田中家の三十二万石

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 99
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334913892

感想・レビュー・書評

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  • 頭使いたくない時にピッタシの戦国時代小説。テンポよく話よくシュッと終わるのが良い。難しい本ばっかり読んでないでこういうのも楽しもう。

  • 戦国末期、秀吉と同様に百姓から出発し、最終的には筑後三十二万石の国主となった田中久兵衛の一代記です。
    食べることさえ苦労し先の見えない百姓を嫌い、朝井の家臣・宮部善祥坊に仕える小者からスタートし、秀吉、家康と渡り歩きながら戦国時代を生き抜きます。飛びぬけた才能がある訳では無いのですが、戦地では先陣をついて突っ込んでいく物狂いとなり、普段は穏やかで治世に必要な知識を積極的に吸収し、次第に頭角を表していきます。
    岩井さんは歴史小説の中でも、上の人間の我儘や無茶ぶりに振り回される中間管理職の奮闘を描く作品が多く、それはそれで面白いのですが、この作品は小粒ながら自らの才覚で生き抜いて行く魅力的な人物を主人公に据え、非常にしっかりと読み応えのある歴史小説でした。

  • 百姓から成り上がった田中吉政の生涯。
    浅井長政の家臣宮部継潤に仕え、その後豊臣秀吉、秀次、徳川家康に仕える。はじめは三石とりから三十二万石の大名にまで出世した。
    小者から侍分への昇格、合戦の様子など、土臭く、それでいて抜け目なく逞しい武将の生涯が生き生きと描かれている。

  • 田中吉政。
    戦国の出頭人も家庭には恵まれなかったか。
    死の間際に何を思うか。
    結果よりも過程に喜びがあったのかも。
    昇っていく感覚だけが全てを忘れさせたよう。

  • 関ヶ原の合戦図を見て「田中」って誰?とずっと思ってきました。
    立身出世の一代記、とてもおもしろく一気に読めました。小山評定から関ヶ原まで、「功名が辻」の覚悟を決めたクライマックス感とも違った、迷う視点もいいですね。

  • 立身出世の無常、最後まで面白い。

  • 「あんなしょうもない男が大名になれたのも、戦国というおかしな世の中のせいでござろうて」貧しい百姓から、運と度胸と冷静さで筑後三十二万石の大名へと出世していく田中吉政。名人が円熟の筆で読者を魅了する傑作歴史小説。

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著者プロフィール

1958年岐阜県生まれ。一橋大学卒業。1996年「一所懸命」で小説現代新人賞を受賞しデビュー。98年『簒奪者』で歴史群像大賞、2003年『月ノ浦惣庄公事置書』で松本清張賞、04年『村を助くは誰ぞ』で歴史文学賞、08年『清佑、ただいま在庄』で中山義秀賞、14年『異国合戦 蒙古襲来異聞』で本屋が選ぶ時代小説大賞2014をそれぞれ受賞。『太閤の巨いなる遺命』『天下を計る』『情け深くあれ』など著書多数。

「2017年 『絢爛たる奔流』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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