- Amazon.co.jp ・本 (162ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334923280
感想・レビュー・書評
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少年・鷗・そして燈台・海。
長野まゆみさんの得意分野が細かく組み込まれていている、子供にも読みやすい内容。
独特な癖のある文章とかけ離れていたので、心に伝わってくる物語の深さがストレートに表現されていて、短い物語でも読み終わったときの余韻が大きく素敵なお話でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
表紙がすごく好きな作品
そもそも長野先生の絵が好きで最初読み始めたので、最近先生の絵が見られなくなって残念
海辺の小さな療養所に青い目の新任の先生がやってくる話
姿の見えないイヴン船長、片足の海猫たち、古い灯台
大人もこどもも海猫も、誰も彼も完全にひとりで立てるわけでなく少しずつ助けられて立ち上がって旅立っていく
マフィンがすごくおいしそう -
とても透明な物語。
それでいて、少し潮の香りがする。
療養地という閉鎖的な空間で過ごす
10〜12歳の少年たちの冬の入り口の話。著者の近年の作品では同年代の子よりも数倍大人びていて、人生を達観しているが、この話の少年たちは年相応。
勝手で自尊心もあって、葛藤もするのが、体温を感じさせる。
この世のものならざる者も出てくるけど、決してホラーではなく、そんな人たちも優しい人ばかりなので読後はとてと暖かい気持ちになれた。 -
2002.10読了。
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熱いショコラと、香ばしいマフィン。たっぷりの蜂蜜と楓シロップとクリイムと木の果のジャムを添えて食べます。素敵だ。こういう作品は好みです。ユンクがお湯で顔を洗う場面がなぜだか印象的。
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やさしいお話でした。
寒い冬、温かくなれます。 -
ウルトラバイオレット怖いよー 宿舎で暮らす少年達にひっそりと漂う哀愁が切ない。
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070111・借
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何がイイって表紙が素敵。
著者が装画もされてるんだけど、強いイメージを植え付けない優しいタッチで好みです。
様々な理由で療養が必要な少年達は、灯台のある岬のはずれに佇む「海猫宿舎」で生活をしている。
ある日偶然目にしてしまった光景。
それは夜更けに飛ぶ練習をする、片翼の海猫達や、それを指導する白ひげの船長。
夜の灯台で、芳ばしい香りのマフィンを作っていたおじいさんは何者なのか。
何故誰も彼の存在に気付かないのか。
暗い森の中をカンテラ1つで彷徨うような、ちょっとした心細さと、全編に漂う穏やかな空気。
これぞ長野まゆみワールドな感じですな。
風がそろそろ冷たく感じ始める、10月の終わり位に読むのがオススメ。