ラットマン

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 1495
レビュー : 343
  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334925932

感想・レビュー・書評

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  • あーーっ!今回も騙された!
    高校時代から14年間共にバンド活動をしてきた男女4人。ある日、練習を行うスタジオで女性一人が死んでしまう。事故死か、他殺か…犯人は…?道尾さんの作品は容疑者が二転三転して、結局全然思ってもみなかった結論に至り、毎回「またやられた~!」的な気分になる。今回も驚きの結末だった。
    でも、未だ★5を付ける程の道尾作品に出会えていないのが少し寂しい。いつか出会えますように…

  • 道尾さんのミステリーはやっぱり面白い!
    タイトルを見て本を手にするとき、いつも、このタイトルの意味はなんだろう?とわくわくする。
    この「ラットマン」しかり。
    読んでいくと、なるほどね~と、納得して。
    あとは二転三転するストーリーに「えっ?」「なに?」と驚かされ、振り回され、最後に「そうくるか~」と。

  • 人の顔が並んだ横にあると顔に見え、
    動物が並んだ横にあるとネズミに見えるというあの有名な「ラットマン」の絵。
    その原理を物語にしたのが、この作品です。

    いろいろ考えながら読んだにもかかわらず、
    見事に二転三転する物語に気持ちいいほどに翻弄されました。
    まさか昔の事件にまであんな種明かしがあったとは。

    鮮やかに伏線を回収していくのが見事で、特に後半はページを読み進める手が速くあっという間に読み終わりました。

    私たちが普段見ている世界で、信じたい気持ち、認めたくない気持ちが時にフィルターになって物の見方を変える、というのはよくあることなんでしょうね。
    何が真実かというのは客観的事実である一方で、実際のところ主観的な一面も持っていて、だからこそ世界の見え方は人によって違う。

    軽やかなリズムで物語は進むけど、ちょっと気持ちを入れ込むと重い物語ですね。とはいえ、すっきり読めて満足です。

  • そういうことか、ラットマン。途中ラットマンの絵が出てきたところで、これは道尾秀介、何か企んでるな?とは思ったが…。
    どんでん返しというより、勘違いから生まれる悲しみの連鎖。読者は絶対騙されるはず。それにしてもこんなにも悲しい物語は、読み終えてからやりきれなさが残る。

  •  高校時代の友人らと、社会人になった今もバンド活動を続ける姫川亮。ギター姫川、ベース谷尾、ヴォーカル竹内、そしてドラムのひかりで結成したSoundowner(サウダウナー)は、ドラムをひかりから、彼女の妹桂(けい)に変えた今も、ライブハウスでの演奏に向けて練習に励んでいた。

     ある日姫川は、恋人ひかりに妊娠を打ち明けられる。すぐにでも堕胎したいという彼女をやさしく労わりながらも、姫川の心は、とうにひかりから、妹桂へと移っていたのだった。身勝手に見えるひかりの行動に、いつしか殺意を覚える姫川。それは、姫川が幼い頃に経験した衝撃的な事件の影響ともいえるものだった。

     そんな中、バンドの練習中に、倉庫でひかりが遺体となって発見される。死因は事故か、それとも…。

     また、借りてきてしまった道尾秀介。軽い気持ちで夕食後手にして一気読みでした。
     ねずみのようにも、人のようにも見えるイラスト「ラットマン」。人と並べれば「おじさん顔」に、動物の絵に並べれば「ねずみ」にしか見えないというのですが、本当に人の思い込みというのはコワイですね。ミステリはかなり読み込んだつもりでも、二転三転とおもしろいくらいに騙されていく自分が、なかなか快感でした。ときには裏をかいてみるのですが、空振り。それすらも計算されているのだろうと思うと、道尾さん恐るべしだなぁと。

     冒頭が???な感じですが、それはジェットコースターがカンカンと登っていくあたり。すぐに登りつめたかと思うと、一気にラストまで疾走していきます。もう誰にも止められない感じです。

