老人ホテル

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334914929

感想・レビュー・書評

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  • 大家族の毒親から逃げ出した女の子、天使が老人たちが住む老人ホテルの人たちと接し、変わっていく話。
    天使が光子に執着する理由が徐々に明かされていく。
    光子にも天使の世話を焼く理由があり、双方の謎が明かされていくのが面白い。
    しかし、出だしの天使は考え方が短絡的で恐ろしかった。

  • 大家族で育った天使(えんじぇる→本名)。親から教わったことはただ一つ、いかにして生活保護を(不正に)受けるかということ。箸の持ち方さえ教わったことはなく、世間一般の常識を知らない天使は、いつも自分は他の人と何か違うんじゃないだろうか?笑われているのではないだろうか?と自分に自信がない。
    バイト先のビジネスホテルは、連泊し自宅のように住んでいる老人が多数。老人たちと関わることで天使は変わってゆく。
    ‥‥と、書くとほんわか癒されストーリーのようですが、全く違います。酸いも甘いも噛み分けた老人たちから現実を教わっていくのです。でも、その現実というのは、天使が今まで知らなかった常識でもあります。老人たちは、自分が一番輝いていた時を取り戻し、天使は常識を知り生きていく術を得ていく。Win-Winの関係なのです。
    そして、何よりも天使にとって良かったのは、第三者にイヤイヤながらも生い立ちを話していくことで、今までの人生を振り返り、親兄弟への気持ちを整理できたことだと思います。親族は自分を守ってくれる存在であると同時に奪っていく存在でもある。それを学んでいく天使。
    ラスト‥‥なかなか粋でしたよ。したたかに、しなやかに生きていく天使の未来が見えました。

  • 原田ひ香さんの新作
    図書館でようやく届いて手に取りました


    最初はなんの話?という感じでしたが
    知らぬ間にのめり込んで
    あっという間に読めました


    天使というのが
    本名と気づいた時には
    ビックリ
    兄弟も、凄い名前だ…


    それだけでなく
    なかなかな家族でした

    生活保護を不正受給して
    働かず暮らしている家族から
    逃げ出した天使が
    お金持ちになるために
    以前見かけた光子を探して
    ホテルで働き始めます。


    どうにか光子と接触し
    一から教えられて
    少しずつ変わっていくさまが
    読んでいて心地よかったです


    教育を受けることで
    考えや暮らしがこれだけ変わってくるんですね

    当初山田さんを辞めさせようとする考え方も
    何も知らないからそうなってしまうのかと
    納得しました


    それだけにラストが切ない
    2人で乗り越える、とか
    他のラストはなかったのだろうか。。
    でもこの感じは
    原田ひ香さんっぽい気もする


    家族と金の闇は深い、、、

    • しずくさん
      >でもこの感じは
      原田ひ香さんっぽい気もする

      同感です!
      >でもこの感じは
      原田ひ香さんっぽい気もする

      同感です!
      2023/04/17
    • どんぐりさん
      しずくさん

      ありがとうございます(^^)
      しずくさん

      ありがとうございます(^^)
      2023/04/18
  • 生活保護大家族から逃げて、キャバ嬢として働いていた日村天使は、そこでビルのオーナーである綾小路光子と知り合う。
    その老女を再び見かけ、跡をつけて行った先はビジネスホテルだった。
    そこには、訳あり老人が長逗留している場所でもあった。
    そこの清掃員としてホテルに入った天使は、光子に近づいて投資家としてのノウハウを学ぶことになる。

    どういう展開になるのか序盤からはわからなかったが、家族に恵まれなかった者が、なんとかして生き残る方法を掴んでいく…ということ。

    ただ訳あり老人たちのホテルというよりも経験を積んだ者に知識や教えを乞い、成長していくといってもいいのかもしれない。
    案外、親よりも他人から教えてもらうことのほうが多いのかも…と思った。

  • 最近、原田ひ香さんの勢いが止まらない。実際にどれくらいの期間で執筆されているのか分からないが、次々と新しい著作を出している印象だ。本作も面白く、一気に読んでしまった。テーマは「お金」「高齢者」「貧困女子」。他の作品でも感じたことだが、どんな境遇にいても、それを悲観したり言い訳にせず、できると信じ前向きに取り組むことが何より大事なのだと感じた。もちろんフィクションであることは差し引くべきだが、それでも、こうした心意気は現実世界でも必要だ。一度ダメでもへこたれずにやってみることも相当大事だなと改めて感じた。孤独な高齢者や貧困など、一見辛いテーマではあるが、価値観や何を幸せと感じるのかは人それぞれであり、自分の行動力とやる気次第で環境はいくらでも変えることが可能だと、最近読む原田さんの作品から教えられている気がする。

