しずく

著者 :
  • 光文社
3.59
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本棚登録 : 1101
レビュー : 235
  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334925444

作品紹介・あらすじ

そうか、あなたがいたんだ。迷っても、つまずいても、泣きそうでも。人生って、そう悪くない。「女どうし」を描く六つの物語。

感想・レビュー・書評

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  • 小説を書く人にとって、
    物語の主人公とはどんな存在なんだろう。

    自らの分身の様なものだろうか?
    それともあくまで<架空の人物>としての一線を引いて、思い通りに動かす、
    言わば監督が操る役者の様なものなのだろうか。

    「しずく」は6編の短編集。
    眠る前に一話ずつ、大事に読んできたのだが、
    昨夜、最後の話を読み終えてふっ、と。
    (…それで、今はどうしているんだろう?)
    と、気になって気になって
    目を瞑りながらずっと考えてしまった。
    そして考えながら、
    じわりと涙…

    6つの物語に登場した人物達は
    何にも綺麗なものに包まれていない人達で、
    あまりにも人間くさく、
    心に秘めたものを吐露し続けていた。
    でも、<物語>なのだから
    <おわり>までには、意外な展開が待ち受けているのだろう。
    今の所、主人公と同じ道を歩んでいる読者の為に。

    でも、彼らの行く道を操っているのは
    西さんでは無い。
    西さんは只、彼らの弱音を聞きながら見守り、浄化しているだけ。
    作者の手を上手く逃れた6人の主人公らは、
    その世界を強く逞しくガンガンに生き延びていた。

    そんな彼らの為に、<物語>という枠を
    カチッ、と外してあげる。
    西さんと言う作家は親みたいな人だな、と思った。

  • 「ランドセル」「灰皿」「木蓮」「影」「しずく」「シャワーキャップ」
    全部良かった~♪

    その中でも、「シャワーキャップ」と「しずく」がとても好きです。

    まず「シャワーキャップ」
    のんちゃんのお母さんと、自分の母は似てないけれど、
    それでも私がお腹にいたときは私に話しかけ、
    私の誕生を心待ちにしてくれて、
    そして、私を育てながら幾度も泣いたことがあるんだろうな…と、胸が熱くなりました。

    こうして物語の感想としてなら、
    いくらでも反省して素直になれるのに。
    いざ面と向かうと…ね。

    そして「しずく」
    おそらく泣くから、猫ちゃん物はいつも一番最後に読みます。

    可愛くて、可笑しくて、楽しくて、せつなくて。
    あぁ、何て言ったらいいんでしょうか。
    今回は大丈夫かもと、クスクス笑いながら読んでいたはずが…
    気付けば、涙がつつーっと。

    うちの子達も、こんな風だったなぁって…。

    ダダダダダーー!ドドドドドー!
    追いかけっこは日常茶飯事。
    すれ違いざまに「あっ、なんか会話してる!」とか…。
    舐めあっているうちにもめ出して、いつのまにか寝ちゃったりとかね…ふふっ

    フクさんとサチさんから見た世界が、これまた愉快でね~。
    『まったく人間というのは、寝ているときが一番いいわね、
    うるさくないし、油断しているし。』(笑)

    写真に向かって問いかけた…。

    「ねえ、君達もこんな風に思ったりした?」

    「まあね、時々ね。だってママ、過保護だったし~♪」
    「すぐモフモフするし~♪」
    「でも僕らはここまでおバカちゃんじゃなかったニャ♪」
    って言ってる気がした。

    • けいたんさん
      こんばんは(^-^)/

      「ランドセル」で止まっています(〃∀〃)ゞ
      短編はよく止まります。
      杜のうさこさんが高評価なので続きを読...
      こんばんは(^-^)/

      「ランドセル」で止まっています(〃∀〃)ゞ
      短編はよく止まります。
      杜のうさこさんが高評価なので続きを読むのが楽しみです(^-^)/

      ランドセルは懐かしい感じのする話でした。
      また、全部読み終わったときに感想を読みにきてください( •̀∀•́ )b
      2015/09/08
    • 杜のうさこさん
      けいたんさん、こんばんは~♪

      短編よく止まる。ってわかります(#^^#)
      私なんかつまみ食い(?)のように読んじゃったりして~。
      ...
      けいたんさん、こんばんは~♪

      短編よく止まる。ってわかります(#^^#)
      私なんかつまみ食い(?)のように読んじゃったりして~。

      でもこれは一気に読んでしまいました。
      ビックリな表現もあって、ちょっと引いてしまったりもしたのですが。
      まあ、そこは西加奈子さんらしいというか。

      あと、「木蓮」も二人のバトルが痛快で面白かったです!
      レビュー楽しみにしていますね!

