- 光文社 (2023年4月19日発売)
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感想 : 37件
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Amazon.co.jp ・本 (276ページ) / ISBN・EAN: 9784334915216
感想・レビュー・書評
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乾ルカさんの作品で、湖永さんのレビューを読んで私も読みたいと思いました。湖永さん、ありがとうございます。泣けました…。
ストーリーは、79歳の椎名利夫が末期がん(ステージⅣのすい臓がん)と診断、余命は1年との説明を受けたことから、妻として、娘として、どう関わるべきかを模索するもの…。妻の慶子は74歳、利夫とは当時は珍しい恋愛結婚、利夫と慶子の一番の心配は、長女で40歳の由希子のこと…40歳になっても結婚もせず、両親と同居し小説を書いていたこともあるが今はバイト生活…次女の真理子は結婚し家庭を築いているのに…というもの…。由希子が結婚してくれることが利夫と慶子の願いだったが…由希子は自身の結婚の話になると話をはぐらかしていた…。そんな利夫だが、刻一刻と病状が悪化し余命1年も過ごせない状況に陥り…逝くもの、遺されるもの…その後の人生…そんな重いテーマでした。
序盤あまりにも、由希子に結婚、結婚と押し付けるかのような両親の態度に少し疑問を感じました。利夫は最期まで頑張ったなぁ…と、利夫のことをふたりの娘は「昭和脳」だと揶揄しますが、私は利夫のキャラ、好きですね♪辛くともいつでも、「大丈夫、心配するな」って…そして、会話の中にもユーモアもあってね!モスバーガーのシーンは本当によかったです。
そして、私の父と重なる部分がありました…。父は利夫の年齢より早く逝きましたが、最初に告げられた余命とほぼ同じくらい生きました。最期はみているのが辛かったし、何を伝えたいのか汲み取ってあげられなかった…。がんはお別れが言えるとは言っても、父にはお別れちゃんとできなかったなぁ…とか、しみじみ思っちゃいました。 -
最後の一文を読み終わったとき、思わず泣いてしまいました。椎名利夫(79)に、読者の私の父の姿が重なったからです。
膵臓がん ステージIV 余命一年と宣告を受けてから、「まるで崖に向かって進んでいく壊れたトロッコ」のように病状が進んでいく利夫。妻の慶子、娘の由希子、真理子、それぞれの思いと覚悟を感じながらの読書でした。
「がんは死の準備をする時間がある病気だ」と言われますが、そうではない場合があります。信じられない思いで一喜一憂し、読者の私が過ごした短い日々がこの本と重なりました。
この本では、その短い日々で家族がわかりあえたことが何よりもよかったと思いました。そして家族だからこそ言えた言葉、聞けてよかった言葉があるということに共感しました。その言葉を支えに遺された者は生きていけると、私も実感しています。
この本は、私にとっては特別な一冊になりました。
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私もこの作品読んでます!
モスバーガーのシーンが好きです!
泣けましたね(´Д⊂グスン
ウチの父もガンで他界してるので
感情移入し...私もこの作品読んでます!
モスバーガーのシーンが好きです!
