ぼくたちはきっとすごい大人になる

著者 :
  • 光文社
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感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334926519

感想・レビュー・書評

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  • タイトルにもなっている最終話が秀逸。中学生くらいの子にオススメ。

  • こどもたちが主役でもこども向けではない。

  • 10代の小中学生を主人公にした6編の短編集です。どの物語も、子どもたちの繊細な心の動きを丁寧に写しとっていて、はっとさせられます。

  • 完全に大人から守られる小さな子どもから、心が成長して大人への一歩を踏み出していく小学四年頃の子ども達の想いや成長を描いた短編集。

    気になる男の子と幼なじみの男の子の間で戸惑う女の子、孤立している子と親友になった女の子、クラスの不良に憧れる男の子、母の不倫相手に心を寄せる女の子、声変わり前の美しい声で大好きな音楽の先生と歌を歌う男の子、ある日突然クラスメイトが亡くなりうけとめきれずに戸惑う男の子たち。

    個人的には最後の子ども達が凄く好き、まっすぐで真剣で、最後の「僕たちはきっとすごい大人になる」というの、前向きで凄く良い。

  • 多感な時期をよく表現している本です。
    まあ作家名でなんとなくわかるでしょうが
    ある志半ばで亡くなった有名な方の娘さんです。

    この時期の子どもは見ていないようできちんと
    見ているんですよね。そして、大人が決してえらいわけではなくて
    「口先だけ」ということも見ているのです。

    その中でのよかった作品は
    世の中には恵まれた人間ばかりでないということを
    よく表現している作品です。
    あるいわゆる「放置子」のお話や
    友達の妹のお話。

    どれも答えは一つじゃないけれども
    決して報われることのない人たちはいるのですよ。

  • 子供には、“本当のこと”が見えている。
    小学生のころ、冷静に、鋭くまわりを見ていたことを覚えていますか。
    大人になってかすんでしまった世界の色彩が鮮やかによみがえる6編の物語。
    (アマゾンより引用)

    まぁまぁかな

  • ナチュラル且つ繊細でとても良かった。小学生の感情の動きが鮮烈で、読後感も何とも言えない爽やかさだった。当たり前そうなのに在り来たりじゃない独自の切り取られ方がすき。

  •  小学生じゃちょっとませているのかもしれない──性に目覚めたり、非行に走ったり、自我に目覚めたり、恋したり。大人が気が付かないうちに、子どもは大人になってたりする。厳密には大人になるのではなく、ある部分だけ大人と同じようなことを考えたり行動したりするようだ、本人も無自覚なまま。そのアンバランスなところを客観的に見せてくれた。オイラはそのなかで「ママンの恋人」が好きだ。愛が「ママンはどうしてこのパパを愛さずに、おじさまを愛して、私の人生を複雑にしたのか──」と思ってくれたから。

  • とても読みやすい。おそらく子供でも読める。
    でも丁寧な心理描写、人間関係を追っていると、これは大人の社会でも同じなんだな、と気づく。子供だけにある出来事ではない。そういう風に思わせるところがすごいなと思った。
    表題作がとっても良かった。子供のほうがわかってる、こともあるんだなあ。
    一方で、親の都合によって子供の環境がガラッとかわる描写がちょこちょこあったことが印象的。理由は子供には説明されないことも多々あり、それは彼らに混乱を招くんだなあと思った。(大人になってその感覚はすっかり忘れていた)説明責任、というか。

  • 子供向けかな?

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著者プロフィール

作家。1963年生まれ。早稲田大学哲学科、東京大学美学藝術学科卒業。ニューヨーク大学大学院演劇学科終了。母・佐和子との日々を綴った『身がわり』で坪田譲治文学賞受賞。著書に小説『ねむい幸福』『キャベツの新生活』『車掌さんの恋』『月とシャンパン』『風の牧場』『ぼくたちはきっとすごい大人になる』『渋谷の神様』『カムフラージュ』、エッセイに『ニューヨーク空間』『雛を包む』『世界は単純なものに違いない』『恋するフェルメール』『三度目のフェルメール』など。

「2014年 『南下せよと彼女は言う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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