十八面の骰子

著者 :
  • 光文社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334923921

作品紹介・あらすじ

一読、脱帽せざるを得ない。最盛期を迎えつつある宋の時代を舞台に、秘密捜査官の大活躍。「水戸黄門」の原点がここに。

感想・レビュー・書評

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  • 宋代中国が舞台。


    皇族であり巡按御史をしている主人公とその弟分が旅をしながら地方官の不正や事件を暴いていくお話。

    話は大体一話完結であるが徐々に一つの事件にまとまっていっている。
    それぞれの話には特産物や地方で行われていた工業など宋代特有の物品・思想が出てくるがこれが事件に関わっているのが更に面白いと思います。

    登場人物も童顔の主人公や保護者と勘違いされる優男の弟分、髭もじゃがさつな護衛に弟分に片想いして追っかけてくる軽業師の女の子と多彩でかれらの会話もとても面白いです。

  • 4-334-92392-5
    C0093|1800E

    十八面の骰子 (じゅうはちめんのさいころ)

    2003/03/25. 初版1刷発行
    著者:森福都(もりふく みやこ)(1963年山口県生まれ)
    発行所:株式会社光文社
    913.6:小説・物語 近代 明治以後
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    手にした理由
    このサイトのレビュアーさんの書棚から興味を持ちました。この著者さんは初めての作品だと思います。開くのが楽しみです。

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    お話は5つ
    ・十八面の骰子(さいころ)
    ・松籟青の鉢(しょうらいせい の はち)
    ・石火園の奇貨(せっかえん の きか)
    ・黒竹筒の割符 (こくちくとう の わりふ)
    ・白磚塔の幻影(はくせんとう のげんえい) 磚 かわら
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    入力にグーグル日本語入力を使っていると漢字が出ないため、度々マイクロソフトのIMEに切り替えをするww
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    知らない言葉、知らない漢字がいっぱい有って、雰囲気作りには有効。
    それを知らないで、いちいち調べるような私みたいなのは話の筋がぶちぶち千切れて、なんだったっけか?となる。〈悲しぃw)






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    ・十八面の骰子
    趙希瞬(ちょう きしゅん) 24才(見た目は15歳)洛陽の医家陶文奥の孫息子
    傳伯淵(ふ はくえん) 22歳。ひょろりと長身、色白、書生風、人が好さげな顔立ち、美声の持ち主
    賈由育(か ゆいく) 無精ひげ、曲刀、長身でがっしり、鍾馗のような風貌 北の訛、揚州の生まれ、軍人あがり
    孟忠文 知事、一年半前に赴任してきた。(直後大きな地震があった)
    孟楊氏 知事の妻 豚のように肥えている。
    王金哥(おう きんか) 哥 うたう 王五飯店の看板娘20歳 陽気
    鄭考安(てい こうあん) 朝廷から定期的に来る巡視官(熟練者)
    銀哥(ぎんか) 王金哥の妹14歳 凛とした気配
    劉じいさん (りゅう)腕のいい石工 家族は無い
    呉三宝(ご さんぽう)40がらみの男、右目のまぶたがはれ上がり灼眼 口入れ屋
    蔡迎児 (さい げいし)孟忠文の妾 雑劇好き、妻とは仲良し
    陳元宇(ちん げんう) この地方の小役人、食通で山を歩きまわり、キノコや山菜をとっている。地震後はぶりが良くなる。殺人の被害者
    馬平義 目つきの悪い男 孟の付き人
    范(はん)花垣巷 盲目の老女、指先で衣の目利きができる
    阿玉 湖南地方きっての刺繍の名手 范とは嫁姑にあたる

    場面:湖南地方、潭州(たんしゅう)寧沙県(ねいさ)

    卓士 テーブルの事
    料理:うどん 炒鶏麺 百味羹 酒蒸鶏 鯉魚膾(りぎょなます)豆腐羹(とうふよう)
    六博(りくはく)漢時代に流行ったすごろく 賭け事に使われる
    現在出土品はあるが、遊び方は不明、当時のボードゲームらしい
    多節鞭 武器 チェーンのように振り回すらしい
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    読み終わるのが、「やっと」、という気持ちと、「終わってしまった」という気持ちです。

