カッコウの卵は誰のもの

著者 :
  • 光文社
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感想 : 781
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  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334926946

感想・レビュー・書評

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  • 美しき凶器あたりからなんか涙腺やられるのが多いな(笑)これは学校で読み進めて泣いたっていう変な思い出がありまs…

  • 元トップスキーヤーのひとり娘は幼少の頃からスキーの才能を開花させアルペンスキーの新星として期待される選手にまでなっていた。
    スポーツ科学研究所では、スポーツの才能における遺伝子について研究をしており、親子間の遺伝子のパターンを比較したいとの依頼が来た。
    だが、遺伝子を調べられては困る理由があった。

    父娘の間の隠された過去がときほどかれていくなかで考えさせられるのは、カッコウの卵は、 託したカッコウのものなのか、託された親鳥のものなのか。
    卵自身のものであり、彼女自身がどう考えるか・・・

  • 19年前に、女児誘拐の新聞記事を残して自殺した妻。
    真実を隠し、娘の才能を必死に守ろうとした、元プロスキーヤーの話。

    複雑な人間関係がパズルのようにひとつずつはまっていくのは面白い。

  • ■ザックリあらすじ
    新生開発スポーツ科学研究所の柚木は、アスリートと遺伝子について深く調査研究し、未来のアスリート発掘に夢を馳せていた。
    その研究のため、スキーのオリンピック選手だった父と、その父の血を受け継ぎスキーヤーとして順調に成長している娘、緋田親子に近づく。
    しかし、父親の緋田には、遺伝子を調べられては困る秘密を持っていた・・・。

    ■サラッと感想
    緋田の秘密や、遺伝子と競技特性・・という興味ひかれる材料で、ドンドンとページが進みました。

    タイトルの「カッコウの卵は誰のもの」の卵が、風美であり、伸吾であった訳ですが、誰がどう育てたか、誰の遺伝子を受け継いだかに関わらず、結局卵は彼ら自身のもの・・・。
    彼ら自身の意思なくして、進むべき道を歩むことはできないのですから。
    そして上条文也も、親の気持ちを受け入れることができず、自ら道を選びます。

    緋田が風美のことを思う親心と、それに応える風美との関係が清々しく描かれている反面、上条親子の関係は、何か説明不足で解せなく、ちょっと無理のあるシナリオという印象・・・。

  • 普通に面白い。でも、東野さんでは物足りなさすぎる。謎が謎なだけにかなり結論が絞られる中で、さすがひとひねりふたひねりあったが、どうもきれいに話が収まりすぎてて、とても感動できる話にはならなかった。

  • よくあるような話。実は本当の子供じゃないとか、DNA鑑定とか。スポーツを絡めてあるからちょっとは読めた。

  • スキージャンプの世界で最年少天才少女の父には秘密があった。自分の子ではないという。

  • 事件の背景や内容はおもしろいが前半話が長い(遺伝子どうのこうの件など)のと、結末が想像できてしまうのがちょっと残念でした。
    現実的なのはいいんだけれど、もう少しファンタジックが入っている方が好きな私としては、星3つで。

  • 暑い夏に一気読み やはり東野作品。でももう一捻りほしかった。

  • 「カッコウの卵は誰のもの」
    一流スキーヤーの娘も一流なのか。父・緋田は娘・風美のスキーヤーとしての急速な成長に驚き、娘の更なる成長に情熱を燃やしていた。そんな親子に柚木という男が接近する。緋田は男の接近に困惑する中、さらにもう1人の男も現れ、父親としての決断を迫られる。


    テーマは「親と子をつなぐものは何か」であると感じました。物語の主人公(と思う)である緋田宏昌は一度に多くを知ることになります。それは自分の妻の秘密であり娘と自分の関係であり、そして娘の本当の父親の存在です。そんなことを一度に知りながらさらに事実を何も知らない柚木が遺伝子の面から自分と娘の血の繋がりの凄さを褒め、そして自分の研究に付き合って欲しいと言ってくる・・・。


    自分の娘ではないのに自分の娘だと評価される、そんな狭間に晒された1人の父親の苦悩が伝わってきます。しかし、苦悩以上に伝わることは「娘への愛」です。


    妻の秘密を知り、自分の娘ではないかも知れないと感じながらも娘の為に行動しようとする姿には親子には血筋は関係ないと感じました。またこの物語では後2人の親子が登場します。彼らは犯罪を犯してしまう立場にありますが、そこにあるものは愛です。


    また、読んだ感じとしてはオーソドックスなタイプに感じました。しかし、一番の肝である犯人とそして緋田の娘である風美の本当の母親は誰なのかに関しては2転3転する展開になっていますので、最後まで「どうなるんだ」という感じで引き込まれます。


    そして、犯人が去り際に言う台詞が「まさしく」というもの。


    犯人にも主人公にも「親とは子とは血とは」を考えさせられる。


    しかし、もとはと言えばあいつが悪いんですけどね。

  • 続きが気になってどんどん読み進められたけれど、もっとドキドキわくわくするものが好きなので、★3つ。東野圭吾さんの本の中ではサッパリした印象の話だった。

  • え。そんなオチ?(´;ω;`)

  •  売れる作家はさすがに違う。電車の中吊り広告二枚分を使って、この本の、そう、まさにこの本だけの広告がなされていたのは年明けすぐのことだった。年の暮れに『このミス』で『新参者』が1位に選ばれたばかりということもあるのかもしれない。とにかく今や飛ぶ鳥を落とす勢いで書き続けている東野圭吾だ。

     本書は、トップ・スキーヤーの娘がマスコミに露出し始めたことにより、同じくスキーヤーであった父親がその隠し通そうとしていた過去を脅かされるようになる。そのざわめきの原因となった初老の紳士が、スキーバスの爆発事故で死を遂げたところから、周辺がきな臭くなってゆく。

