パラダイス・ガーデンの喪失

  • 光文社 (2021年8月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (376ページ) / ISBN・EAN: 9784334914196

感想・レビュー・書評

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  • 久々の葉崎市もの。今回は二村警部補の骨太ながら情も頭脳もある活躍ぶりに感心。いつもながらいろんな群像劇からの大団円そして最後の最後にもう一捻りと楽しめたが、殺人事件とは別の諸問題がまだ未解決のような。それは次作に期待という事かな?

  • 葉崎市シリーズ8の一冊。

    今作はコロナ禍真っ只中、素敵な庭園にいきなり登場した死体からスタート。
    そこから老人ホーム詐欺事件だの、誘拐だの、何がどうなってどう繋がる?をどんどん掻き立てられ、パッチワークのように色とりどりの布、いや、人物がユーモアとビターで交錯していく過程はややこしながらも止まらない。

    そして最後はどんな大きな緻密に創作されたであろうパッチワークが出来上がるのかワクワク感が止まらない。

    チクチクパタパタ全てのパーツが繋がる終盤、そして…げっ!見事に真っ黒なほくそ笑みがここに。

    これぞ人が持つ強毒。

  • コロナ禍での葉崎市、山の中腹にある個人庭園「パラダイス·ガーデン」で身元不明の老女の自殺体が発見された。身元を特定する役目を押し付けられた二村警部補が捜査を進める過程に絡むように、葉崎市住民が入れ替わり立ち替わり登場してそれぞれの黒い胸のうちを晒していく。コロナ禍なのもあって住民のイライラ度高し。登場人物が多くて皆自分勝手に動くので立ち位置把握が大変。でも群像劇が好みなので面倒くさいのも楽しい。そして一見別々に起こっている詐欺や殺人事件がパッチワークの様に次々繋がっていき、全ての真相が明らかになった瞬間は唸った。小さなネタまできちんと組み込んでいるし、ラストそこから持ってきたか!黒いな!と膝打ち。葉崎市シリーズはこうでないと。

  • 本格探偵推理小説ですね。
    若竹さんの作品を久しぶりに読みました。葉崎市シリーズの最新版ですが、今回は殺人事件が主題。探偵も二村警部補ですが例によってドタバタの内に真相究明に近くブラックユーモア絡みでした。
    若竹さんにしてはかなり書き込みが多い作品に成っています。キャラクターが盛りだくさんでそれぞれの物語が複雑に交差してオールスター総出演のバラエティーエンターテイメントサスペンスミステリーに成っています。
    高老者が大活躍の物語で人間模様もかなり込み合っていて、頭の中で整理しながら物語を楽しみながら読み進めました。
    まだまだ元気に活躍してもらいたいですね。

  • 30年かけ、母娘が作った個人庭園で、見知らぬ女性が死んでいた。
    二村貴美子警部補は、その身元確認と、西峰地区の調査を押しつけられ……。

    葉崎市を舞台にしたシリーズ。
    葉崎市にもコロナはやってきたのだなぁと、しみじみ。

    警察の空回りぶりに、他人の不幸に首を突っ込む下世話さ。
    どたばたしつつ、シュールでブラックな世界観は変わらず。

    登場人物が多く、トラブルがてんこ盛り。
    なかなか複雑で、まさにパッチワークのようなストーリー。

    読後感はビター。

  • 登場人物が多くて混乱する。これはじっくり確認しながら読んだほうがいいだろうと思い、いつもよりゆっくり読む。最初はバラバラだった、そのたくさんのピースが最後の章でピッタリハマってくる。なかなか気持ちいい。

  • 面白いに違いないから、大事にじっくり読んだけど、やっぱりビターで面白い!ブラックではないところが好ましい。
    葉崎シリーズは人間の嫌らしさが生々しく迫ってきて、いらっともやっとさせる、人物描写に優れている。今回はコロナ騒動と絡めて、老年よりの中年から老人が大暴れ(?)して、元気で頼もしい。
    作者お得意の、バラバラパーツが集まって、壮大な絵を描く手腕も見事で、一見関係なさそうな描写があとからつながって、さながら今回のテーマのキルトのパーツ名からのパッチワークがノンストレスで紡がれる。膨大な登場人物の絡みや関わりは、恩田陸のドミノを彷彿。
    女警官、二村さんもステキ。美貌の…ではなく、フッツーのおばさんが元気に頑張ってくれると、もうそれだけで明るい未来が見えてくる。
    ちょっと人物多過ぎて、その後の道程がわからぬまま、匂わせフェードアウトな人もいるのでそこは残念。もっと知りたい!コスモくんとかね。
    ラストは…しっかりモヤルけど、勧善懲悪にならないところがまた、若竹節のスパイス効いてて痺れる!

