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Amazon.co.jp ・本 (868ページ) / ISBN・EAN: 9784334923570
感想・レビュー・書評
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読み進めるのが大変なことに。
「議論している場合?殺されちゃうよ??」と何度突っ込んだか分からないが、そんなつまらない読み方は寄せ付けない、圧巻の文章力。
とはいえ話の筋は非常に面白く、登場人物がわらわら出てくる割には混乱しなかった。
本当に次から次へと人が死んでいくので「おお?も、もしや『そして誰もいなくなった』状態……?」と読み進めるのがやめられなかった。
途中差し挟まれる小難しい議論が、この世界観にさらなる説得力を持たせたことは確か。
読後、ほとんど覚えてないけど!
その病気の歴史的事象をこういうふうに捉えたのか……と興味深かった。
駆が腹立たしいくらいにクールビューティーなのがいいですね!
ヒロインも知的で非常に好印象。
美形が多いので、読んでいて楽しかったです。はい。
それにしても、この作品を読んだ後だと、多少の小難しい文章がすらすら読めるようになっていたことに驚いたww
どんだけ短期間で鍛えられたのか……詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
感想は文庫版欄にて。
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このカケル君のすごいところは、なんか小難しいこと言ってわけ分からん、だけじゃなくて、みんながあーだこーだ言って何もしない間に5kmくらい泳いじゃったりする行動力ではないか。この口先だけじゃないというのが、理論派とは一線を画すわけですよ。
と言ってもこの中の人たちの皆さん言ってることが分からんし、殺人犯がいるかもしれないから隠れてようって時にはいきなり哲学議論を始めるし、ていうか話長くね?ってなるし。
更には英語はちょっと分かるとか言いながら小難しい話しおって、ちょっと話せますなんて言ったらダメだなって。
と言うわけだけど、一応最後まで読めばどういうカラクリかは分かったので、頑張って読んだかいがあったよ! -
哲学/思想論議に興味はあったけれど、自分の知識不足と議題のハマらなさでしんどかった。議題とトリックは関連してはいるけど不可分ではないところも気になった。まあ議論を理解しなくても本筋を楽しめるようにできてるのは良さでもあるんだろうけど。
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37384
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病床の友人から、新種の奇病「オイディプス症候群」に関する資料と報告書を共同研究者に渡すよう頼まれた語り部役、ナディア・モガール。紆余曲折を経て、大企業の経営者が所有する孤島に滞在することになったナディアだったが、その晩、滞在客の一人が墜死した。唯一の交通手段である船は難破し、孤島に閉じ込められることになった滞在客の面々を次々に襲う、不可解な謎と殺人者の魔の手。
どこか「ちぐはぐ」で歪な連続殺人。死体の装飾の意味。滞在客が隠している秘密。そして、所々で見え隠れする狂気のテロリスト、ニコライ・イリイチ・モルチャノフの影――。
連続殺人を惹き起こした、【真の犯人】は。哲学者・矢吹駆は、この事件を現象学的にどう読み解くのか。
推理小説なのでネタバレなしで感想を書きたいのですが、なかなか難しいです。ですが、矢吹駆が【真の犯人】を指摘した所が最も驚かされましたね。読んだ時は少し複雑な気持ちになりました。
推理小説として面白い上に、色々と考えさせられる哲学的・社会学的話題も含まれている『オイディプス症候群』。おすすめです。 -
感染症も殺意も他人に連鎖していき状況を悪化させていく。
それを完全に消滅させるためには当人を殺すか全滅するかしかない。 -
とにかく導入部が冗長で、読むのが苦痛だったことしか覚えていない。
多分、読んでる時の環境とか精神状態が、この本を受け付けなかった。
奇跡的にまだ本棚の中で眠ってるので、いつか再読したいな・・・ -
ゲイ
水中銃の打ち方 -
