カッコウの卵は誰のもの

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334926946

感想・レビュー・書評

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  • 親子の関係がテーマの話。血が繋がっていなければ、親子じゃないのか?血が繋がっていて秀でた才能があれば、その才能を伸ばす事を強要できるのか?結局は子供は親のものでもなく、子供の意思を尊重する事が大事だと思う。

  • 面白い事は面白かった。
    ただ、緋田(父)に感情移入できないというか、思考回路がよく分からない。
    20年一緒に暮らした娘への情よりも、罪の意識の方が勝ってしまうっていうのが…。
    いや、情は無い訳ではないのだろうけど、どうしてそう頑ななまでに『娘を実の親の元へ返す事』に拘るのだろうと、謎だった。
    私ならば、実の子として育てて来た子供が、実は血の繋がりのない、別の家庭の子供だったと分かったとしても、それまで一緒に暮らしてきて情の沸いた子供を、返す事が正しい事だと分かっていたとしても、すぐに納得できるものではない。
    なのに緋田(父)は、娘の実の父親(と思われる)が現れるとすぐに「返さなければ」というような考えでそちらへ突き進む。誤魔化そうとか、戦おうとかしない。その思考回路が不思議でならない。

    それでも、ストーリーは面白かった。次々と謎が現れ、いったい真実はどうだったんだろうと気になる。

    スキーの才能があり、スキーが好きな風美に対して、クロスカントリーの才能があるとスカウトされたものの、音楽への情熱が薄れず、嫌々クロスカントリーの練習を続ける伸吾。
    伸吾と風美との接点はほとんどないのに、なんでこの人がこんなに登場するんだろうと思っていたら、そういう繋がりになるのか、と終盤で納得。
    たぶん、伸吾の父親の克哉の、カッコウの托卵になぞらえたセリフを言わせたいが為の登場だったのかなぁと勘繰ってしまう。

    確かに、謎は全て解けて、きれいにまとめたけど、きれいにまとまり過ぎな気がする。
    そんなに物事がきっぱり、緋田(父)の良いように、風美が傷つく事のないように、きれいにまとまるもんか?と、思ってしまう。
    緋田(父)が娘に真実を語ろうと喋りかけた途中で、ちょうどよくメールが来て、真実を話さないで済む、という設定が、ありがちで、でも現実にはないよなーと思ったり、とか。
    だって、大事な事を話そうとしてる時に、たかがメールがきたくらいで、話を中断しないよー。
    あれだ、凶悪犯が主人公に銃口を向けた時に後ろから誰かの足音がしたから銃を下げる、みたいな。
    いや、そこは撃ってから逃げりゃいいじゃん、みたいな。

    まぁ、小説なんだし、そこは『様式美』みたいなもんなのかなぁ。

    でも、なんとなくすっきりしない。
    もうちょっとうまいまとめ方があったんじゃないのかと、東野さんならもうちょっと出来たんじゃないかとか思ってしまう。

  • 小雪が舞い散る時期に季節感を感じながら読了させてもらった。
    スキーの元日本代表 緋田には、同じく優秀な才能を持った娘、風美がいる。
    研究者は、優れたスキーヤーの二人の遺伝子パターンを調べさせてほしいと・・・。
    東野氏の得意分野だねとタイトルから予想し、あれこれ思いながらもグイグイ一気に引き込まれるのは、いつもながら流石と感心、感動。
    しかし、母親の智代の自殺など少し不自然に思えたが、父親緋田と一緒に最後までハラハラさせられて、ある意味楽しめたかな。
    カッコウの托卵がタイトルになっていたのですね。

  • 東野圭吾の作品としては
    正直、イマイチ。

    盛り上がりに欠けてたなぁ。

  • 家族の絆、才能がテーマですが、思っていたよりあっさりとしていました。
    でも最後は感動しました。

  • 誰の子供?中盤まで判りません。
    人の心の葛藤が描かれています。犯人の動機が少し弱くて、終わりがスッキリし過ぎかな?

  • いつもながら、読み応えあり、悩ましい内容です。

  • 読み始めて、
    すぐに世界にひきこまれる。
    ほんと、魔力だと思う。
    あっという間に読み終えてしまった。
    価値観の相違、そこをうめるのは会話である。
    どんなに忙しくても、話せる状況ではなくても、
    話そう。

  • ドラマとか映画用に書いたのかなと思う作品でした。

  • かつての日本代表スキーヤー、緋田。
    彼が引退した今、一人娘の風美が彼と同じ道を歩んでいた。

    風美の優れた能力は、やはり父から受け継いだ才能か。
    カエルの子はカエル一一。

    しかし緋田は知っていた。
    ヨーロッパ遠征で立ち会えなかった娘の誕生。
    2歳の風美を遺して自殺した妻が、本当はあのとき流産していたことを。風美が自分の娘でも妻の娘でもないことを一一。

    ***
    読者を序盤からぐいぐい引っ張ってゆく"読ませる"力。この作者の持ち味ですね。今回もほとんど止まることなく一気に読んでしまいました。
    内容としては最後、ささっと簡単な感じにまとめられてしまったのが少し残念。でも個人的には結構はらはらして面白かったです。

  • 柚木が結構いい人で途中の緋田とのやり取りがとても読み応えがあった。娘のためと必死に悩む父親の姿も素敵だった。
    最後は心が温まる終わり方をした。設定自体は面白かったが、最後の方があっさり終わってしまったのがもったいない気もした。

  • 東野作品の中では、イマイチだったような…

  • まさかの真犯人・・。
    タイトルの意味がしっくりきた。

  • ■真実の判明のタイミングがちょうどいいね。途中くらいまでだいたいわかるけどそういう真実だったとは。才能と自分の興味がイコールでないという苦しさとかね。
    割とまだキレイな話ですね。真実もはっきりわかってさっぱりしてる感じでした。

  • 前半は謎にどんどん引きこまれるが、後半尻すぼみな感じ。

  •  え?
     あおり文句のとおりの展開か?

