃうこともある
    と思うと、自分だってわからないですね。
    (実際私を憎んでいる人間いるし)
    もし私が殺人事件に巻き込まれたら
    いろいろ調べられて
    「ネットでこんなこと書いていたの?!」
    と周りの皆ビックリするだろうなー。

  • コロナ時代を反映している舞台で、名もなき町の観光事業はニュースにならなくてもどこも厳しくどの町が舞台でもおかしくないんだろうなぁと思いました。

    手段を選ばない元マジシャンの叔父さんが事件解決するにあたり、細々としたトラブルまで明らかにしていく感じで、なんだか地元に残った人達は大丈夫なのでしょうか、と思ってしまいました。

    映像化しそうなくらいキャラがたっている探偵なので、そのうち映画化でもされていそうです。

  • まさにコロナ禍の今この頃を舞台にした小説で、書き下ろしホヤホヤという気がします。身近で起きた殺人事件をマジシャンの叔父と推理して犯人を見つけていくストーリー。はじめの方の展開は遅々とした印象で容疑者(?)達の事情も分からなくてもどかしかったが終盤次々にわかる裏事情にページをめくる手が止まりませんでした。エピローグの先が知りたい!物事には別の事情があると疑って見なければ⁇

  • コロナ禍の社会情勢を軸にした謎解き。突然父親が亡くなったにしては冷静な娘に少しだけ違和感を感じたものの、謎だらけのマジシャンのキャラクターについ惹き込まれた。『幻脳ラビリンス』がアニメ化で人気が爆発するあたり、『鬼滅の刃』のパロディーなのかな?2020年という年を象徴的に表わしていて興味深い。そして、東野圭吾の作品はどれも底に人の優しさが流れているのが好き。

  • 名もなき町で起きたとある元中学校教師・神尾英一の殺人事件。
    東京で挙式を控えていた娘の神尾真世は警察からの連絡を受けて地元に戻り、そこで現役マジシャンの叔父・武史と再会する。
    自分たちの手で真相を突き止めたい二人は手を組み、事件の真犯人を探し始める。
    武史がとにかく魅力的なキャラで、いや人間性は最低なんだけど詐欺師のような口の上手さと神がかった手先の器用さ、そして抜群の推理力でみるみるうちに事件解決の手がかりを集めていく。ラスト50ページでの謎解きは鮮やかなショータイムだった。
    さらに面白いのはこの小説もコロナ禍のまっただなかで、地元出身作家による大人気漫画「幻脳ラビリンス」の町興し計画が頓挫したり、葬儀のオンライン配信だったり、随所にその影響がでているところ。東野圭吾はコロナ禍ですらこうやって良質なエンタメに落とし込んでくれるのだから流石だ。

  • コロナ禍のご時世を組み込んだ、エンタメ要素強め、軽いタッチのミステリー。
    探偵役は元マジシャン。癖が強くて抜け目のない、眼光鋭いタイプ。悪い人じゃないし、味方であれば、心強いに違いない…けど、関わると面倒そうだし、ましてや敵にするととても厄介。
    殺されたのが、恨みを買っていたとはとても思えない人格者なので、どうして殺されることになったのか、容疑者はこの中に!となってからの加速が止まらなかった。

    久々の東野圭吾、シリーズものではなかったので過去作飛ばして手を出したが、読みやすさは変わらず。

  •  彼の作品を読む尽くす勢いで読んだ4、5年前ほどは(僕の興味が他に移ったことで)面白いと感じなくなっているけれども、読み始めるとやっぱり面白くて夜更かししてしまう東野圭吾。本作は、コロナ禍のゴタゴタの中にある小さな「名もなき町」で起こった殺人事件を、被害者の弟の元マジシャンが探偵役となり解決する。
     本作の特徴は、終息の兆しが見えているとは言え、この文章を書いている今も現実で多くの人の生活がその影響下にあるコロナ禍を、ストーリーに取り入れていることだろう。単に生活描写として利用するに留まらず、物語の一つの謎(なぜ被害者は事件の日に東京を訪れ家を留守にしたか)にも大きく関わっている。と、ここまで書いて思ったが、本作のテーマは「コミュニケーション」ではないだろうか。コロナ禍というのも勿論そうだが(会いたい人に外出自粛のために会えない、あるいは逆に適度な距離があって成り立っていた関係が自宅でのリモートワークのために崩れる)、犯人が犯行に至った経緯というのも、被害者のことを信用できず、隠していた秘密を打ち明けられなかったことにある。「英一(被害者)にだけは正直にいえばよかったのに、と真世は思う。(略)英一はきっと納得してくれた。いいふらしたりはしない。(略)不幸な誤解だったと思いたいのだ。」(p.423より、括弧内は僕)エピローグのエピソードにも、このテーマは象徴的にあらわれている。探偵役の、相手を観察しちょっとした言動から真実を見抜く類稀な推理力は、コミュニケーションで不可欠な相手への想像力を意味しているのだと考えるのは、流石に穿ち過ぎだろうか。総括すると(こう言うと不快に思われる方が居られるかもしれませんが)、コロナ禍を「小道具」としてうまく使っていた印象だ。
     所謂「黄金期」のような古典的な本格ミステリーが好きなのだが、そこに登場する名探偵の「手品」的な冴えた推理は、科学捜査と物量戦術の手法が確立された現代においてミスマッチなのはその通りだろう。そんな中で、自らの手の上に非現実・非日常を現出させる存在であるマジシャンを探偵役に据えるというのは面白いなと少し思った。

  • 東野圭吾さんの最新作!
    コロナ禍の現代が描かれていて、小説の中身も今の時代に合わせて変わってきているんだなと感じました。

    元中学教諭の神尾英一が何者かに殺害され、その娘・真世と英一の弟・武史が犯人を探すミステリーです。
    武史おじさんが非常に魅力的なキャラでした。
    話術が巧みで頭の回転が早い。しかもマジックを極めただけあって手先が抜群に器用なので、人のスマホを盗み見たり、物をすり替えたりするのも朝飯前。
    そんなこんなで真世・武史ペアは独自に捜索を進め、警察よりも先に犯人を特定することができるのかー。

    とても読みやすかったですし、真相が気になってあっという間に読了しました☆

全301件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

東野圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほかにもテレビドラマ・映画化された作品が多い。2018-19年の作品では、『人魚の眠る家』、『マスカレード・ホテル』、『ダイイング・アイ』、そして今後の映画化作として玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019年5月31日映画公開)がある。なお、中国で『ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-』が舞台化・映画化され、映画はジャッキー・チェンが西田敏行と同じ雑貨店店主役で出演する。2019年7月5日、「令和」初の最新書き下ろし長編ミステリー『希望の糸』を刊行。

東野圭吾の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人を本棚に登録しているひと

ツイートする
×