声を聴かせて

  • 光文社
3.44
  • (5)
  • (33)
  • (35)
  • (4)
  • (2)
本棚登録 : 144
レビュー : 38
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334926274

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 『声を聴かせて』突然の事故で息子が弟を失ってしまったら悔やまれて仕方ないだろう。考えないでいようと思ってもついつい思い出してしまう。母も姉も苦しかったと思う。
    『ちいさな甲羅』だんなさんは協力的なんだろうけど、子供が小さいときは自分も仕事がバリバリだろうから、さらに突っ込んで考えるということは無理な注文なのかもね〜。周囲と溶け込みたいのにできない、息子のこともあるし…となると無理ばかりしてしまいそう。妹のあみこは独身で言いたいことを言ってしまえるけれど、近所付き合いとか考えるとそれがいいとも言えないし。
    どちらも悲しくなる物語だったな。

  • この作者が好きで、図書館で借りた。
    中編、二編とも母と子の話だった。
    表題作は子の死が入っているので、少し暗過ぎる。でも、最後に泣きそうになった。
    『ちいさな甲羅』は、主人公の妹のキャラがいいので、主人公が暗くても(私が好きなタイプでなくても)おもしろかった。

    どちらにせよ、最初に危機もないし、主人公がなにを求めているのかも強くはわからないし、主人公に魅力もないけれど、朝比奈さんの書く作品は好き。

    たぶん、自分にもある人間、女性、母としての負の場面を書いているからだと思う。ちょっと角田光代にもつながるような。

  • 100ページくらいの短編二編。
    子育ての実経験がある人なら、きっとあちこちに共感できる部分があるのでは。

    それにしても・・・

    子どもは親を選べない。
    子どもには、正確に自分の気持ちを表現できない。

    だから、この人が私のおかあさんでよかったな、と思えるような信頼関係を子どもと気づいていきたい。

    改めてそんなことを感じる。

  • 子どもの渦中に、親が別の渦中に居る話し。

    子どもを失う以上に辛いことはないだろうな、と、子どもが生まれてから実感した。
    それだけに、一話目も二話目も、
    子どもの生き死にに関わるかもしれない程のいじめに気づかない母親に、苛立ちを感じた。
    しかし思い返せば私の母も、私がいじめに遭っていた時、それほど深刻なものとは気づいていなかった。
    自分も気づけるか、自信がない。

  • 母と子の話、2篇。
    里帰り出産中の娘と語らう母、彼女には幼い時に事故で亡くした息子がいた。…声を聴かせて
    発育の遅い息子に苛立ちながら、ママ友との関係に悩み、壊れていく母親。…ちいさな甲羅

    どちらも辛く悲しい話。
    過去の子育て、今の子育てと違いはあれど、母だから悩み苦しむ様子が身につまされます。

    特にちいさな甲羅は、痛い。
    ママ友の話は、私にとっては、いつでもドキドキしながら、引き込まれてしまう類の話。
    通り過ぎて良かったと思えるあの頃なのですよね。

  • 私と娘はまるで決めごとのように口にしないことがある。
    私たちがかつて失くした一つの命―。
    我が子の匂い、肌ざわり、息づかいがリアルに甦る慟哭の表題作他一篇。
    (アマゾンより引用)

    なかなか良かった(*´∀`*)
    表題作よりは2作目のほうが好きだったな(*´∀`*)
    ある意味ダークな話だけど、まぁたぶんよくある出来事なんだろう

  • 母と子供を扱った中編二編。両作品とも息苦しさを伴う。一作目の切り口は女性らしいかなと思う。

  • 女性の気持ちの動きというものはこういうものなのかと女性の書いた小説だからこその表現や心理状態、想いなどが感じられた。
    いじめも絡めた、子どもの心の機微など女性ならではの心理状態などを描写しており、今の時代の女性がどんな生き方をしているのか表現された小説かと思う。

    読みやすいが心に訴えるものはそれほど感じられなかった。
    ただ淡々と描かれた気持ちの移り変わりを書かれたものという感想だった。

  • あらすじ メモ

    離婚して、母親として二人の子供を一生懸命育てていた「わたし」。しかし、あるとき、息子の悠樹が幼稚園の時交通事故で死んでしまう。「わたしはそのことからなかなか立ち直れず、娘の奈保子といても息子を思い出して泣いてしまうのだった。

