- Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334927172
感想・レビュー・書評
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2月10日~11日
悲しいこと、辛いこと、腹立たしいこと…。現象に揺さぶられずに人としての喜びに生き、おおらかに歩める「おとなの心」。その「宝探し」を、四人の男女の胸躍る道程に描く。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
心がホッとしました。
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著者のエッセイ
「ひとたびはポプラに臥す」
でのシルクロードの風景が印象的に使われている。
自分はどう生きるのか、
どうありたいのか、
などを間接的に訴えてくる。
著者の作品はいつもこう感じさせてくれるが、
こういう骨太の物語は、最近少ないように思う。 -
桜の木の下にメープルリーフ金貨三千枚を埋めた。場所は和歌山県。
みつけたら、あんたにあげるよ。と、見も知らぬ男から、
病院の談話室で斉木光生は、話を聞いた。
銀座の行きつけのショット・バー「MUROY」のオーナーである
元看護師・室井沙都からその男に関する調査会社の報告書が
斉木に手渡され金貨探しを持ちかけられるのである。
間宮という先輩に誘われ文具販売会社を立ち上げた川岸、宇津木
そして、斉木を称してマミヤの三銃士と呼ばれてる面々と
宝探しが、はじまるのであるが、何やら胡散臭い、ダーティーな
金融業者の影が見え隠れし、腰が引ける斉木たち。
調査報告書を基に男の過去を紐解くなかで
芹沢という男のあまりにも薄倖な過去が浮き彫りになる。
彼は、自ら受けた境遇を図らずも1人の女性に同様の人生を強いてしまうという
人間の持つ業というものを感ぜずにはいられない。
目印は、大きな鐘のある山寺。背後には檜の植林山。
近くに製材所。そして、桜の古木。
果たして、彼らは一億円相当の金貨を探し当てることができるのであろうか?
特別休暇を与えられた斉木は、二週間のシルクロードの旅を回想し
沙都とその姪に語る箇所がある。
かつては独立した王国だったというフンザ。ホテルの電気を消し
漆黒の闇に煌めく星々。石と土で造られた小さな民家の明かりも
星々であるかのような錯覚に陥った
さらに、目を凝らすと人工衛星が肉眼で見え、
消滅していく幾つもの流れ星☆彡など描写されていく。
読んでいるとシルクロードに行ってみたくなるような心持ちになってくる。
もう、金貨なっていらない!と、ね。
でも、目の前に金貨ではないにしろ札束ポーンと置かれたら
やっぱ目が眩んでしまうよな。人間だもの(笑)
ということで、主人公たちの20年後って、一体どんな人生を
歩んでいるのだろうか。是非見てみたい気がする。
そんなロマンに満ち溢れたとても深い物語だと思う。 -
おもしろかった。大満足
これだから宮本輝さん好きなのよ