量刑

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (713ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334923341

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  • 愛人の政治資金をこっそり運ぶときに、岬は事故を起こし
    親子を殺してしまう。親子はまだ息があったが、パニックになり殺害。その後死体遺棄を愛人とともに行うがあっさりつかまる。
    愛人は岬が死刑になるのも困るし、死刑判決が出て自分のことを話されても困るとの思いから、裁判官の娘を誘拐して甘い判決を出させようとする。
    結局、娘も隠密に救い出され、裁判官は辞任する。
    愛人も捕まるが、岬は一番最初にトランクに詰めようとした点が殺意、隠ぺいの意志があると思われていたが
    三億円を車に積んでいたゆえと、わかり死刑は回避できる模様。しかし愛人も懲役10年になりました。。
    うーん・・・裁判難しいね。。

  • 裁判官が下す量刑の難しさを、小説という形で表した。地裁の裁判長神谷は厳しい判決で有名。が、娘真理が誘拐され担当する事件で有期懲役を出すよう要求される。人が人を裁くとは?一見退屈になりそうな話を、真理の事件を絡めることで動きを出し、一般の読者をも引き付ける。そうしないと、一人の裁判官の家と法廷の往復シーンだけになってしまうのだ。結構良かった。

  • やるせなさを感じる。残された夫が痛々しい。誰の立場に立って読むか。

  • 裁判の過程と刻々と変わっていく状況が綿密に描かれていて、中盤まではグイグイひきつけられます。
    法律用語がたくさん出てくるけど、読めますね。
    でも、終盤になんか話が反れる感じがしてて残念…。

  • 被害者の家族、加害者、また加害者の関係者など、それぞれの立場でそれぞれが考える「量刑」というものがあるのかもしれません。そして、最後の決定を下す裁判官たちの責任。とても読みごたえのある作品でした。

  • 途中から主題が反れた気がする。残念。おもしろかったけど。

  • 偶然起こってしまった交通事故。そしてそこから派生してゆく 殺人 そして死体遺棄。被害者は母と幼い子、そして母の胎内には6ヶ月の児が。被告人 上村岬に 母子を救助する意志はあったのか?妊娠には気づいていたのか?

    量刑に厳しいと評判の神谷を裁判長とし、弁護側不利との心証とともに裁判は進むのだが。水面下ではある事件が起こり進んでいるのだった。

    人が人を裁くということの不確かさ、量刑を決めることの重大性と 決める側の立場としての苦悩を思うと なんともいえない割り切れなさと胸の重さを感じずにはいられない。

    〈裁判長〉と〈父親〉という二つの立場の間で 神谷の苦悩は計り知れないものだったであろう。

  • 推理小説としては、珍しく裁判官が主人公の物語り。刑を確定するまでの内容がわかりやすく死刑と無期懲役とのさが天と地だと深く感じた。

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著者プロフィール

一九三八(昭和一三)年東京都生まれ。慶応大学在学中に長編『すれ違った死』が江戸川乱歩賞候補に選ばれる。七〇年『天使が消えていく』が再び同賞の候補になり、単行本化され作家デビューを果たす。七三年『蒸発』で日本推理作家協会賞、八九年に仏訳『第三の女』でフランス犯罪小説大賞、二〇〇七年日本ミステリー文学大賞を受賞。主な著書に『Wの悲劇』『』や「検事 霞夕子」シリーズなどがある。二〇一六年没。

「2018年 『77便に何が起きたか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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