    奈保子に子供が生まれ、実家に帰って来ている。ずっと忙しく働いていた「わたし」、そして、悠樹のことで幼稚園に責任を問うて裁判を起こしていたためもあって、今思えば、奈保子とゆっくり向き合うことが少なかった。

    眠っている孫と娘と久しぶりにゆっくりしていると、娘が、小学校のとき、いじめにあっていたこと、お母さん知ってた?と言う・・・

  • ちいさな甲羅…イジメられても平然とする息子。そんな息子に「早く消えて!」と決して口にしてはならないこと言うお母さん。それでもどこまでもママ思いの息子に涙ぐむ。息子の名を叫ぶお母さんとそれに応える息子にぐっときた。
    声を聴かせて…評価はこの作品。自分が見届けて亡くなっていった人の記憶はまず消えないと思う。それが最愛の息子だとしたら気が狂ってもおかしくないだろう。猫がイタコとなる場面はこの作品のハイライトだった。良くできた娘がイジメられていたという話も泣けてくる。

  • 親子の話、2篇。

    どちらも生々しすぎて、母として自分が体験したり見聞きしてきたこととリンクする部分も多く、読むのが辛くなるほど、痛い。

    この痛い部分を掘り下げられるすごい作家さんだな、と思う。

    あぁ、出てきた子供たちがホントにどこかにいるような気がして、幸せになって欲しいなぁ、と切に願う。

    タイトルと装填が素敵。

  • 朝比奈あすかは今にも壊れてしまいそうな心情を繊細に書き出すのがうまい。悪意も善意もふくめて。自分が子を持つ母親になればこの思いがより深くわかるのかなぁ。2013/425

  • 夫と別れ息子を亡くした後、女でひとつで育てた娘が赤ん坊を産む。母親になった娘から、子どものころに苛められていたという告白を受ける母の心のうちを描いた表題作と、何事も愚図で要領の悪い幼稚園児の息子とママ友たちの狭い人間関係に苦しむ女親を描いた短編が収められている。
    いずれも子と母という関係性が強く打ち出されていて、その強さやぎりぎりな感じが苦しかった。
    たぶんもっと若い頃に読んだらまったくわからなかっただろうと思う。
    自分が産み落とした子どもでありながら自分ではない「子」、その子の行動や優秀さによって自分の序列や立場も決まってしまう理不尽さといとおしさを思う。

  • 育児、親子関係、色々と考えさせられる。

  • 2013.05.19-2013.05.26

  • 親子関係を色々と考えさせられたな。ちょっと身近でリアルに感じられ過ぎたけど。物語として面白かった。

  • 娘は立派に成長し、孫も生まれ、祖母となった私は友人とささやかながらも商売をし、穏やかな日常にふと失われたものたちへの記憶がよみがえる。

    離婚した夫、事故で亡くなった幼い息子、故郷に見捨てた母、言葉を宿しそして置き物のようになった猫。

    他短篇

    なんか暗ーい!劣等感の塊だ!

    声を聴かせてよりもちいさな甲羅のほうがよかった!
    朝比奈あすかって名前で読むの敬遠してたけどなかなかいいじゃないか!)^o^(

  • タイトルが上手い!どれも親子のお話で、読んでいて「そういえば…」と共感するところがいくつかありました。表紙がいい雰囲気をだしてますね。

  • ふらりと寄った図書館で選んだ本。
    初めての作家さん。
    辛かった。
    声を聞かせてとちいさな甲羅の二編。
    どちらも親子の話。
    母親として子どもとしての気持ちに胸が痛んだ。

  • 心理描写が上手くて引き込まれる
    まるでその場にいるような感覚がする

    どちらの話も泣いてしまった
    母とはなんて儚く、優しく、厳しく、切ない生き物なんだろうか

  • リアル。それぞれの気持ちが。これ、想像で書いたのはすごいと思う。もし自分が主人公だったら・・・と思うと壮絶。「ちいさな甲羅」も現代社会の縮図って感じで怖かった。怖くて目を背けたいけど逃げられない現実、という感じの二編。どんなトーンの作家さんなのか興味あり。

  • 声を聴かせて。

     この声とは だれの声なのだろうか?
     ミミの?
     娘の?
     死んだ息子の?
     それとも自分の?