      あー日付が変わりそう。
      つい夜更かしグセが・・・
      季節の変わり目、ご自愛くださいね。

      2015/09/08
  • 短編集。
    レビューを読んで初めて気付きましたが、女性2人が主人公の話ばかりなんですね。

    西加奈子さんの短編集は2作品目。
    各話ごとに、作風が違って、それを踏まえて読めた今回は、かなり楽しめました。
    (以前は、その違和感に馴染めずでした。)
    好き嫌いはありましたが。

    猫目線での話『しずく』と母と娘の『シャワーキャップ』が好きでした。
    自分の場合とは違うけれど、母親って、いくつになっても安心させてくれる存在、ということに共感し、胸の奥が熱くなりました。

  • 2015.4.19 読了

    短編集。
    初の作家さん。読みやすかった。

    幼なじみの女同士の関係。
    家主(おばあちゃん)と
    借主(今風の若者女子)の関係。
    バツイチで子供がいる彼氏と彼女と
    その子供の関係。などなど、
    微妙な 口で表すのが難しい感じを
    うまいこと 文章で描かれてます。

    最後の母と娘の感じなんて、
    あ~ わかるような。。。

    ただ ネコって
    あそこまでバカじゃないぞ。。。

  • 西さんの描く女の人が好き。
    アンソロジーで好きかも・・・と気になってこれを読んでみたけど、予感は大正解!

    幼馴染…と言っていいのかは微妙な女友達。
    無き旦那様との思い出の家を借りてくれたちょっと変わった女性。
    バツイチの素敵な彼氏の憎たらしい子ども。
    旅先で出会った不思議な女の子。
    二匹の猫。
    無邪気な母親。

    どの場面も身に覚えがあるようなないような。
    でもかっこつけないありのままの感情に、私も泣いていいのかな?と思ってしまった。

    女性はみんな好きだと思う・・・とは言えなくて、
    もしかしたらまったく共感できない人もいるんだろうなぁ。。。
    とは思うけど、私はすごく好きだ。
    こういう人を主人公にしてくれてありがとう!と言いたい気分(笑)

    久々に片っ端から読み漁りたい作家さんに出会えました!

  • 言えない想いを口に出す勇気と、出さない強さと。
    どっちがどっちとは言えないなと思った。

    「しずく」なんとなく、退屈な感じだなと思いながら読み進め、結末までいった時、はっと胸をうたれた。
    退屈に感じるほどの毎日だったからこその、結末だったのだろう。
    不器用なまま生きていくのは大変だけど、頑張れば何かありそうだ。

  • 普段あまり本を読まなかったのですが、中学生の時、猫好きの私は表紙の絵に惹かれてこの本を手に取っていました。短編集で読みやすかったというのもあり、この本が気に入って5回ほどは読み返しました。それから西さんの他の小説を読み、今では西さんの小説が大好きです。

  • 宮崎あおいちゃんがテレビのインタビューで好きだと言っていた作家さん。繊細だけれども明るい。闇から抜けた表現に共鳴できる。表題作しずくの猫の話がかわいくて印象的です。

  • 猫の話。空気のように身近にいる大切な人のことを思い出す一冊。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      初めて読んだ西加奈子。優しさがジワ~っと沁み込んでいく感じが、とても良かった。。。
      初めて読んだ西加奈子。優しさがジワ~っと沁み込んでいく感じが、とても良かった。。。
      2012/12/17
  • 女同士の交流を描いた短編集。表題作は「雌猫二匹」が主人公のお話しでした。気まぐれな猫の仕草、凄い的確に取られてますね!(笑)…そうかと思いきや。この物語、最後はホロリときちゃいました!動物視点なのに「うわぁ!まんまとやられた!!」って感じです。

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プロフィール

1977年、イランのテヘラン生まれ。エジプトのカイロ、大阪府堺市で育つ。関西大学法学部卒業。雑誌「ぴあ」のライターを経て、2004年『あおい』でデビュー。
2007年『通天閣』で織田作之助賞大賞、2011年咲くやこの花賞、2013年『ふくわらい』で第1回河合隼雄物語賞、2015年『サラバ!』で第152回直木三十五賞を受賞。
その他代表作として、宮崎あおい・向井理出演で映画化された絵本『きいろいゾウ』、同じく映画化された『円卓』、20万部を超えるベストセラー『さくら』、本屋大賞ノミネート作『i』など。
プロレス好きとして知られる。お気に入りの本は『アントニオ猪木詩集』。

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