    お話は5つで、進むにつれて、主要人物のバックグラウンドや家族のことが分かってきます。

    できることなら、伯淵のこと、賈由育の事、茅燕児の事も知りたかったので、続編やスピンオフがあるなら、開いてみたいです。

    この本は、例えば書店で平積みになっていても、図書館で背表紙を見かけても、手にして開かなかったかも。
    こちらのサイトのユーザーさんの本棚とレビューあればこその出会いでした。
    初見の作者さんの出会い、作品との出会いができたことを感謝します。
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  • 「私、劉さんがいなくなる前に、預かり物をしてるの」そう言って少女が取り出したのは翡翠の骰子。口入れ屋の死、大がかりな河川工事と六博荘の建築……。薬屋の趙希舜と美声のお目付役・傅伯淵が調査に乗り出す。果たして彼らの正体は?凄腕の武人・賈由育は敵か味方か?表題作他全5編。

    装幀 / 舩木 有紀
    装画 / 川口 澄子

  • 水戸黄門漫遊記っぽいが、そこまで単調ではなく謎や謎解きも毎回楽しめる。

  • 華やかなりし中国宋の時代を舞台に、皇帝の従弟でありその名代・巡按御史(じゅんあんぎょし)として各地を旅する童顔希舜とその愉快なお供達(?)の話。
    巡按御史とは朝鮮風に言えば「暗行御史(アメンオサ)」、日本でいえば「水戸黄門」(!?)。
    各地を巡って犯罪の謎を解いて悪人を成敗!勧善懲悪話はどこの国にもあるもんです。
    5つのストーリーが盛り込まれ、事件の内容も様々で面白い中華ミステリ。
    話のテンポも良いし、意外な事実が出るたびに驚かされる。久々読み直したら改めて面白かった本。続きって早く出ないかな〜。

  • 北宋の最盛期を舞台にした、中国版推理小説。
    シャーロック・ホームズとまではいかないかな?w
    朝廷の秘密捜査官が、素性を隠して官僚の犯罪を摘発。
    表題となる「十八面の骰子」の他、五つの短編から成っていますが、主役はいつも同じ三人組。

    「十八面の骰子」
     平和な県で起きた殺人事件。そこは千年以上昔に双六博打に狂った諸侯・六博王の領地だった。双六に使う翡翠製の十八面の骰子を巡る謎。
    「松籟青の鉢」
     窯元の一人娘が巻き込まれた、町の二大派閥の闘争。幻の色、"松籟青"の釉薬を再現する情熱が事件を呼ぶ。
    「石火園の奇貨」
     寂れた名園・石火園に集った旧友五人が相次いで怪死。石火園に隠された"奇貨"(財宝)とは?
    「黒竹筒の割符」
     文字が書かれた竹の切れ端(割符)を集めると・・・?古来中国人が憧れた不老長寿の仙薬の恐ろしさと、知事の息子の野望。
    「白磚塔の幻影」
    海賊に悩まされる町で起きた爆発事件。事件の鍵は、海の彼方に見える蜃気楼。"白磚塔"とは何処か?

    妻子の話がうやむやに終わったから、是非とも続編を出して欲しい作品です(^O^)

    ニン、トン♪

  • 最盛期を迎えつつある中国・宋の時代。童顔、小柄の趙希舜は、全国を行脚しながら地方役人の不正を監察する「巡按御史」と呼ばれる秘密捜査官。身分は隠しているものの本来は皇帝の名代。威光は絶大である。従者に傅伯淵、護衛役に賈由育の二人を引き連れ、各地で起こる奇怪な事件を次々と解決していく。中国版「水戸黄門」ともいうべき時代ミステリーの傑作

  • 中国の宋時代を舞台にした良質な時代物ミステリ短篇集。
    天子の名代である巡按御史の趙希舜が身分を隠して世直しの旅をする、中国版「水戸黄門」。と言っても希舜は実年齢24才(見た目15才)のカワイ子ちゃん(推測。でも年上の女性にモテルらしいよ? 笑)。
    お供は美声の優男(でも拳法の達人)伯淵と、軍人上がりで粗野な由育。そんな二人が希舜を巡って犬猿の仲なのもツボツボ(^^)。その他、希舜の実の父や兄など、キャラ萌え要素がギュギュッと詰まってます♪ 

  • 面白かった!

  • 主人公の悲恋が気になるところですが。

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