    この人はタイトルをつけるのがうまいなあと感じる。
    いつも読後にタイトルの意味を考えてしまう。

    この作品は、なぜか涙が出てきた。
    私も自分の声に耳を傾けたら、理由がわかるのかな?

  • ひさしぶりの朝比奈さん。
    前回の本が感じるところが多かったので読んでみました。
    今回は2つのお話が入っている本。
    どちらも子供さんがらみの内容だったけど、心理描写がすごかったです。

    声を聴かせて
    弟をなくした娘。息子をなくした母。
    母は、幼稚園を被告側にまわし、裁判をする。
    その娘は小さい頃いじめられていた事を、自分が母になってから母に告白する。

    ちいさな甲羅
    幼稚園でいじめられていた武志を発見した、母の妹であるあみこ。が、武志をいじめていた幼稚園でリーダー的存在の海斗に暴力をふるう。
    これがきっかけとなり、母栄子は孤立していく。
    幼いころ家族の誰からでも優しくされている妹に嫉妬していた尚子は、妹と仲が悪く、よく仲間外れにしていた。
    尚子は「人間関係」に強くなりたいと思っていた。



    どちらも、子供の死・いじめ、がきっかけとなり、少しずつ孤立していってしまう。
    行き場のない想いがたくさんからんでいて、読んでいて辛くなった。

  • 2010.9.20 紹介
    2010.10.1 紹介

  • 子育てって本当に大変だと思います
    もう少し希望が欲しかったです

  • 本当に読み終わるのは母親になってからなのかもしれない。母性愛はなんて強いんだろう。

  • 女性、とくに母親の心理を痛いほどに描いた二本の作品。
    母親になったこともないのに、共感してしまう心理描写のうまさにのせられて、楽しい話ではないけど止まらなかったです。

  • 前後どちらの話も、読んでいてチクチクくるけどなぜか読むのを止められなかった。
    母親というものは、本当に整理がつかないほどのたくさんの感情を抱えている、そしてそれに共感できるようになるには早すぎる自分の歳というものをひしひし感じた。
    「ちいさな甲羅」の母親の気持ちは、理解できるような、理解したくないような、ただ今の私では単に理解できないものなのだろうと思う。この気持ちがわかるくらいに大人なったらぜひもう一度読もう、と思った。
    --------------------------------------
    声を聴かせて
    ちいさな甲羅

  • 素敵な本。

    とても切なくて、カフェで読んでいたから涙こらえられなくて大変だった。

    女性の微妙な心理描写がとても上手に書かれていて、すーっと心に入ってきた。

    「私がお母さんに隠したように、花音も将来いじめられたら、全力で私に隠すのかな」
    このセリフに心がきゅーっと締めつけられた。

    子育てする母親の不安定な心の状態に、思わず感情移入。
    だけどあまりにリアルなお話で、自分の今後がとても不安になった。

  • リアルすぎて、ちょっと重たい気持ちに…
    表紙のイメージとは印象が異なりました。

全38件中 1 - 30件を表示

著者プロフィール

朝比奈あすか

一九七六年生まれ。二〇〇〇年、大伯母の戦争経験を記録したノンフィクション『光さす故郷へ』を発表。06年「憂鬱なハスビーン」で群像新人文学賞を受賞。著書に『憧れの女の子』『不自由な絆』『あの子が欲しい』『天使はここに』『自画像』『人間タワー』『人生のピース』『君たちは今が世界』などがある。

「2019年 『さよなら獣』 で使われていた紹介文から引用しています。」

声を聴かせてのその他の作品

声を聴かせて (光文社文庫) 文庫 声を聴かせて (光文社文庫) 朝比奈あすか
声を聴かせて (光文社文庫) Kindle版 声を聴かせて (光文社文庫) 朝比奈あすか

朝比奈あすかの作品

ツイートする