カンランシャ

著者 :
  • 光文社
3.12
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本棚登録 : 179
レビュー : 50
  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334926618

作品紹介・あらすじ

夫婦でいるとか、恋人でいるとかって、本当はどういうことなんだろうな。不動産会社に勤める瀬尾隆一は、大学時代からの先輩・蛭間直樹の妻・いずみのことが気になっている。いずみから直樹が浮気をしているのではないか、と相談を受けたのがきっかけだった。自身の妻・信子とは2年前から別居中で、すでに愛情は枯れてしまっている。次第に距離を縮めてゆく二人だが、失うには大きいものが多く、なかなか踏み込めない。そんな関係が煮詰まってきたある日、直樹が病院に運ばれた-。

感想・レビュー・書評

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  • 夫直樹の不倫を知りながら、夫の帰りを待つ妻いづみ。
    彼女自身も、いつか夫の後輩隆一に恋するようになる。

    それぞれの視点からのストーリーが章ごとに変わるため、各々の気持ちが手に取るようにわかり、とても読みやすかった。
    仕方なかったのかなと思いつつ、不倫を「恋」としてしまう事には、少々抵抗があります。
    気持ちが離れていく、好きが盛り上がっていく、最後は収まるところに収まった感じでしたが、やっぱり、何となく納得いかなくて…。
    小説ですから、楽しみましたが。

    いずみは、妊娠を隆一に告げてないようだけど、大丈夫なのかな?

  • 図書館で、表紙とタイトルに惹かれ借りてみました。
    伊藤たかみさん、初めてです。

    不倫のお話でしたが、嫌な感じがなかったです。
    むしろ、ちょっといいなと思った。
    余韻も良い感じで、読了後が好きな感じです。
    登場人物3人の気持ちが順番に書かれ進んでいくので
    とても読みやすいというのもありました。

    なかなか、好きな本でした。

  • カンランシャ

  • 女性誌CLASSYに2007年から2年間連載された作品の加筆修正。伊藤たかみさんお初。世間で辟易しつつある不倫モノ。背徳感と闘いつつも、Noと断れない男と女。他人のものを奪い、相手より自分の優位を確認したいだけじゃないのかと、思える男と女。こういう人たちがいるから不倫は存在する。登場人物各々の視点で話が推移して展開は流れるよう。ただ女性たちの心情の描き方が私は物足りず。心の中の葛藤がもう少し欲しかった。ファッション誌の連載なのでそこは納得。

  • 『 ふらち・・・・・・、』

    伊藤たかみはギブソンという作品から嫌いになったのだが、そろそろ嫌いを返上してもいいかもしれない。

    ただ気になったのは、技法としてあの書き方をするのならば、もっと効果的なネタを入れた方が良かったのではないか。ただ読み辛いだけ。

    書評は下品だし、テーマもよくある話だし、伊藤たかみってだけでハードル下がっているところがあるけれど。

    後半、雨の擬音をさああと表現しているのがすごく好きだった。映画は売れないから作らない方が良い。書評家が締めに!を使うのは作品を軽んじていると思う。本当に下品。

  • 16/05/01読了。ドラマになりそうな。CLASSYに連載していたらしく、納得

  • 複雑な三角関係、と思いきやきれいに型にはまったって感じの三角関係。読みやすかった。

  • W不倫だけど、それほどドロ沼劇ではないが…
    都合のいいおさまり加減が違和感あり。

  • 装丁の雰囲気で選んだ図書館本。一組の夫婦の不倫物語。登場人物が少なく、設定はかなりこってり。どろとろしているかなーと恐る恐るだった。
    それぞれの気持ちの襞がよく表現されているけれど、どこか冷静にも感じるのはそれぞれが大人だからなのか。愛のたまにある激情がある意味スパイスなのかもしれない。
    「人間が唯一失わないものがあるとすれば、それはきっと孤独だけだよ」は名言。だから恋をするのだろうと。思い出を重ねていく様子、街の風景が目に浮かぶような綺麗な物語でした。
    どことなく江國さんの雰囲気を感じる。
    結末はやや拍子抜けかもしれない。

  • 葛藤の描写が弱く、不倫や生死などの重たいテーマを扱う割に、さらりと読めてしまい、上滑りした感がある。
    いちばん描くべきなのは、夫に浮気され自分も不倫に走る妻のいずみの感情や思考の揺れだろう。しかし、そこがいまいちうまく表現されておらず、もやもやした。恋愛を現実に進行させるとは、この言葉では表現できない、決断もできない、決めかねる態度が実際なのだろう。しかし、小説家はそこを、曖昧なままにしてはいけない。きちんと言葉を紡いで切り込んでいかなければいけない。さいごに、「恋愛は決意の連続なのだといずみは思い出した」で締めくくられるのだが、ほんとに書くべきなのはその決意のやり方であり、そこで起こる葛藤ではないのだろうか。

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著者プロフィール

いとう・たかみ
1971年兵庫県生まれ。1995年、早稲田大学在学中に「助手席にて、グルグル・ダンスを踊って」で第32回文藝賞を受賞し作家デビュー。2000年『ミカ!』で、小学館児童出版文化賞、’06年『ぎぶそん』で坪田譲治文学賞受賞、「八月の路上に捨てる」で芥川賞受賞。主な作品に『ドライブイン蒲生』『誰かと暮らすということ』『 そのころ、白旗アパートでは』『秋田さんの卵』『ゆずこの形見』『あなたの空洞』など。

「2016年 『歌姫メイの秘密』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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