ZOKUDAM

著者 :
  • 光文社
3.20
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本棚登録 : 425
感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334925611

感想・レビュー・書評

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  • 143ページあたりで挫折。

    ギャグコメディ。軽いノリで書かれている。
    だけどなんだ、このグルーブ感のなさは。

    面白く書いているはずなのに、面白くない。
    暗黒星雲なみの暗さなどという比喩は、ピンとこないし笑えもしない。
    そして、ぶっ飛んだ話に仕立てあげたいという気持ちは伝わるが、実際のところ斬新さが見当たらない。

    たとえば、雨漏りで水浸しになって、至急の対処を問い合わせたところ、明日の朝一番でポンプが届くという話で、主人公たちはそれじゃ間に合わないとあきれるエピソードがある。
    だが私は現実に、アメリカ留学中に、友達が39度の熱を出してホームドクターにアポイントの電話をいれたところ、「では至急ということで、さ来週の月曜日に予約を入れておきます」と返答されたのを見たことがある。
    さ来週じゃ、すっかり良くなってるか死んでるかだよと彼は突っ込んでいた。
    それと比べてどうなのだ。現実の方が、よほど斬新でぶっ飛んではいないか。

    グルーブ感がないというのか、滑っているというのか。
    この作品を読むと、どうも思い出すのが、大原まり子の作品だ。無性に彼女の文章が読みたくなる。饒舌なだけではない。うーんと唸らせる奇想天外な説得力がある。
    いや、ここで大原まり子の作品を批評しても仕方がない。

    仕方がないが、どうしてこんな作風で書いてみようと思われたのだろう。
    出版社の意向なのか、ご本人の新たな挑戦だったのか。
    もし新たな挑戦だったのなら、今後に期待したい。極めれば巧くなるかもしれない。
    もし出版社の意向なのだったら、新しい試みではあったかもしれないが、結果的には無茶ぶりだったんじゃないのかと思う。

    申し訳ないが、とりあえず143頁までで図書館に返却することにした。

  • 新しい職場は巨大ロボで悪と戦う部署だった

    読了日:2007.12.19
    分 類:長編
    ページ:316P
    価 格:1700円
    発行日:2007年7月発行
    出版社:光文社
    評 定:★★★


    ●作品データ●
    ----------------------------
    主人公 : ロミ・品川ほか
    語り口 : 3人称
    ジャンル : 現代小説
    対 象 : 一般向け
    雰囲気 : SFちっく、恋心も少々
    装幀 : 泉沢 光雄
    装画 : 佐久間 真人
    ---------------------------

    ---【100字紹介】-------------------
    ロミ・品川とケン・十河が配属された、
    遊園地の地下にある新しい部署には、真新しい二体のロボットがあった。
    戦士として選ばれた二人は、このロボットで怪獣と戦う…らしい。
    Zシリーズのまさかの続編、驚きの新展開
    --------------------------------------

    Zシリーズのまさかの続編、ということですが…、Zシリーズって何だ!?と。前作は「ZOKU」ですね(ちなみに別タイトルは「Zionist organization of kar」でした。)どうにも続きなんかなさそうなものでしたが…、続編。(だから「まさかの続編」。)

    主な登場人物は前作の踏襲。前作ではZOKUに対抗するTAIのエリート研究員の揖斐純弥、&TAI所長の孫のお元気少女・永良野乃がメインでしたが、本作はロミ・品川&ケン・十河側がメイン。特にロミ・品川。キャラの中身は変わらず。でも少し設定に変更あり。パラレルワールドであるか、または続編と言いつつ時系列的にはこちらの方が先かもしれません。ロミとケンが初対面のようなので。でも前作でも永良野乃とロミが初対面のようだったので前者が有力か。そして、ZOKUDAM側が悪と戦う巨大ロボットを擁しているらしいです。対する揖斐&永良たちのTAIGONが怪獣らしい(善悪も逆転?…だから「驚きの新展開」。)

