うりずん

著者 :
  • 光文社
3.06
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本棚登録 : 118
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784334925307

作品紹介・あらすじ

さあ、始動のとき!走れ。走れ!小説家と写真家がスポーツのある風景をテーマにした初めてのコラボレーション作品集。

感想・レビュー・書評

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  • 前半は佐内正史さんの写真、後半は吉田修一さんの短編たち。

    2004年〜2006年ごろの写真だったと思う。当時高校生だった自分が部活で身動きが取れなかったころだなあと思いながら読んだ。
    部活引退後に始めたバイトでお金を貯めて、電車でひとり東京へ行ったときのことを思い出す。2007年の2月ごろだった。立川のフリークスストアでカバンを買い、原宿の古着屋でディッキーズのチノパンを買った。
    あのころを感じる写真だった。

    すべてのひとにこれまでの人生がある。
    吉田さんの短編はとっても短かったけど、登場人物の人生を感じて、なんだか感動してしまった。夜中に読んだからだろうか。自分はこのままでいいのか、というあの途方も無い焦燥感が懐かしい。
    あのころの地続きが現在の自分のはずなんだけど、なんだか遠くかけ離れてしまったような気もして寂しい。

  • 写真と文章の絡み合いが素敵。日常の切り取り方がいいなって思った。

  • さあ、始動のとき!走れ。走れ!
    写真家、佐内正史とスポーツのある風景をテーマにした初めてのコラボレーション作品。

  • 1時間で読了なれど内容は濃い。流れるような文体でつづるショートショートな人生小話。巧い。

  • 懐かしい感覚と青臭さが何故か心地よかった。こーゆー臭さ、嫌いじゃない。今の自分はまだこの青臭さを持てているのかな。ふとそう思わせる作品だった。

  • とても好きな本です。気分のいい1冊です。
    佐内さんの写真は誰かに昔のアルバムを見せてもらってるような。
    吉田さんの小説は近しい人を見てるような。
    おふたりの作品は共に妙な既視感を抱いてしまうので、夜中に飲みながら読んでいるとじわっと泣きそうになります。

  • さくさくっとよみおわった。

  • 沖縄旅行後に、「沖縄もの」がやたらと気になり、沖縄方言がタイトルになっている本書を、沖縄ものと勘違いして図書館で予約し、手元に届いたら、、。まったくの勘違いでした。
    写真と短編のコラボ本。きっと写真と該当する短編が交互にあったほうが、いろいろと思いも広がってよかっただろうな、と思う。
    短編は、どれも人生に何か忘れ物をしてきたような人が登場人物なのが印象的。
    とはいえ、タイトルが「うりずん」。さぁ、これから、という意味(応援の?)もこめてるんだろうね、登場人物たちに。

  • 写真と短い文章で構成された写真集のジャンルになるのか?吉田さんらしい「人間くささ」が短い文章からも伝わる。

  • 短篇よりも短いお話が、写真と同じタイトルでちりばめられている
    写真と文章のコラボレーションという感じの本です。
    あっという間に終わってしまいましたが、吉田修一ファンとしては
    満足のいく文章が多かったです。何気なさの中にはっとして
    不思議な余韻を残してくれます。

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著者プロフィール

1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。1997年『最後の息子』で「文學界新人賞」を受賞し、デビュー。2002年『パーク・ライフ』で「芥川賞」を受賞。07年『悪人』で「毎日出版文化賞」、10年『横道世之介』で「柴田錬三郎」、19年『国宝』で「芸術選奨文部科学大臣賞」「中央公論文芸賞」を受賞する。その他著書に、『パレード』『悪人』『さよなら渓谷』『路』『怒り』『森は知っている』『太陽は動かない』『湖の女たち』等がある。

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