海を呼びもどす

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334921583

感想・レビュー・書評

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  • p.1989/2/23

  • しっとりと心に残る作品だった。大学のクラスに女性がひとりしかいなかった時代、多分1960年代前半?を背景に、美しく芯の強い女性を描く。夏の海辺で過ごすひとときの描写がたまらなく好きだ。



    ストーリーは何てことない
    のめり込んだのは背景となっている時代のせいだろうか?
    1960年代?法学部のクラスに女性が一人しかいない時代。親父に聞いてみよう。

    ラストで会社を辞める、別宅がある、と言うあたりはご都合主義というか人生そんなに甘くないぞという気もしなくもないが。

    敬子の芯の強さ 付箋の箇所 司法試験を打ち明けたらダメになってしまう、ここはよかった。クラスに一人しか女性がいない時代になぜ大学に行くのか。その意志の強さ。司法試験に受かった娘を以後一人前として認め、人の道に外れない限り何をしてもいいという父親。時代だなあ。

    めずらしく一人称。心の動きがはっきり描かれる。それは三人称でも変わらないか?

    三人の女性とつきあって、やがて敬子を選ぶ。付き合ってといっても肉体関係があったわけではなさそう。彩子とも最初だけなのでは?いわゆる「プレイボーイ」(これも時代だ)というわけではないんだよな。敬子以外の女性とももめることなく別れる。別れるといっても付き合っているというわけでもないような。このあたりの距離感や別れ方を今の女性が読んだらどう感じるか興味がある。

    無視されながらもずっと話しかけ続けるというのは今だったらストーカーとして通報されるかも。そういう時代ではなかった。
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    失われた時代のストーリー。昭和何年代?大学のシーンが多く懐かしい気持ちになる。大学の頃の記憶がぼんやりしているので、別途書き留めるべきか。夏の海水浴のところがいい。こんなことなかったな。

    花火の描写が美しい。こういうところはやはり作家の力量だなと感じた。とてもこんな風に描写はできない。

    p146 どれが「僕」か?こういう議論は今ではそもそも成り立たないな。昭和何年頃?
    p151 地下鉄。でも学生運動の前だろう。1960年代?
    p155 ダウンジャケット、デイパック。
    ふたりの口づけシーン。韓流ドラマみたい?古き良き時代ということであれば俺も観たらハマるのだろうか?
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    @yonda4 海を呼びもどす 片岡義男 しっとりと心に残る作品だった。大学のクラスに女性がひとりしかいなかった時代、多分1960年代前半?を背景に、美しく芯の強い女性を描く。夏の海辺で過ごすひとときの描写がたまらなく好きだ。
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  • 少年にぜひとも読んで欲しいおすすめの一冊。涙が出ます。

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著者プロフィール

1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始める。74年「白い波の荒野へ」で小説家としてデビュー。翌年には「スローなブギにしてくれ」で第2回野性時代新人文学賞受賞。小説、評論、エッセイ、翻訳などの執筆活動のほかに写真家としても活躍している。『10セントの意識革命』『彼のオートバイ、彼女の島』『日本語の外へ』『万年筆インク紙』『珈琲が呼ぶ』『窓の外を見てください』『いつも来る女の人』『言葉の人生』ほか多数の著書がある。

「2022年 『これでいくほかないのよ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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