ジャンプ

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 254
感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334923242

作品紹介・あらすじ

自分で自分の人生を選び取ったという実感はありますか?失踪をテーマに、現代女性の「意志」を描く恋愛小説の名手待望の文芸ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 大好きな佐藤正午さんの本。ちょっと優柔不断で話がまだるっこしい、けれど不思議とちょっとモテる男性があれこれ考える。この雰囲気、この文体が好きでたまらない。
    なぜ『ジャンプ』というタイトルなのか。毎日繰り返す同じような日々からえいやっ!とジャンプするようなイメージかな。
    余談だけどリンゴが食べたくなり久しぶりに買いました。

  • なぜかこの作品を今まで読んでいなかった。それを後悔するほど本当に面白い小説だった。「身の上話」「Y」と佐藤さんの作品を読んできたが、この作品も話がどこへ行き着くのかまったくわからないままに読み進めることとなった。リンゴを買いに行くといったまま戻らない恋人。いったい何が?読者はただ著者の手中で事の成り行きを眺めることしかできない。みるみるうちにいろんな人物が登場し、話の行方はスピード感を増す。この感覚には、なんだか小ボートで川をくだっている様子を連想させられた。
    リンゴやアブジンスキーなどのアイテムを上手に使い、一人称の語り口で効果倍増。ちょっとした謎も見事に伏線として回収される。しかも読後感は甘くて切なく、そして苦い。順序だてて語ってしまえば味気ないのかもしれないただの恋愛物語を、ここまで見事な小説として構築した手腕は、もっともっと高く評価されるべきものだと思う。

  • 消えてしまった女性の痕跡をたどっていく
    こんな奇跡的なアクシデントが
    次々に起こってしまうなんて
    と思いながらも、ないこともないかも。
    人生、明日のことも分からない。
    だから、面白い。

  • 確か、東野圭吾の「秘密」が映画化された時のコピーにあった気がするが、「別れは二度目の方が切ない」というのを思い出した。

    とてもとても切なかった。

    冒頭の『一杯のカクテルがときには人の運命を変えることもある』とあるように、一つのアクションから思いもかけない展開が始まることがある。
    そして、自分の前から姿を消したガールフレンド。

    「もし、あの時、そうしていれば」
    オイラもこれまでの人生、様々な局面で、一体何度悔やんだことか。この手に掴みか
    けていたはずなのに、指の間からこぼれていってしまう。
    悔やんでも、もうその時はもどらない。

    「なぜ、あの時、そうしなかったのか?」
    答えがわかった時には、もうその答えは必要ないものだ。

    沢山の後悔に苛んで、生きていくよりは。
    どこかで区切りをつけなければならない。
    辛く悲しいけれど、確かに勇気を与えてくれる一冊でした。

    • vilureefさん
      grapefruits-choudaiさん、こんにちは。

      佐藤正午の作品に☆5つつけているのを見てすっごく嬉しくなりました。
      佐藤正...
      grapefruits-choudaiさん、こんにちは。

      佐藤正午の作品に☆5つつけているのを見てすっごく嬉しくなりました。
      佐藤正午、良いですよね~。
      人生における分岐点を描くと言う意味では、今ドラマ化されている「身の上話」にも通じる作品ですよね。

      ちなみに一番好きな作品は「きみは誤解している」です。マイナーですかね(^_^;)
      2013/03/12
    • メノさん
      vilureef様

      コメントありがとうございます♪
      佐藤正午、好きです。
      好きですと言っておきながら、大して読んでいないのですが。「これい...
      vilureef様

      コメントありがとうございます♪
      佐藤正午、好きです。
      好きですと言っておきながら、大して読んでいないのですが。「これいい!」って思っても、あえて、その作家にのめり込まないようにしているのです。だから私の場合、広く浅く読んでいる感じだと思います。佐藤正午は「ジャンプ」と「リボルバー」と「Y」というのをこれまで読みました。中でも「ジャンプ」は読後の余韻も素晴らしかった記憶があります。vilureefさんのオススメもいずれ読んでみますね!
      2013/03/12
  • 彼女の失踪
    5年後に秘密が話される
    秘密はネタバレになるので書かない
    仕事を取るか彼女をとるか
    難しい選択

  • ありえない話だとは思うけど、もしかしたらこんなこともあるかもしれない、と思わせてしまうのはやはり彼の文章力だ。

  • りんごを買いに出たまま行方知れずになった彼女を追い求める男。
    ドミノ倒しの様につながる〝事情〟。
    探して探して、いなくなった理由を求めて‥。
    読みやすかった。

  • 直木賞とる前から気になっていたが、これがこの作品最初の読了。すごく読みやすく、展開も良かった。最後のの方は少しダレたがテンポがいい。

  • 私向けではなかった…


    彼女がリンゴを買いに出たまま行方不明に!
    彼女はどこに行ってしまったのか…

    と、彼女の足取りを追うのですが
    この彼氏さん、他にもデートする女はいるは、自分勝手だわ、どうなるのか頑張って読んだのにラストそれかいーーーって内容でした

  • 本人の意志による失踪、年間およそ7万人...
    あなたは自分で自分の人生を選び取った、と言い切ることができますか?

    こんな主旨の帯の言葉で、私の人生観を変えた本。
    と言うより、漠然とみんなが知っていることだけど。

    日常の中でなんでもない(と思う)選択は山ほどあるけど、
    小さな1つの選択によって、その後の人生がどんどん変わっていく。
    誰にも止められないこともあるよね。

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著者プロフィール

1955年長崎県佐世保市生まれ。『永遠の1/2』ですばる文学賞、『鳩の撃退法』で山田風太郎賞受賞。おもな著作に『リボルバー』『Y』『ジャンプ』など。

「2016年 『まるまる、フルーツ おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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