    前作との関係はそんなくらい。それはともかく本作ですけれども。物語は、ロミ・品川が転勤するところから始まります。新しい配属先では新人で年下のケンと一緒に巨大ロボのパイロットに!?…というかなりトンデモ話。リアリティがない?いえいえ、それがそうでもない。いや、もちろんこの状況は「そんな馬鹿な」ではありますけれども。でも普通に考えてありえないことなのに、大真面目にリアリティを作っていくのですよ。マニュアルの分厚さとか、技術的な話とか、そんな「小物」と「状況の経過」を積み上げていくことで、最初は「ありえないってー」という笑いから入った読者に対しても、いつの間にか、そんな話に巻き込まれるコトだってありえるのかも?という、等身大の話になって…こなくもない。いや、変な話ですけどね。それにロミの心の動きとか、結構ありそうな感じ。

    全体の話はうわー、凄い盛り上がるー!…という感じではありません。元々雑誌に連続掲載した話につながりのある中編5つを集めてきたものなので、それぞれに小さな山があるといえばある…ないといえばない…。これだけ訳の分からない設定をしているのに(褒めてます)、こんなに盛り上がらないとは、人間の心理って面白すぎです。どんな状況にも自分を変えず(いや、動揺して不安定になってますけど、だからと言って完全な別人にはなりえないという意味で)、ちゃんと順応していく、という人間の姿をうまく描いている、と思いますね。でも、いかにも分かりやすい、フィクションらしいストーリーを求めている人にとっては、平坦で面白みに欠ける、と感じる可能性はあり。

    いや、それを考えると、こんなトンデモ設定をしておきながら、物語を平坦に見せかけることが出来るとは、恐ろしいほどの文才ではないのか!?という気がしてきましたよ…。つまり設定で目をひいたにも関わらず、設定そのもので読ませていない、ということになりますものね。

    「ZOKU」と同じく、よくも悪くも「森博嗣らしい」感じの文章です。多分、他の著者が書いたらこうはならない、というカラーがありますね。その辺りが人気の秘密か。このカラーが好きでさえあれば、本作はお勧めできる作品だと思います。苦手な人はやっぱりこれも無理かな。終わり方もあまりに「らしく」て、1冊まるごと、森博嗣節だなあ、と思った次第。

    どうでもいいことですが。TAIGONのメンバーの名前が木曽三川だったことに、今回ようやく気付いた菜の花は、ちょっと遅いか…。


    ---------------------------------
    文章・描写 :★★★★
    展開・結末 :★★★
    キャラクタ :★★★★
    独 自 性 :★★★★
    読 後 感 :★★★
    ---------------------------------


    菜の花の一押しキャラ…特になし

    「そちら方面のことは、僕には無理だ。
     測定器で測れない現象については、お手上げだよ」
                       揖斐 純弥

  • 「ZOKU」の続編らしいのですが、自分はこの「ZOKU」を読んでません。
    なんとなくですが、「ZOKU」と言う本の続編じゃないかな~とは思ったんですけどね。
    でも、「ZOKU」を知らなくても大丈夫な内容でした。
    機会があれば「ZOKU」の方も読みたいと思います。
    内容は肩の力が抜けるような脱力系でした。
    そして、こう言うテイストが合わない人もいるだろうなと思いました。
    自分はこう言う感じの書き方は合わない人ですけど、それでも楽しく読めました。
    パッと見はロボットで戦う物語かと思ってしまいますが、中身はそんな派手な展開は無く、実に地味でコミカルで、ロボット自体もとても現実的なものでした。
    ロボットがメインのようでなんか違う…と言うような本でした。
    満足度は★★★☆☆。
    終わり方はとても爽やかでした。

  • あざといくらいのシュールさがつぼにはまります。
    今回はロミとお医者さんの会話が一番尾をひいて笑った。……え 続編?笑。

  • (2009.7)

  • 購入:2007/7/20、読了:2009/6/30

  • え、まさか、これに乗るんですか!?
    そんな一言が印象的な、ZOKUの続編?
    現実と理想と架空の差がシュールでリアル。

  • 前作「ZOKU」あまり覚えてないけど読んでなくても大丈夫そう。面白かった。正義の味方側、ロミさんは実際のとこおいくつなんでしょう。移転しちゃいましたがブラちゃんどうしたんだ。連れてったのか? 両陣営とも戦いに備えて地道にマニュアル読んだりシュミレーションしたり。地味だな(笑)。巻末の決戦想定した小物イラストは楽しかった。肝心の決戦については略(笑)。こういう小説なのだな、うん。

  • ロミさんすてきスギ

    そして不憫…

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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