  • いや、目が回る。もちろんいい意味で。過去と現在の事件が並走して繋がっていくのはよくある展開だけど、わくわくするし、ラットマンといういかにも思わせぶりなキーワード。序盤から期待は最高潮に。
    それだけに少し中だるみを感じたときは、あれあれ、なんて思ったけど、もちろん、そんな一筋縄に終わるわけなかったァ!
    僕は昔、一度目が悪いために駐車場に張られたチェーンに気づかず、自転車で見事に一回転しながら吹っ飛んだことがあるのですが、、翻って今回は!作中に念入りに張られた伏線に気づかず、怒涛の展開に、見事に一回転どころか何回転もして吹っ飛びました。流れる走馬燈。かたや人生のささやかながらもかけがえのない日常、かたや鮮やかに騙された伏線の数々。
    違うのは、昔感じたのはコンクリートに叩きつけられた息の詰まるような衝撃で、今回はコンクリートをもぶち破る胸のすくような衝撃だったことでしょうか。
    まさか、僕自身も過去と現在が繋がっていくとは、よくある展開だけど、わくわくしました!

  • 「カラスの親指」が面白かったので続けて手にとって見た。今回もよく出来たプロットで、過去と未来の出来事が互いに絡み合いながら並行して謎解きが進んでいく。何度も驚きがあり、最後には納得できる点ではよく出来た話だが、キャラクターや動機に関する作りこみはそれほど深くない。個人的には「カラスの親指」の法が好き。

  • 犯人の心理描写を楽しむお話なのかと思いきや、最後の方で二転三転するどんでん返しが。
    結局のところ、皆が皆、ラットマンを見ていたという訳で、これって日常でも大いに起こっている事じゃないかな~と思った。
    キャラクターに感情移入はしやすかった分、ちょっと姫川のした事が間抜けた感じになってしまったところは笑えてしまった。
    誰が犯人かわからないひりつくスリルや緊迫感はなくて、そこは物足りなかったが、あまり殺伐としないこういう雰囲気のミステリー作品は自分にはちょっと新鮮だった。

  • 読了日2009/12
    最近、重たい本ばかり読んでいたので、ちょうどいい軽さでした。
    バンド仲間や高校時代からお世話になってるライブハウスのオーナーとのやり取りにホッとさせらる心温まる会話があったり、結局はミステリーなので殺人があるんだけど、優しい殺人というものなのか、それぞれが相手を思いやる(ラットマンの意味、後半でやっと理解できおぉぉって感じ)
    登場人物、すべてが心優しい人たちでした。
    内容は道尾作品なのでハズレなしって感じで最後の最後まで飽きさせることなく楽しめたけど、なんとなく全体的にゆる~い感じはするかな
    それが、この作品のいい所なんだけど。

    一番、心に残ったのは、ライブハウスのオーナーの野際の言葉
    「個性ってのはさ、何かを一生懸命真似しないと、手に入れることなんて絶対にできないんだよ」

  • 3.0 まずまずでした。道尾氏の作品には外れはないですね。

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著者プロフィール

道尾 秀介(みちお しゅうすけ)
1975年、兵庫県生まれの小説家。玉川大学農学部卒業。会社員生活を続けながら小説を執筆しており、2004年『背の眼』で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。
2007年『シャドウ』で第7回本格ミステリ大賞(小説部門)受賞。2009年『カラスの親指』で第62回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)受賞。2010年、『龍神の雨』で第12回大藪春彦賞受賞。『光媒の花』で第23回山本周五郎賞受賞。2011年、『月と蟹』で第144回直木賞受賞。直木賞にはこの作品で5回連続のノミネートだった。
その他代表作として『向日葵の咲かない夏』があり、文庫版は100万部を超えるベストセラーになった。『カラスの親指』は映画化された。
ほか、横溝正史ミステリ大賞、新潮ミステリー大賞の選考委員を務める。

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