     そんなサスペンスが主軸ではあるものの、この作品を通して描かれているのは娘に対する父親の深い愛情である。常にそのあたりを外さずに物語るからこそ東野作品は世に遍く読まれるのだろうなと思う。

     札幌の親子を軸に、新潟からやって来て死亡した家族の風景が謎めいた形で影を落とす。その向うには骨髄移植のドナーを探す少年という現代的なテーマまで現われて、一つのミステリというよりは社会が抱える問題が個に及ぼす様々な葛藤にまで及んでいるところがやはり巧いところか。

     最後の最後までサスペンスよりも娘と父との家族愛のドラマを主軸に謎解きを絡ませて進んでゆくあたり、テレビドラマや映画になって秀逸なシーンを見せてくれるそんな時間が想像できる。これが売れる、作品なのだ、とさすがに思う。

     ある程度普遍的で、重すぎはせず、軽妙でありながら一気読みを強いるような語り口で引っ張る。保証されたミステリだ。

     北海道や雪のゲレンデを舞台にした作品でありながら、ぼくにはそれでも薄味に感じられた。親の愛情を主体に書いているだけに、二転三転する真相究明のドラマはともかく、事件そのものがさほどの凄みを持たないという、この作品唯一の欠点が最後まで全体を軽く纏めてしまったような印象なのかもしれない。小説としては、実に巧いのだけれどね。

  • 2012年6月

  • 面白かった。
    久しぶりに、一気に最後に読みたくなる本に出会えた。

  • 同僚の薦めで借りたもの。東野圭吾作品はだいぶ昔に「秘密」を読んで以来何故か敬遠していたが、悪くなかった。アルペンスキー選手を取り巻く事件―あまり興味のない題材を扱っているにもかかわらず話自体は無駄な引き伸ばしもなくテンポ良く謎が展開・解決していき、小気味よく読めた。人気作家なのも頷ける。他にも同氏の著書を頂いたので今度読んでみよう。

  • けっこうサックリ読める印象。安定の東野節でしょうか。最後の方の展開の意外性はなかなか思いつかなかった展開で入り込めましたけど、最終的な犯人については、そっち行くのかぁ・・・と。人間ドラマで十分面白さを感じていたので、最後の展開がなくややこしくない方向性でいってくれてもよかったなぁと感じました。でも、最終的に遺恨を残さない方向の締め方だとこっちかとも思う。

  • スキーの元日本代表の父と、同じくスキーヤーの娘。
    一見父の才能を受け継いだ娘に見えるが、実は父にはどうしても知られたくない秘密があり・・・

    意味深なタイトルがとても好きです。
    「托卵(たくらん)」の習性をもつカッコウと、本人が知らないうちに生みつけられた才能からこんなタイトルに。
    才能の遺伝をカッコウの卵とたとえるのは、わかりそうでわからない・・・
    でも上手だなぁ。

    全体的なストーリーは“好き”の部類に入るけれど、結末のバタバタ感と複雑な感じがすっきりしなくて残念。

  • 娘の活躍と成長を祈りながら読み進むことに。タイトルは改題したらしいが、改める必要なかった。

  • たくいまれな才能をもつ緋田風美。有能なスキープレイヤーの父宏昌との遺伝子に興味を持ち、研究を進める柚木。
    物語は風美の出生の秘密を軸に展開してゆく。

    緋田が海外遠征中に生れた風美は実は自分の子ではなかった!?

    苦悩の末、母親は自殺。関わる人々がそれぞれに間違いを起こしてしまう。

    最終的には緋田父娘とっては、ハッピーエンド??若干ご都合主義の内容が多くて「えっ~」て感じ。あきさせない内容はさすがですが・・・

  • これでよかったの?

  • 遺伝子、アルペンスキー、
    読み易く、辻褄が合ってる。

  • スキー元日本代表の父と、その娘の話。

    ひょんなことから、

    父は娘が自分の子ではないのではという可能性を知る・・・



    ミステリだけども、家族とは何か血縁とは何か。

    最後バタバタまとめた感じがあった。

    これも映像化されそうなお話ですね。

  • スキー選手父娘の絆がよかった
    最後はいまひとつな部分もあったが、全体的に読みやすい。

  • 話しの展開が気になって一気に読んだ。
    スポーツの能力は遺伝するんかな? その他の能力も遺伝するんやから、まぁそうなんやろな。それを会社に利用されるのは嫌だわ。

  • 真実を公にする事が善でない事もあるんだな。

  • 卵というのは、遺伝の話です。


    面白かったんですが、ある程度、展開を予想できてしまい
    その辺り、もうちょっと、という感じです。

  • やっぱり東野圭吾は読みやすくて好きなんだが、結末が複雑過ぎて非現実的なのが残念。

  • なんとかできなかったものでしょか
    そそられるキーワードはいくつもあるのに
    まさにスキーで頂上から一直線に降りてきた感じです

    物足りなさすぎました

    ただ、犯人と緋田とのやり取りには
    じんとくるものがありました。

  • 東野圭吾著「カッコウの卵は誰のもの」ですが、
    やっと図書館から届き、読み終わりました。
    東野圭吾さんは、読者をどきどきさせる問題設定がうまいと思います。
    今回は、「アルペンスキーの長期のヨーロッパ遠征中に生まれた娘。
    妻が自殺後、娘は順調に成長したが、ふとしたきっかけで、実は、妻が流産していて、
    娘の出生日に起こった新生児連れ去り事件の新聞記事の切り抜きを
    持っていたことを知った。」果たして、どうするのか?というもので、
    一気に読み終えてしまいました。
    最後少し??と思わなくもないですが、面白い作品だと思います。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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