  • この題名を喪失しそうでした。

    キルトに支配されて、多すぎる登場人物が
    クレイジー・キルトのピースのようで。
    何人死んだ?何人殺された?
    クスッて笑っている間に事件が起こって。
    二村さんが出てきてからは、ラストまで一気読みでした。



    二村貴美子さん!追いかけて~!ひつこく!ひつこく追いかけて、ご主人の仇をとって!

  • 「葉崎市シリーズ」は初読み。コージーミステリと言いながらなかなかの読み応え。

    作品の中にキルト作家が登場するが、この作品自体がまさにキルト、それも細かい柄からなる巨大なキルト。そしてその色調は若竹七海だけあってかなりどす黒い。
    まるでパッチワークを形成するハギレのように登場する個性豊かな登場人物。複雑に絡み合い、一筋縄ではいかない人間関係。次々と起こる一見関係なさそうな事件が、一本の糸で見事につなぎ合わされていく過程にワクワクしっぱなし。

    メモをとりながら読んでも終いには書ききれないほどの情報量の多さと、仕掛けの複雑さにもはやついていくのがやっと。
    それでも、全ての伏線が見事に繋がり、一人の女性の人生の悲哀まで描かれた日にはもう完敗。
    参りました。これだから若竹七海はやめられない。

  • いろんな話が折り重なっているんですね。
    複雑に感じました。
    自分にはもう少しシンプルな方がいいです。
    ラストはびっくりしました。

  • 帯に「二度読み必須!」とある。
    一度めもおもしろかったが、二度目はパズルがパチっパチっとはまるような気持ちいい楽しさがある。
    伏線がこんなに張り巡らされてるなんて。
    内容はちょっとダークだったり理不尽な悲しさがあったりもするが。
    各章はパッチワークにちなみ、パターン名になっていて最後の「キルティング」でいろんなピースがきれいに縫い合わさる。すごい。
    こき使われる中年女性の探偵役が、この作品でも大活躍。
    この一作だけなんてもったいない。二村警部補にまた会いたい。
    真亜子さん夫婦のその後も知りたかった。
    コロナ禍での事件。
    フェイスシールドの代わりにサンバイザーってのもおもしろい。

  • 2回読んでも全部は追っかけきれず、3回読みました。とても今風で面白かった。登場人物のつくろうとするキルトの図案がこんな風に使われてるなんて。

  • 久々の葉崎市シリーズ。
    コロナ禍、個人庭園で発見された自殺とみられる身元不明の死体。その個人庭園を巻き込む形で行われていた老人ホーム建設詐欺。そこに誘拐事件が起こり、関係者たちの意外なつながりが明らかになる。
    なんともやりきれないビターな話。ドライブインのマスター夫婦が気の毒。

  • 若竹七海の葉崎市シリーズらしい展開。とにかく登場人物が多く多彩。次から次へと出てくる。そして皆、一癖も二癖もある変な人たちばかり。その人間模様を読んでいるだけでも十分に面白い。そのうえ、散りばめられた数々の伏線がまるでジグソーパズルのピースのよう。登場人物とその情報量の多さに溺れそうになるけれども、伏線がきれいに回収され、ばらばらのピースが一気に組みあがって大きな絵になっていく様は、読んでいて驚愕しかない。出来上がった絵は複雑に絡み合ったキルトといっても良い。重めの内容ではあるものの若竹タッチで描かれることによりエグさが抜け落ちていて、とても面白かった。

