聖ジェームス病院

著者 :
  • 光文社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (494ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334924829

感想・レビュー・書評

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  • 総合病院を舞台にした医療小説。新薬の薬害、製薬会社のインサイダー取引、院内感染など、院内で起きるさまざまな問題を研修医の視点で描いてある。

    追記 この小説で扱われている薬害と、製薬会社のインサイダー取引は実際にあった問題。

  • 勝手にホラーだと思ってたんだよね。違った。
    出来事が多すぎて、読んでいて疲れた。
    分厚いし、最後のほう苦痛

  •  東翔平が研修医として勤める聖ジェームス病院には夜間緊急外来があり毎日患者がやってくるのだが、今日はその中に気になる人物が。昼間、外来で翔平が診察した患者がまた再び病院を訪れたのだ。昼間の彼の症状は帯状疱疹だったので、新薬だがよく効くと業界で最近話題の抗ウィルス薬・ソリブラミンを処方していたが、今度訴えているのは激しい腹痛。入院させて対処するも、劇症腸炎を引き起こし、ついには死亡してしまう。のちにその患者の娘・松嶋志穂により、患者が抗がん剤にて治療中だったことを知る。原因は抗がん剤と抗ウィルス薬の併用だったのであろうか?

     医療ミス、新薬による副作用の問題、虐待による怪我人、そして院内感染(MRSA)、病院内派閥闘争、医療訴訟にインサイダー取引・・・・・・病院で起こりうる問題をこれでもか!と詰め込んだだけあって、文章量は相当なもの。全494ページ、かなりの分厚さである。でも、勢いよく読み進んだのは前半だけだったなぁ。後半、徐々に失速。「この先どうなるんだろう?」というわくわく感が全然なくて、「こうなるんだろうな〜」と思うそのままにずーっと従順に進んでいった感じ。なんかひとひねり欲しかったなぁ。

  • 当節流行の医療エンターテインメント? ERの緊迫感あり、白い巨塔な要素もあり。主人公の研修医があまりにも頼りなくてしょうがないんだが、現実もそんなもんなんだろうなぁ。テンコ盛り過ぎて人物像がわかりづらい面もありますが、同時進行で、医療の現場、患者、製薬会社、新聞社、それぞれの立場が描かれているので、かなり楽しめます。

  • 現代版「白い巨棟」病院に色々と起きている問題点をテンコモリしました!
    消化不良!人物が描けてないので残念ですが☆二つ
    研修医として働く東くんが、現代の医療構造の矛盾や問題点をかなり的確に感じていました
    頼もしいですね・・・でも、人物設定が中途半端なので、組織を感じさせない、稚拙な発言多し!(医療ミスを問われたんだぞ!)
    事件ではなく、製薬メーカーと教授の陰謀かと思えば、結局一部の倫理感欠如の話で終わらした・・・
    院内感染への保険所の対応含め、残念な想定で、盛り上がりかけた気分が冷めました

  • 物語は一人の患者の死から始まる。新薬を投与した病院に責任があるのか、異例の速さで新薬を認可した厚労省の責任か、副作用があること隠していた製薬会社の責任か。医療ミスを巡るストーリーとおもいきや、院内感染、はたまた株のインサイダー取引疑惑まで物語は広がる。膨大な取材量を感じさせる重厚な1冊。そして勿論、本自体もかなり分厚い。

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著者プロフィール

1953年北海道生まれ。早稲田大学第一文学部仏文科卒業。87年豊田商事事件を扱った『マネーゲーム』で第24回文藝賞佳作。『世紀末鯨鯢記』で第3回三島由紀夫賞受賞。『刑事たちの夏』では警察小説ブームに火をつけ、警察小説の金字塔となる。主な著書に『放火(アカイヌ)』『刑事たちの聖戦』『ダブルフェイス』『禁断のスカルペル』『デス・エンジェル』『限界病院』など多数。

「2020年 『笑う執行人 女検事・秋月さやか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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