     ……いや、偽りはないんだろうが、なんというか。
     ヒロインの影が薄すぎるのはいいんだろうか。あまりにも出ないので不安になった。実は読みどころ間違えてる?

  • まぁまぁかな。ラストは予想外と言えばそうだけど、皆が皆贖罪として自殺したゃうのはいただけないなぁ。

    緋田宏昌はオリンピックにも出場したことのあるスキーヤーだ。彼の娘もまたスキーの才能を開花しはじめていた。
    そこに才能は遺伝するのかという研究をしている柚木が二人の遺伝子を調べさせて欲しいと話をもちかけてきた。
    しかし彼と娘は実は血が繋がっていないので、引き受ける訳にはいかない。
    その真実を調べるうちに脅迫状がでてきたり、怪我人が出たりして事態は混乱する。そんな時、唯一真実を知る娘の本当の父親上条が死んでしまう。
    そのことで事態は大きく動く。真犯人が名乗り出るのと、彼の息子がすべての罪を引き受け服毒自殺する。これで緋田親子は被害者であり、息子の意志を継ぎ娘に本当のことを告げることなく親子でいようとする。そうたくらんされたカッコウの雛には何の罪もないのだと。

  • 今年一冊目は東野圭吾の小説から。
    クライマックスへの盛り上げはさすがだが、真犯人に繋げるオチがいまいちだったように思う。

    スポーツの才能を定義するのは遺伝子だ、というどっかの作品にも見たような話から始まるのだが、結局才能が人を苦しめる事もある。やはり人はやりたい事をやるべきだ、という当たり前な結論になっているが。

    正直その悩みは自分には分からないし、結局悩みなんてものはその人の持つ力に比例して大きくなるものだから。

  • あっと言う間に読み切った

  • これは残念ながら駄作かな。ギター好きの男の子がどう絡むのか、興味があってグイグイ読み進めたけど、意外な結末…。意外過ぎて強引な感じが否めず、失敗です。
    さすがにストーリーテラーの東野圭吾さん、並の作家より読ませるけど、この作品はお薦めしません。

  • 新進のプロスキーヤーの出生をめぐるサスペンス。

    オチがやや弱い感じもするが、展開はさすがで一気に読ませられました。

    ちょっと厳しいけど★3つで

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    親子の愛情に、揺さぶりがかけられる。覚悟を決めた父親は、試練にどう立ち向かうのか。父と娘、親子二代続けてのトップスキーヤー。娘の所属チームの研究者は、二人の遺伝子パターンを調べさせてほしいと考える。しかし、了承するわけにはいかない。父には、どうしても知られたくない秘密があった。娘が生まれた19年前からの忌まわしい秘密が。

    感想
    かなり凝ったストーリーだが、驚き感があまりなかった。東野作品の「大どんでん返し」をいつも期待するのは酷かもしれません?

  • 東野さんの小説の中では平均の面白さと思いました。
    殺す、殺されるのスリル感が少ないのかな?
    でもストーリ構成はさすがと思いました。

  • ミステリーとしては、面白かったです。

    さすが東野さん、といったところですね。

    でも、物語性というか、ストーリーに心に残るものを求める人には向かないかもしれません。

    あくまで、謎解きを楽しむ、といった印象です。

  • 8割ぐらいまでは、とても面白く興味深く読み進みました。
    が、とにかく、話しの落ちというかまとめというか、
    ラストが……でした。

    特に「母親がなぜ自殺したか」がさっぱりわからず、
    動機も犯人もイマイチ納得しづらい感じが残りました。
    やっつけ仕事という感じが否めません。

    初期に非常に良い作品が何作もあった作家さんというイメージが
    私の中で強いものですから、期待を裏切られた感じがしました。

  • ”遺伝子の、ある組み合わせ「Fパターン」「Bパターン」を持つ人間は運動能力が高い・・・これは遺伝する”

    出生の秘密
    努力はムダ?才能(遺伝子)がイチバン?
    無限の可能性?遺伝子に縛られた才能?夢?

    悪人はいない
    誰かが誰かのために行動をして
    もつれてしまった

    物悲しさの漂うハッピーエンド

  • 2012/11/26
    移動中

  • 読み物としては先が気になる作品だけど、かなり物足りなさが残る。真犯人もそうだし、実行犯も…。

  • 一気に読ませる文章力、構成力は本当にお見事。わかりやすさを徹底してる文章だと思う。特に心理描写。
    話としては、?、が残るような点が多かったのでイマイチ。登場人物たちの行動に少し無理があるような。偶然が手伝ったり、ご都合主義が見えるようだったので、あまり好きではない。感動とか思索を誘うような深さもなかった。
    レビュー登録日 : 2012年05月10日

  • 終盤でタイトルの意味が分かる。この父娘はこのあとどうなるのかな?ずっと今の関係を続けていくのかな?という疑問が残る終わり方だった。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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