  • 面白かったー。久々の若竹さん。
    登場人物が多いので訳分からんくなりそうだったけど、グイグイ読んでしまいました。

  • 登場人物が多すぎて、話にのめり込めなかった。知らずに読んでいたが、シリーズものらしい。
    なんどか挫折しそうだった。
    事件も多く、本来の筋と関係があるエピソードが何か分かりにくく、読み進めるのが難しかった。入れ替わりも分かりにくい(これは成功例なのかも)。

  • 葉﨑市シリーズ八作目。

    次々と登場する人物がどれもこれも、それらしい。
    なまなましいというか、実際にいる人のように思える。
    どの人物も同じぐらいくっきりと描かれているので、
    誰が主人公なのかわからないぐらいだ。

    という訳で、スイーツバイキングで目移りして、
    一つ一つは美味しいのだけれど、
    どれを食べたのかわからなくなったように、
    途中でちょっと迷子になってしまった。

    コロナ禍の葉﨑市。
    老人ホーム詐欺に巻き込まれた山の中の庭園、
    そこで発見された老女の死体、
    キルト作家の死を待ち望む甥、
    金持ちの家の養子の息子の誘拐、
    その身代金を奪い取った男達、
    それらが複雑にからみあって、
    あっという間に制限時間がきてしまう。

    いや、ピースにパターンがつながって
    パッチワークが完成、ということだけど。

    署長の栄転のコンパニオン付き歓送会を実施して、
    クラスター発生で全国に名をはせるとは、
    いかにも葉﨑市らしくて笑えた。

  • 若竹七海初読。(葉村晶はテレビで観てた)
    本書も〈葉崎市シリーズ〉として既刊多数とは知らず、書評から。

    軽快な文章で読みやすいし、クスッと笑える場面も随所にあったりで面白かった。
    しかし、如何せん登場人物が多い(汗)遅読な私が悪いのだが、途中から誰が誰やら混乱し、読了して見失ってる人数名。(スミマセン)

    二村警部補のサンバイザーは最高だった。

    • かまぼこさん
      葉村晶シリーズしか読んだことないけど、若竹さん、私には読みやすくはない…でも好き
      葉村晶シリーズしか読んだことないけど、若竹さん、私には読みやすくはない…でも好き
      2022/02/20
    • いちまろさん
      そうか。読みやすくはないのか(笑)他の人もそう言ってるな。混乱しながら読んでたのは、そのせいか(笑)
      そうか。読みやすくはないのか(笑)他の人もそう言ってるな。混乱しながら読んでたのは、そのせいか(笑)
      2022/02/20
  • 読みにくかった~読み始めてもあんまり引き込まれなくて、分厚いし登場人物が多すぎて、疲れた。気分が乗らないときに読んでしまったかも。多分話は面白いと思う

  • 神奈川県海沿いの葉崎警察署管内のパラダイスガーデンで身元不明の女性の死体が発見される。自殺とみられるが、いったい誰なのか、なぜIDとなるものは何も無いのか、なぜこの庭で死んだのか。葉崎署の警部補二村貴美子が担当することになる。
    パラダイスガーデンは、この地域のお寺から地所を借りている兵藤房子が一人で管理する個人の庭である。ガーデンブームで口コミで訪れる人が増え、カフェも始めた。同じころ、パラダイスガーデンと名付けた老人ホームの勧誘をする女性が周辺に現れる。身元不明の女性の捜査とともに、町の人々の秘密が少しづつ明かされていく。

    複数の人物の隠された事情が次々出てきて盛沢山すぎる。警部補も個性的すぎ。読み手によるのだろうけれど、私は好きではなかった。

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著者プロフィール

東京都生まれ。立教大学文学部史学科卒。1991年、『ぼくのミステリな日常』でデビュー。2013年、「暗い越流」で第66回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。その他の著書に『心のなかの冷たい何か』『ヴィラ・マグノリアの殺人』『みんなのふこう 葉崎は今夜も眠れない』などがある。コージーミステリーの第一人者として、その作品は高く評価されている。上質な作品を創出する作家だけに、いままで作品は少ないが、受賞以降、もっと執筆を増やすと宣言。若竹作品の魅力にはまった読者の期待に応えられる実力派作家。今後ブレイクを期待出来るミステリ作家のひとり。

「2014年 『製造迷夢 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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