泣けましたね(´Д⊂グスン
ウチの父もガンで他界してるので
感情移入しまくりました。2025/10/31 -
先ほど、かなさんのレビューを遅まきながら読ませていただきました。
同じような思いをされていたんですね。
モスバーガーのシーンは本当によかった...先ほど、かなさんのレビューを遅まきながら読ませていただきました。
同じような思いをされていたんですね。
モスバーガーのシーンは本当によかったですね。2025/10/31
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末期癌で突然の余命宣告を受けた父。
そこからあっという間に病状は悪化する。
そのスピードを自分に置きかえてみたら、ただただ怖かった。
家族は残された時間をできるだけ幸せなものにしようと頑張るのだけど、その「幸せ」って一体何なんだろうと考えさせられた。
父利夫のキャラクターが昭和の親父っぽい部分は困るけど、お茶目なところもあって憎めない。
読み終えて、なんだか自分の親に会いたくなってしまった。 -
「どんな物語を面白いと思うかは、誰もが自由だ。」
この一文、いい! 椎名家の誰かは 自分だ。 -
余命宣告………………怖いよなぁ
ラストのモスのホットドッグのシーン(;_;) -
病室でモスバーガー食べるシーンは
もう、泣いちゃう。
昭和感全開の価値観のじいちゃん達だが
気持ちも分からんでもない。
長女由希子の心の動きが
リアリティがあり
希望の持てるラストでよかった。 -
誰の立場で読むかで、受け取り方も変わるだろう。
癌のようにある程度余命がわかるのは、後に残される者にとっては心残りのないように振舞えるので、突然亡くなるよりずっといい。経験者としてそう思う。
現実問題として、イベントができるわけでもなく淡々と日々をおくるだけだったけれど。
当時の自分のこともいろいろ思い起こされる話だった。
親の一番の望みは子供が幸せであること。
これは私も親として本当にそう思う。
利夫が亡くなる前にそれに気付けた由希子は間に合って良かったと思う。
理解なんか必要ない。そこにあるのだから、ただ受け入れればそれでいい。親の態度としてはそれで充分ではないだろうか。
最後が夫婦のシーンで終わる。
それが、この割とステレオタイプにも見えた昭和の夫婦の物語として、すごく腑に落ちるラストだった。
いい余韻が残る。 -
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79歳の椎名利夫は体調不良を訴え内科を受診した。本人は季節外れのインフルエンザを疑っていたが、処方された薬は効かなかった。再訪した利夫に、医師は消化器内科への紹介状を書く。検査入院の結果、ステージⅣの膵臓がんと診断された利夫の闘病生活とそれを支える家族の話かと思いきや、主人公は40歳になっても親元を離れない長女だった。
小説家としてデビューし3冊の本を上梓したが鳴かず飛ばずで、現在はアルバイトで生活している。しつこいほどに結婚を迫る周囲の声に辟易するが、彼女が結婚しない本当の理由が明かされ愕然となった。
ステージⅣの膵臓がんといえば、どうしても山本文緒さんを思い出してしまう。進行が早いうえ発見が難しく、数多いがんの中で最も死亡率が高い難病だ。 -
自分の明日を見ているような気がした。
何事も決めつけてはいけないと、改めて心に誓いました。
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中々先に進めなかったけど、最後に泣けた。
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最初の方は、乾さんらしくない内容でつまらないと思ったけど、最後の方の数十ページは大感動。乾さんの新境地に立った作品だった。ありきたりの状況をこんなにも上手く表現しており、流石ですね。
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父の病により 4人家族がそれぞれの生き方を考え 思い合う姿が良かったです 妻の切羽詰まった心情や 娘の 言葉にしてこなかった言葉 皆切ないですが救いはあります
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人の寿命は誰にも計りきれず、臨終に向かう道も人それぞれだけど、お互いを思いやる人が周りにたくさんいることが、真の幸せだと思う。只今臨終の人生を生きているか?と自問wしながら生きてます。
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夫婦と娘2人の4人家族。八十近い父親が病を得、みるみる弱っていく。その間の家族それぞれの葛藤、日々の生活を綴るある意味地味なストーリーなのに妙に心に沁みた。
身近な人の死は思いがけないものをもたらしたりする。長女の由希子は自分自身の道を見つけ、妻の慶子は「おまえが、一番だ」という夫の最後の言葉を糧に、きっと充実した人生を全うするだろう。悲しさの中に心温まる満足の読後感。 -
余命僅かの父。40歳未婚の娘。その母。それぞれの立場からのお別れの小説。
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共感できるシーンやセリフがたくさんあった
主人公と同じく区切りの言葉は言えなかった
死刑宣告と同じだったから
著者プロフィール
乾ルカの作品

湖永さんのレビューはいつも楽しみにしていますよ~♪
あ、これ読みたいって作品もたくさんあげてくれるので
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湖永さんのレビューはいつも楽しみにしていますよ~♪
あ、これ読みたいって作品もたくさんあげてくれるので
助かってます(^^)
現実は小説のようにはいかないけれど、
こうやって見送れたらよかったなって…思いました。
私も、後悔ばかり…なんですよね!
でも、この作品読めてよかったです。
湖永さん、ありがとうございます。
これからも参考にさせていただきますね♪
これからも参考にさせていただきますね♪
ありがとうございます。
どうぞ、これからもよろしくお願いします。
ありがとうございます。
どうぞ、これからもよろしくお願いします。