もしも、私があなただったら

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334924942

感想・レビュー・書評

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  •  夫が浮気しているからって、それを無視して自分が男の出入りを激しくするとか、
    好きだった人のもとへ走るとか、違うでしょうと思う。子どもまで産もうとしているのなら
    きちんと離婚してからすべきでは?・・・なんて現実的に考えては
    おもしろく読めないだろうか。

     複雑な話のようで、実はシンプルだった気がする。

  • 【あらすじ】
    6年前に会社を辞め、郷里の博多に戻ってきた藤川啓吾。小さなバーを経営する現在の彼には、どうしようもない孤独と将来への漠たる不安があるだけだった。そんな彼のもとへ、ある日、会社時代の親友の妻・美奈が突然訪ねてくる。ほろ苦い過去を引きずりながら再会した啓吾に、美奈は驚くような相談を持ちかけてきたのだった―大人の男女が互いに愛し合うとは一体どういうことなのか?誰もが悩む恋心と性愛との不可思議な関係を卓抜な言葉で解き明かす傑作の誕生。

    【感想】
    もしも、私があなただったら、こんな私のことを置いていったり絶対にしない。そんな言葉を投げかけられたら、わたしはどうするだろう。きっと、主人公のようには置いていけないだろうと思った。たとえいけない関係であっても、その人の心が壊れそうになっていたら、わたしは放っておけるだろうか。いや、できないと思う。手を差し伸べてしまうと思う。これは男と女の考え方の違いなのだろうか。あと、作中に、さみしさは味も色もない毒薬だ、とあった。これにはすごく共感させられた。さみしさには慣れてしまう。慣れてしまうけれど、一度温もりを覚えるとさみしさが毒薬であることを思い知る。それが自分を蝕んでいたことを。男女が共に過ごすことがその特効薬であるに違いないと、主人公は、美奈と過ごしているその時間に思う。わたしも誰かと過ごしているその時間、独りでいる時よりすごく心が安らぐ。たぶんそれと同じなのではないかと思う。もしも、私があなただったら、のあとに続く言葉は願うことでもある。こうして欲しい、そう相手のために願う。もしも、あなたが私だったら、も同じだ。誰かを想って願うことって素敵なことだと思った。たとえそれが叶わないことでも、現実的なことではなくても、相手のためを想って願うことって素敵だなって。でも、それとは反対に、誰かと関わりを持つというのは、相手と繋がった瞬間にその相手を裏切り始めることでしかないのかもしれない、と、主人公が思ったシーンがあった。それは悲しい考え方だなと思ったけれど、本当のことでもあるのかもしれない。裏切りのない愛もなく、愛のない裏切りも恐らくない。主人公は少し怯えている部分もあるのかもしれないが、愛することと裏切りってすごく密接に関係しているのは否めないなと思った。後半はほとんど夫婦間のこと、子どものこと、それから主人公の過去そして未来のことが描かれていた。主人公は自分の意思を貫き、会社を辞め、お店を立ち上げた。一方で同僚はその会社に勤め続け、悪いことをしていると知りながら辞めず、結果捕まることになってしまった。そして、子どもの産めない身体ということもわかり、美奈ともうまくいかず、病に倒れた。美奈に見限られたとわかった時から、もう他の女性に愛を求めた。これが裏切りだとわたしは思った。世間一般にいう浮気だ。美奈も子どもが欲しくて他に愛を求めた。これも浮気だ。それでも2人は結婚したまま。わたしはそれが不思議でならなかった。この二人にはまだ補い合うものがあったのだろうか。二人にはそれぞれ何か欠けていたものがあったのだろうか。わたしだったら離婚する。もう2人の間に愛はないのに。あるのは裏切りだけなのに。主人公はそんな2人を見て、複雑な気持ちになっただろうと思う。特に美奈に想いを寄せ始めていたから尚更だ。わたしはこの本が、一体何を訴えかけているのかわからなくなってしまった。作中に、ひとつ気になる文章があった。それは、人間というのは、悪事を働こうとすれば自分が思っている以上の悪を働き、善事を行なおうとすれば、いくら励んでもなかなか真実の善にならないーそんな哀れな生き物であるに違いない。という一文だ。これには確かにそうだなあと、納得した。この本は、男と女の愛、それから社会の厳しさなど、様々なことが書かれていて、とても勉強になった気がする。

  • 恋愛?というよりは生き方にカテゴライズしたい。でもどの生き方も、うーん…同調できないな、って感じ。
    好きな人のことはとことん信じないと!って話なのかな…

  • 唐突な終わり方だなあと思いましたが、蛇足になるだけなんですよね。きっと。

  • 相変わらず、会社のごたごたがありながら運命の人と結ばれる話。もしも私があなただったら、どうするか、どうしてほしいか。たしかに、通い合った心は、もはや俺のものでも彼女のものでもない、まったく別の一つの心なのかもしれない。

  • うーん、登場人物の誰にも感情移入できなくてイマイチだった。結局よくわからないうちに終わった。子供云々って話も年齢的に無理があるしいきなり訪ねてくる美奈の行動にも共感できない。もしも私があなただったらこうするってのはわかるけど、全く共感できなかった。

  • 田舎に戻りバーを経営している主人公のもとに、昔「もし私があなただったら、私を一人で置いて行ったりしない」と迫ってきた元同僚の妻が訪れ、子供がほしい、と言った…。

    不倫や離婚、でもなんだかべたべたしないそこはかとない哀しさをたたえた物語。
    私はまだ主人公の年齢に近くないから哀しさを感じてしまうのかもしれない。
    きっと、同じくらいの年になってから読んだらまた感想が異なるんだろうな、と思う。

  • だから、どうなの。
    それが感想。
    ただの恋愛小説。

  • 人生も後半戦に入った男女の恋のお話です

  • この作品の舞台も福岡。

    光文社の出す本らしいエロティックな描写が結構読ませるところ。渡邊淳一の作品ほどではないだろうけれど、同年代の男女には受けるのかも、、、

    いい女がこんなに登場しては、やっぱり絵空事になるなあ。

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著者プロフィール

1958年、福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。出版社に勤務しながら、2000年に『一瞬の光』を刊行し、多方面で絶賛、鮮烈な作家デビューを果たす。09年『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』で山本周五郎賞、10年『ほかならぬ人へ』で直木賞を受賞。『不自由な心』『すぐそばの彼方』『私という運命について』『神秘』『愛なんて嘘』『ここは私たちのいない場所』『光のない海』『記憶の渚にて』など著作多数。

「2018年 『一億円のさようなら』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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