  • 埼玉県の大家族で育った日村天使(えんじぇる)は、生活保護を受け自堕落な生活を送ってきた。大家族ファミリーとしてテレビにも出ていたが、16歳で家を出て、大宮のキャバクラ「マヤカシ」に勤める。そこでビルのオーナー綾小路光子と知り合った。数年後、訳あり老人が長逗留する古びたビジネスホテルにひっそりと暮らす光子と再会する。天使は、投資家だという光子の指南で、生きるノウハウを学ぶことになるが……。

    家族関係をやたら美化したのもうんざりしてしまうけれど、天使や光子のようにシビアな家族環境にあるのも辛い。親ガチャ、子ガチャは裏腹に生じるものなのだろう。光子が最後に介護施設や病院に行くのが嫌で、天使に頼み込むのは理解できた。
    ホテルの住人に元ジャーナリストの幸子が居る。彼女は天使がかつて大家族特集のテレビに出演していたと見抜き、天使に取材しルポを書こうとしている。真意は仲良し大家族ドラマの裏側を探りたかったからだ。幸子の母親は娘に、物書きとしてキャリアウーマンとなるより、天使の母親のようなたくさんの子供に恵まれ暖かい家族で暮らすことを望んでいた。真実は虚像だったのだが・・・。報道番組で時折り感じられる。報じる側が勝手に創り上げ視聴者側は手玉に取られているのに、気付けていない。
    成功したと思われる光子から節約や投資のノウハウを指南してもらい、天使はみるみる成長。光子の望んだ死を叶えてあげるまでは良かったと思える。しかし光子が遺したお金を盗んでしまった! 盗みの発覚を防ぐために、中学時代の唯一の加藤裕太を利用して、同僚の山田から逃れる策を考える。どうにか思いとどまれたがまだまだ危うい。「あたしはまだやり直せるはず」と天使が目を閉じて祈ったのが、自身に対してであって欲しいと思いながら、本を閉じた。

  • 今回もお金の勉強になりました。
    どこにどれだけ使ってるか可視化することの大切さを実感した。お釣りにこだわることの大切さも。
    天使はホテルで働き始めて、一階の老人ホテル暮らす人達と出会う。光子さんや幸子さん、大木さんと出会い、成長したはずなのに。
    最後はダメじゃない?
    光子さんに恩を仇で返したよねと落胆した。
    でも続編があったら、光子さんは防御策をうってそうだな。天使じゃないじゃん。バチが当たる
    いやそれより、親の教えって大切かも。
    そして、人の親になる責任の大きさを実感した。

  • 生活保護大家族から逃げ出して、自立を試みる主人公・日村天使が、ビジネスホテルで陰遁生活を送るワケあり老女から、生きて行くための"ノウハウ"を学んでゆく物語。
    前半は、天使がどのように老女・光子と関わって行くのか、が描かれているがあまり面白味が感じられず、読み進むのに苦労した。しかし、後半に株や投資のレクチャーが始まると、俄然面白くなって、最後まで一気読みになるほどだった。

  • もっと お金の話を 期待したのですが。

    後半部分に やっと 出てきました。

    でも すぐに 光子さんが 無くなってしまったので

    残念でした。

    ラストがね。

    ハッピーエンドでと 期待したのですが。

    その点は 残念です。

    エンジェルのその後は 無いですよね。

  • ラストの途中で思い止まったシーンに、天使(エンジェル=主人公の名前)の成長を強く感じました。光子さんやホテル滞在の老人達に天使が出会えて良かった。
    心根は悪い子じゃないのだから。。
    親のせいで大変な人生を歩んできたけれど、天使には成功を掴みとって欲しいし、きっと大丈夫だと信じている。
    お金の増やし方は天使だけじゃなくて、私たちにもためになる。

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著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。2005年『リトルプリンセス2号』で、第34回「NHK創作ラジオドラマ大賞」を受賞。07年『はじまらないティータイム』で、第31回「すばる文学賞」受賞。他の著書に、『母親ウエスタン』『復讐屋成海慶介の事件簿』『ラジオ・ガガガ』『幸福レシピ』『一橋桐子(76)の犯罪日記』『ランチ酒』「三人屋」シリーズ等がある。

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