太閤暗殺

著者 :
  • 光文社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334923556

作品紹介・あらすじ

豊臣秀次側近の命を受け、太閤秀吉の首を狙う石川五右衛門!血湧き肉躍る本格「時代」ミステリーの傑作!第5回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 岡田さんのデビュー作にして第五回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。ちなみに最終候補作に福田栄一さんの作品も入っている。

    タイトル通り太閤秀吉を暗殺しようと企てる話。
    誰が?というと、秀吉にお拾様(秀頼)が生まれたために排除される不安を感じる秀次の側近・木村常陸介。常陸介が実行犯に選んだのはかの大泥棒・石川五右衛門一味。
    一方、太閤暗殺計画を察知し防ごうとするのは石田三成と京都所司代・前田玄以。玄以は一度取り逃がした五右衛門一味を暗殺計画実行前に捕縛することに躍起になっているが、三成はむしろこの計画を秀次派排除に繋げようと奸計を巡らす。

    厳重な警護と広大な伏見城のどこにいるか分からない秀吉をどう暗殺するのかという五右衛門一味の計画と、玄以が二度までも牢破りをされたそのやり方と、何故か落ち着き払っている三成の考えと、政治の実権を秀次に取り戻すべく秀吉暗殺を依頼したは良いが肝心の秀次と己の体が思うようにならない常陸介と…それぞれの物語の行方が気になってドンドン読めた。

    後の歴史は変えられないので、秀次・常陸介の結末、秀吉の暗殺をどうするのかが一番気になるところ。しかし五右衛門が釜茹での刑となった八月二十四日には五右衛門一味は牢脱けし代わりに別の罪人が釜茹でされたことになっているので、物語も裏歴史的な結末にするのか?とあれこれ想像しながら読んだ。

    正直キャラクターは皆魅力的ではない。前田玄以は牢脱けされ度々捕縛も失敗、側近や部下も失っている。石田三成はイメージ通りの厭らしさがあって何を考えているか分からない。
    豊臣秀次はイメージとは違って精神的に追い詰めらて錯乱していくし、常陸介は次第に秀次に失望していく。
    そして肝心の五右衛門もアウトローを貫いてはいるがもう少し魅力的に描いて欲しかった。部下たちも小粒で残念。

    ただ暗殺計画についてはなかなか面白かった。相手の裏の裏をかく位込み入っている。しかもそれが終盤まで明かされないワクワク感もある。

    山場の終盤は目が離せない。五右衛門ら暗殺者たちと三成・島佐近ら秀吉を守る側の対決でアクションシーンも満載。暗殺が上手くいくのか失敗するのか。歴史通りなのか裏歴史が描かれるのか。

    押さえるべきところは押さえ、想像を膨らませられるところは膨らまし…という感じだろうか。ちょっとやり過ぎな感もあるが。
    最後の玄以の心中が感慨深い。目立ったイメージのない彼が秀吉に対しての思いを変化させる契機になった事件だったのか。
    もっと言えば、さらにその先の豊臣家の結末を知っているだけに、ここで詰まらぬ権力争いをしたことがその後の瓦解に繋がったのかと思うと更に興味深い。

  • 敵か味方か、裏には裏があリ又その先に裏がある、、、最後の結末はあっと驚くどんでん返し。歴史上の人物の思われているキャラのイメージをそこなわず楽しく読めた。

  • 新聞の広告につられて読んでみる。
    歴史上の人物・設定を使ったミステリ小説。
    自分は全然予想できていなかったので、最後のどんでん返しにまんまとやられた。
    テンポ良く物語が進み、楽しめた。

  • 「ジャッカルの日」の様な手に汗を握るスパイ小説を読んでる気分.最後の方では火薬を使った派手な爆破もありアクションも満点.ただちょっとひねりすぎている感がある.

  • 日本ミステリー文学大賞新人賞(2001/5回)

  • オチが弱いけど、どんでん返しがいい!そしてやっぱりかっこいい左近とやっぱりへたれな三成がいい!(笑)

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