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饒舌な哲学論議を取り混ぜながら、ミステリの王道パターンを次々と取り上げ、新たな解釈ではっとさせてくれるシリーズ。この作品では、孤島の連続殺人を取り上げている。アガサ・クリスティの名作を思わせる設定だ。
長い小説だが、連続殺人事件になってくるまでが実に長い。途中からめくるめくスピードで走り出すのだけど、それまでのゆったりとした状況設定と、なによりも哲学談義が長い。顔を合わせれば「愛の本質」だとか、「まなざし」だとか、「政治の本質」だとかを語り合っている登場人物たち。事件が起きてからでさえ、「孤島の持つ本質的な意義」とかを哲学的に語り合っていく。そういうのを延々と読んでいらいらするような人は、この小説を読まない方がいい。
僕はかなり好きである。そういう話自体が。ミステリなしの、それだけでもいいくらいかもしれない。それでも、中盤では少し飽きた。でも、あの延々と続く話があるからこそ、最後の一行が感動的なわけだ。シリーズとしてみれば、あの最後の一行が一番大事なのだろう。
ミステリとしてみると、思ったよりシンプルである。トリック的な意味でも、それほど画期的なトリックがあるわけではないが、状況の説明の仕方が、ちょっと虚をつかれるようなもの。犯人を絞り込んでいく方法が、珍しくクイーンっぽく論理を組み立てていくのが、少し意外な感じがした。
2005/4/27 -
本格ミステリ大賞(2003/3回)
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読んだのは、光文社文庫版ですけど。
矢吹駆シリーズって1作がどんどん長くなっているような。タイトル的に当初エディプスコンプレックスがらみかと思ったら、全く違ってた。今作はやたら長い哲学論議も、気にならず、ミステリーとして楽しめました。ただし長いですけど。 -
「ギリシア神話」「絶海の孤島」「見立て連続殺人」……これだけで非常に満足(笑)。
タイトルの「オイディプス症候群」の意味にはやられた。「犯人のいない殺人」か……なるほど。「連続殺人を引き起こした真の犯人」というオチもかなり好きかも。重いし長いし薀蓄多い、というのを相当覚悟して読んだわりには、面白かった。まあこれはひとえに私がギリシア神話好きだったせいかも。ギリシア神話の考察なんかも面白かったし。だけど逆にギリシア神話あまり知らないと、ちょっと苦しいかもしれない。
シリーズ前作についてのエピソードが多々あったり、ひょっとしたらネタバレもしてそうな雰囲気があったので、これはシリーズどおりに読んだほうが良かったのかもなあ。それにクリスティの某作品のネタバレもされてたし(笑)。 -
580.初、並、カバスレ、傷み、帯付。
H.21.6.1.伊勢BF。 -
2002年単行本発行、2006年新書版。
矢吹駆シリーズの5作目。
パリ大学の女学生ナディア・モガールが語り手。1970年代の末、ザイールでエボラ熱に似た奇病が発生、若き免疫学者フランソワが現地へ飛ぶ。
パリでナディアは病を得たフランソワに再会、恩師にレポートを手渡すことを頼まれる。
病気の流行の裏に何かあるとにらんでいるらしい矢吹。
ギリシャへ飛んだ二人は、ダイダロス館という孤島の館へ。
持ち主アリグザンダーは血液製剤の会社を経営する富豪で、妻はその土地出身の女優。
集まったメンバーは政治家や哲学者、古代ミノア文明研究家、スウェーデンの女医など謎めいた組み合わせ。
中庭のミノタウロスを思わせる牛首の巨像に突き刺さるように落ちた死体が…
島に閉じこめられたメンバーは、次々に命を狙われる?
シリーズ前作発行からは10年たっているが、小説世界ではまだ2年ぐらい?
哲学問答も含む理屈っぽい本格ミステリ。
20世紀精神の遍歴史を描き尽くそうという意図があるそう。
作者は1948年東京都生まれ。
1979年、矢吹駆シリーズの1作目「バイバイ、エンジェル」でデビュー。
2003年には、この作品と「探偵小説論序説」が第3回本格ミステリ大賞の小説部門と評論部門のダブル受賞。 -
第4話『涼宮ハルヒの退屈』
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矢吹駆シリーズ五作目。
ゲイに対する差別、性病・・・と色々と考えさせられる話でした。
今回も駆とニコライ・イリイチの直接対決は見れず残念です。
最後のシーンでのナディアが少し切ないです。 -
矢吹駆シリーズ。
ああこんな男がいたら、食べてしまいたい。報われないのならばってことですがね。
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