乱菊

  • 光文社 (2023年6月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (268ページ) / ISBN・EAN: 9784334915377

みんなの感想まとめ

主人公の別所龍玄は、不浄な首斬人という過酷な運命を背負いながらも、慈愛に満ちた日々を送る若侍です。彼の成長や内面の葛藤が描かれ、時代背景を通じて人間の価値観に深く触れさせてくれます。物語は緊張感あふれ...

感想・レビュー・書評

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  • 「図書館」
    乱菊 ー 介錯人別所龍玄始末シリーズ4作目《単行本》
    2023.06発行。字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。
    2023.09.07~09読了。★★★★☆
    両国大橋、鉄火と傅役、弥右衛門、発頭人狩り、の短編4話。
    図書館から借りてくる2023.08.18

    首きり人である別所龍玄の活躍の物語です。

    江戸は、本郷の無縁坂の講安寺門前に住まいし介錯人・別所一門を名乗る一刀流の遣いて龍玄は、町奉行所の牢屋敷で犯罪者の首を斬る「首きり人」を生業としている。首を斬るときに、名刀などの切れ味を試す「お試し御用」を行ない。そして、武士の切腹の時に立ち合い介錯をする「介錯人」でもある。

    【両国大橋】
    江戸は湯島四丁目の円満寺で、町内の子供らに手蹟指南、すなわち手習所を開いている深田匡(ただす)は、陸奥の南部藩に召し抱えらていた。盛岡城下から妻敵討ちのために妻の紀代と中間の幸兵衛を追って江戸へ出てきて六年になる。幸兵衛を両国橋で見つけて討ち果たしてから思わぬ事となり、龍玄の手で…。➡本懐をとげた武士が、藩の都合で切腹する。この情景をこまやかに描いていています。

    【鉄火と傅役】
    公儀寄合組家禄五千八百石旗本長尾家の長男京十郎は、傅役の生野(しょうの)清順に育てられ長尾家の嫡男としてふさわしい若者として育つ。が、長尾家に後妻に入った裕実(ゆうみ)は、自分が生んだ次男昌之を長尾家の嫡男につけるために、京十郎を廃嫡し、昌之を惣領につけた。➡京十郎は、廃嫡されとの噂を聞き荒れて身を持ち崩す。謀に嵌まった京十郎が哀れです。最後は、龍玄に斬られます。

    【弥右衛門】
    とめどなく涙が出てくる。
    水戸家先手物頭役を代々務める手塚家の次男弥右衛門は、湯島天神前の茶屋「藤平」で陰間として抱えられている。そして公儀直参御家人の真崎家三男の新之助と深い仲となった。その新之助が、旗本の倅三人に卑怯にも斬られて亡くなる。弥右衛門は、友の無念を晴らすために三人を斬り殺す。➡なかなか読み進められず、途中から涙がとめどなく出てきます。弥右衛門が、一度すれ違っただけの龍玄に全てを託し、介錯を頼むくだりは涙が溢れます。

    【発頭人狩り】
    備後福山藩十万石では、天明の大飢饉の時に、すべての百姓衆が加わる大一揆があった。一揆後に百姓衆と藩で和解が成立した。が、その後、一揆を指揮した主だった者たちが次々に福山藩阿部家の藩大目付配下の横目に捕縛されたり殺されていった。一揆に加わった医師田鍋玄庵も身の危険を感じて、龍玄の叔父を頼って江戸へ逃げてきたが横目に見つけられた。➡苛烈な徴収で死を覚悟した百姓衆が立ち上がった。が、それを指揮した者たちを殺していく、あまりにも酷い。

    【読後】
    文庫本より単行本のほうが字が小さくて、読むのに苦労しました。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~
    介錯人別所龍玄始末シリーズ一覧
    04.乱菊        2023.09.09読了
    03.黙(しじま)     2023.07.13読了
    02.川烏        2023.06.26読了
    01.介錯人別所龍玄始末 2023.06.15読了
    ~~~~~~~~~~~~~~~~

  • 小説宝石2023年1,2月合併号両国大橋、5,6月合併号鉄火と傅役、2022年1,2月合併号弥右衛門、書き下ろし発頭人狩り、の4つの連作短編を2023年6月光文社から刊行。シリーズ4作目。「両国大橋」のはじまりに湯島天神での妻の百合が遭遇した出来事が語られ、それが龍玄の世界観の上手な紹介になっているのが楽しい。ラストの両国大橋で龍玄が深田匡を見かけるシーンが心に残る。「発頭人狩り」では龍玄の非凡な剣の冴えを見ることができるが、このまま無事に済むのかがとても気になる。全編に渡り龍玄の人への思いが感じられる。切なさが残る話でもある。

  • 主人公の設定が秀逸!
    この手の時代物を読むとこの時代の人間の価値観というものにいつも感銘を受ける。
    ただ風景や描写が余りにも細か過ぎて物語から少し意識が遠のく感じが残念。
    作品としてはとても面白かった。

  • なるほどシリーズものだった…。
    今作だけでも充分わかりはするのだけど、主人公や周囲の人間については既にある程度語られている気配に、もうちょっと知りたかった…という気持ち。
    そこは確認しないで読んだ私のせい!
    「発頭人狩り」が一番好き。

  • 龍玄と百合に杏子、良い親子。

  • 罪人の首打ち役を務める浪人で剣の達人別所龍玄。
    彼に切腹の介錯を依頼してくる人々の、それまでの経緯とその死の姿を描いている。
    女敵討ちを果たした元南部藩の藩士や廃嫡された旗本の嫡子など切腹する人々は様々、またその理由も様々である。せめて最期は武士らしくと願う者もいれば納得いかず斬られてしまう者もいる。
    そんな武士達の残された念を龍玄の剣が救ってくれるようである。
    龍玄の美しい妻百合の存在が作品の一服の清涼剤になっている。

  • 不浄な首斬人と蔑まれる生業を十八歳で継いだ別所龍玄は、まだ若侍ながら恐ろしい使い手。小伝馬町の牢屋敷で首打役の手代わりを務め、切腹場の介添役をも請ける。母・静江、五つ年上で幼い頃から龍玄の憧れだった妻・百合と幼子の娘・杏子。凄まじい業を背負い、慈愛に満ちた日々を過ごす、若き介錯人の矜持。「介錯人別所龍玄」シリーズ最新作。

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著者プロフィール

(つじどう・かい)
1948年高知県生まれ。早稲田大学第二文学部卒。出版社勤務を経て作家デビュー。「風の市兵衛」シリーズは累計200万部を超え、第5回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞を受賞、ドラマ化でも好評を博した。著書には他に「夜叉萬同心」シリーズ、「日暮し同心始末帖」シリーズ、単行本『黙(しじま) 』など多数。本書は講談社文庫初登場作品『落暉に燃ゆる 大岡裁き再吟味』に続くシリーズ第二作となる。

「2022年 『山桜花 大岡裁き再吟味』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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