さよなら、そしてこんにちは

著者 :
  • 光文社
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感想 : 89
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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334925741

感想・レビュー・書評

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  • 短編集。

    出産間近の妻を持つ笑い上戸の葬儀屋、
    農業を始めるためにびっくりするほどの田舎に引っ越した家族、
    売れ筋商品の情報に右往左往するスーパーの売り場責任者、
    戦隊ヒーローに心奪われた主婦、
    グルメ評論家を迎えたこだわりの寿司屋の店主、
    仕事に振り回される料理研究家、
    妻と娘にクリスマスをねだられたお寺の住職。

    書き出しながら思い出し、またクスッと笑ってしまいます。
    どれもシュールで面白かった。
    何も考えずに楽しめる感じが、すごく好きな本でした。

  • 「父さんの言うとおりだ。頭の上には本当の空がある。何かが始まる予感に、晴也の胸はときめいた。」(74ページ)

    さまざまな年齢、職業、性別の主人公たち。
    皆、それぞれの居場所で、それぞれの戦いに挑んでいる。

    つらい時や、苦しい時もあるけれど、
    かならず光が差し込む瞬間があるはずだ。そんな物語り。

  • 荻原作品のユーモアかつ哀愁のある物語が、ふと、読みたくなった。

    7人それぞれの日常から、ちょっとした一コマを切り取った葛藤や苦悩、幸福が覗き見感覚で読める。

    主人公のココロの本音があまりにも面白おかしく、人間の本質を感じる。

    いつもの生活も、そのまま通り過ぎずに少し切り取るだけで、充分ドラマチックなのではないかと気づかせてくれる。

  • さらさらと読める。
    着地点もわかりやすく安心して読めた。

  • 重い主題の本が続いたあとに、積んでおいたいただき物の本のなかからふと手にとった一冊。

    息抜きにちょうどよい、心温まる、人生のささやかな機微を慈しめるような短編集。
    収録されているのは、
    「さよなら、そしてこんにちは」
    「ビューティフルライフ」
    「スーパーマンの憂鬱」
    「美獣戦隊ナイトレンジャー」
    「寿し辰のいちばん長い日」
    「スローライフ」
    「長福寺のメリークリスマス」
    2003年〜2007年にかけて小説誌に掲載された作品。

    「ビューティフルライフ」を読んで「はて、どこかで読んだような…」と思ったら、朝日新聞でされていた時に読んだ小説『愛しの座敷わらし』のモチーフとほぼ同じ設定。

    ちょっと疲れた時、手にするにはよい一冊。
    普段、小説はあまり読まない、という方にもおすすめ。

  • 笑い上戸の葬儀屋、ひきこもりの息子のために移住、スーパーのバイヤー、戦隊ヒーロー追っかけの主婦、食い逃げされる寿司屋、過労のスローフード研究家、クリスマスを祝う僧侶。おもしろかった。

  • この本にでてくる登場人物に、特別な人はいない。身近に感じられる人ばかりです。ただ、小説のネタ?と登場人物の職業がありふれてない。例えば、特撮ヒーローに胸をときめかせる主婦の話だったり、テレビの健康番組から毎日売れる商品を仕入れることに必死になってる出世したいスーバー勤務の男が主人公だったり。7つの作品が収録されてますが全部、色合いの違う作品なので、一冊でたくさんの本を読んだ気分になれます。クスッと笑いたい人向けの本

  • 「長福寺のメリークリスマス」が面白かった。

  • メディアに踊らされている人々がユーモラスに書かれています。短編集ですが、「健康」、「スローライフ」、「飲食ガイドブック」がテーマとして挙げられていました。

    メディアといえば、テレビが、未だその地位を堅持しているのでしょうか?確かにメディアとしてのインパクトは相当なものであると思います。

    しかし、裏を返せば、人々に思考停止を促しているといっても過言ではありません。考えずに済むことは楽かもしれませんが、危険です。メディアとの付き合い方を考える必要があるかと思います。

  • 日常の細かい喜怒哀楽が面白い。
    クスっとするところ満載。

  • 肩の力を抜いて読める短編集。クスッと笑えるとこ多い。

  • ほのぼの短編集。空き時間にさらりと読めて、肩の力がスッと抜ける感じ。最初の葬儀屋さんの話しと、最後のお坊さんの話しが好き。

  • 短編集。
    クスッとする感じの話が多く、読みやすかった。

    東京からド田舎に引っ越した家族の話「ビューティフルライフ」が、前向きになれる終わり方でよかった。

  • 日常を切り取ったような短編7話。
    とっても読みやすいです。
    劇的な出来事はないけれど、身近にありそうな話にイライラしたり、モヤモヤしたり、ちょっとだけ笑えたり。一番イライラが多かった気がするかな。
    いろんなものに翻弄される主人公たち。
    表題作の笑ってはいけないのに笑い上戸の葬式屋の心の声は面白かったです。「ビューティフルライフ」のメルヘン母にはイライラしたかな。他にもTV番組で取り上げられる健康食品に振り回されるスーパーの食品担当、戦隊ヒーローに夢中な主婦とかリアルにありそうです。
    どの話もうまくまとまっていますが、ちょっと物足りない間延びした感じをうけるのは何なんだろう。

  • 図書館にて借りました。

    レビューはブログにて。
    http://ameblo.jp/minori-0325/theme33-10032961603.html

  • 塩のしょっぱさとか、グラニュー糖の甘さとか、

  • おもしろかったな・・・がまず感想。いきおいにのってる方?の作品はやはりおもしろい。なにが?といわれると困るのだが・・一気に読んでしまった。

  • 図書館より。
    どこかにありそうな普通の人たちの日常を切り取った短編集。

    それぞれの短編で描かれる人々は葬儀社の人や、すし職人、普通の主婦もいれば住職などと非常に多種多様。なのにどの作品もなんだか実際にありそうで、どの作品もユーモアや温かさを感じさせてくれました。

    特に好きなのは「ビューティフルライフ」
    農業を営むため田舎に引っ越してきた家族の話です。家族のとぼけた感じがいいのですが、それだけでなく家族の温かさも感じられるほのぼのとした作品です。

    「美獣戦隊ナイトレンジャー」は特撮ヒーローの俳優にハマる主婦が主人公。
    主婦の心情や日常がリアル、それだけでなくスカッともさせてくれる作品です。

    「長福寺のメリークリスマス」は小さなお寺の住職が主人公。立場上クリスマスを祝えない主人公が家族のためにどうクリスマスを祝うのか? これもユーモアと温かさのある作品です。

    どの作品も荻原さんの職人技を感じさせられる短編集でした。

  • 短編集なのに、一話一話がだらだらしてる感じがする。着想は面白いけど。

  • 短編集。かっこ良くなくて、悲哀感さえ漂う中、小さな幸せが描かれている所が、好き。

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著者プロフィール

1956年、埼玉県生まれ。成城大学経済学部卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターに。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞。14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞。16年『海の見える理髪店』で直木賞。著作は多数。近著に『楽園の真下』『それでも空は青い』『海馬の尻尾』『ストロベリーライフ』『ギブ・ミー・ア・チャンス』『金魚姫』など。18年『人生がそんなにも美しいのなら』で漫画家デビュー。

「2022年 『ワンダーランド急行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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