グラデーション

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 161
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334925765

感想・レビュー・書評

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  • 明るくておしゃべり好き。趣味のファッションやメイクのことで母と盛り上がる姉と比べ、母の話にうまく相槌が打てない。姉のいない食卓の気づまりな空間。
    学校では女子生徒の憧れの先輩に声をかけられる。言われなくても、美人でなく、性格も地味な自分がどうして。と思う。
    高校時代。同じく恋愛や異性に興味のないすずと打ち解け、一緒にバイトをしたり、大好きな絵を描くため美術部に入部。初めての恋は教育実習生。進路相談を持ち掛け休日に二人で出かける。突然男になった彼に恐怖、ショックを受ける真紀。
    大学時代の居場所の定まらない不安。年上で、自分のことをあまり話さず人と距離を置く、ゆりえという友人に憧れる。ある日小戸ずれた写真展。ひきこまれた真紀はアルバイトのお願いをする。作品への憧れはいつしか写真家個人の憧れになった。海外出生から帰ってきた彼から告げられた恋人との結婚話
    卒業後は中学の教育実習の経験も踏まえ、大学時代の友人の絵画教室を営む。生徒の母親ともめてしまうが、じっくり考えて答えを見つけた真紀はトラブルを解決する
    16歳から22歳。一人の女性が大人になっていくさまがいきいきと描かれている

  • 美術がすきな真紀の十四歳から二十三歳までの出来事が自然体且つ濃密で引き込まれた。友人と予定を立てずに行く日帰り旅での苺狩りや、写真家のもと他幾つかのアルバイト等。とにかく話を聞いて貰いたい幼さの残る母親との微妙な関係に親近感があった。新たな人間関係に次々変わる健全さと続く友情もある温かさが良かった。

  • 【あらすじ】
    桂真紀は中学校に通う女の子。みんなが憧れている先輩の男子から誘われて一緒に帰っても、気後れが先に立つ。学校行事で行った夏のキャンプでも、誰がカップルになるかで盛り上がる友だちの話に素直に入っていけない。そんな彼女を驚かせた友人の思い切った行動とは―。十四歳の少女が二十三歳の大人の入り口に立つまでの十年間を丁寧に描いた連作小説。

    【感想】

  • 2015.5.22 読了

    真紀の 14歳から23歳の成長記録。

    中学生の 淡い恋?
    恋とも呼べないような想いや
    周りの友達関係。

    高校生になり、新たな友達や
    教育実習生への憧れ。

    などなど、自分も周りも
    成長していく過程を淡々と
    描いてるだけですが、
    読みやすく 面白かったです。

  • 馴染めないかも、と思っていましたが、
    ところどころにグッと共感する一文があって、
    そこに惹きつけられました。
    相性のいい作家さんかも。

    普段口にはしない感情をうまく言葉にする人は本当に才能だなーと思う。

  • 主人公・桂真紀の14~23歳までを1歳づつ描いた本作。
    心も体も環境も大きく変化するこの時期。少女から女性へ、心情が丁寧に描かれ、楽しさや悲しさや苦しさなどを経験して確実に成長という変化を遂げる真紀にかつての自分を思い出す。
    時間が折り重なりゆっくりと変化する様にぴったりの柔らかな題名とストーリー。

  • 4歳の少女が、友人、家族、憧れの人との関係のなかで、一つずつ自分の感情を増やしてゆく―進学や恋愛、就職の悩み…誰にでも訪れる当たり前のような出来事を、自分らしく受け止め、大人の入口に立つ23歳になるまでを丁寧に辿る。

  • 14/01/22

    実らない恋てドラマチック。
    もっとやるべきことがあるよって言うくせに、それを俺は教えてあげられないて言ったり。個展を見たいてお願いして、いいよって了承してくれると思ってたのに、黙り込まれたり。繊細だなあ。ほろ苦いなあ。
    14才~23才までの真紀の成長。各年齢で章に区切られてて、読みやすくて面白い本でした。

  • 桂真紀という女性が14、16、17、18、19、20、22、23歳、つまり中学、高校1年、2年、3年、大学1、2,3,4年などの人生の転機というべき重要な時期に、それぞれの挫折などの事件を通して成長していく過程を描いています。憧れ、恐れ、不満、不安、孤独感、親友との別れ、裏切られ感。この時期は考えてみれば、私自身の娘のここ数年になるわけですが、やはり女の子の気持ちよりは、むしろ自分自身の中学、高校時代を重ねながら、懐かしく読みました。いかにも女性作家らしい作品であり、男性の存在感は乏しい、あるいはパターン化されているように感じます。

  • 鮮やかに変化してく
    グラデーションではなかった。

    でも、淡く静かに
    きっと確実に変化してく
    グラデーション。

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