約束の地

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 136
感想 : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (516ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334926427

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。
    先に本作の続続編「許されざるもの」を読んで、面白かったので、WLFの七倉管理官が登場する本作を遡って読んでみた。
    面白かった。
    七倉所長が一管理官、ベアドッグのハンドラーとして成長して行く過程、それぞれに複雑な事情と個性満載な登場人物。そして、八ヶ岳の自然とそこに生きる野生動物の生々しい描写。動物の考え方を人間的に描写するのは、いかがなものか?と考える人もいるとは思うが、やはり人間が対決するのは、自然と人間。
    ハードボイルドなので人と人が死力を尽くして闘う姿が格好いいのである。
    それだけてんこ盛りの要素をぶち込んで、なお一つの作品として成立している。いやはや、樋口昭雄氏の作品の中で、名作の一つだと私は思います。

  • 力作。
    環境破壊、野生生物の存続、それにまつわる政治的駆け引き、さらにはキャリア公務員の複雑な心裡に、子供社会のいじめなどに至るまで、たくさんの要素が詰め込まれている故に消化不良の印象もあって、完成度という点においては完璧ではないかもしれないが、読み応えはあるし、充分に意味のある問題提起を行っていると思う。
    ただ、基本的にこの作者の文章は悪くはないと思うのだが、ところどころであまりに不自然な会話のやりとりがあったり、適切とは言い難い語彙の選択や文脈が散見されたりといったところが残念。
    気分にむらがあるのかな?

  • 2段組みの500ページの長編小説。
    途中までは凄く良かったんだけど、稲妻やら3本足やら殺人があったりで、てんこ盛りで散漫になってしまった感がある。
    でも、中々良かった。

  • 環境省野生鳥獣保全管理センター(WLP)八ヶ岳の支所長に赴任してきた七倉航。エリート役人が横破りな管理官たちと勤務することになる。人と動物の完全なる棲み分けを目指すWLPと自由狩猟を主張する猟師会、動物愛護団体や自治体の思惑と軋轢に苛まれる。そんな中、巨大なツキノワグマと巨大イノシシ による人的被害が出る。奥山の環境悪化に より里に降りてきた怪物、更に寄生虫により内臓や脳を犯され暴れまわる。人や犬を切り裂き、食い散らす模写は壮絶だ。自然は動物を裏切らないが、人間は自然を裏切る。山の自然のバランスが崩れている現状、そのしわ寄せは野生動物に負わされている。環境汚染、温暖化、山林の開発など野生動物の棲み場所を脅かしている。それにより、鹿やイノシシが人里に下り田畑を荒らす。そして、駆除に至る。歴史的にはオオカミの乱獲により絶滅したのも要因の一つとされている。死というものは忘れたり、克服したりするものじゃない。共に生きていくこと。自治体や行政の対策などいろんなことを感じられた、500ページ超、2段書きの読み応えある作品だった。面白かった。

  • 環境省から2年間の期限で山梨県の野生鳥獣保全管理センター八ヶ岳支所長として出向してきた男性が主人公の物語

    この物語は内容が盛りだくさんで どう紹介すると良いか分からないんですよね ^_^; だから いつものように詳しく書かない方が良いと思いますって逃げます

  • ちょっとジブリ映画のもののけ姫を連想させる部分がありました。色々考えさせられる話です。小さい文字で1ページに上下2段の分厚い本でしたが、最後まで主人公と一緒に走る事が出来ました。こういう感じの作品は始めて読んだので、すごく新鮮で良かったです。

  • 長い。退屈な部分が多く、最後の50ページくらいまで全く話が進展しない。狩猟好きなら良いのかも。

  • 相手は熊だけじゃなかった。ジブリアニメ「もののけ姫」を思い出した。

  • 第12回大藪春彦賞第27回日本冒険小説協会大賞 エンタテインメント文学賞をダブル受賞した作品樋口明雄氏の『約束の地』を読了。2010年の授賞なので、受賞後に書評を読んで買った本だと思う。何度か手に取ったのだが、帯を読んで人間の狂気、ハンターとの確執、人間を襲い始めた巨大野生動物などの言葉を見て読むのを躊躇していた一冊だ。いやあ大失敗でした。こんな面白い本を放っておいたなんて。たしかに人間と野生動物との共生がテーマになり、野生動物対策・そこにおけるハンター達の役割・またぎの時代からハンターとなった現代の猟師たちの特質、その問題などなどしっかりした取材の中から出て来た野生動物対策への明確な示唆を持った物語になってはいるのだが、そのもの語りに組み込まれたサスペンスの組み込み方がさりげなく、人物設定が見事で途中で読むのを止めるのが難しくなるくらい久しぶりにぐいぐい引き込まれた。サスペンスの組み立ての妙という点で大藪春彦賞はわかるのだが、日本冒険小説エンタテインメント賞というのは今ひとつピントは来ないが、多分物語に出てくる現代になじめない老ハンターの非常にローキーだけれどひたむきに古き良き猟師像をつらぬく生き方・死に様が描かれているところがその賞を受けたゆえんだろうか。いくつかの人間模様が見事に織り込まれた小説なのでいろいろな方々におすすめです。

  • 樋口さんの小説は初めてですが、熊谷達也さんのジャンルに入るのでしょうか。
    ちょっと間延びした感がありました。ラストは興味深く読ませていただきました。

    「死というものは忘れたり、克服したりするものではない。共に生きていくものなんです。」・・・印象に残りました。

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著者プロフィール

1960年山口県生まれ。明治学院大学卒業。雑誌記者を経て、87年に小説家デビュー。2008年『約束の地』で、第27回日本冒険小説協会大賞、第12回大藪春彦賞をダブル受賞。2013年刊行には『ミッドナイト・ラン!』で第2回エキナカ大賞を受賞。主な著作に『狼は瞑らない』『光の山脈』『武装酒場』『酔いどれ犬』『ドッグテールズ』『竜虎』『北岳山小屋物語』など。有害鳥獣対策犬ハンドラー資格取得。山梨県自然監視員。

「2021年 『南アルプス山岳救助隊K-9 影がゆく』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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