ダリアの笑顔

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334927196

作品紹介・あらすじ

自信満々の別の自分を空想する長女・真美。友人たちと揺れる40代を惑う母・春子。転校生にピッチャーの座を奪われそうな長男・健介。係長なのに全然やる気の出ない父・明弘。四人家族の綿貫さんち、それぞれの悩みや不安の日々から生まれる、ささやかだけれど大切なもの。どこか懐かしくて元気が出る、あなたと同じ普通の家族の光り輝く物語。

感想・レビュー・書評

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  • 家族各々の目線で語られていて、さくさく読めた。

    真美の章で、母親が書いてくれた育児日記を読んで、自分がいかに大切に育てられてきたかっていうのを知るっていい話なんだけど、それを見つけたのが資源ごみの中っていうのがすごく引っ掛かった。そしてそれをまた机の上に戻しておいて、その後どうなるんだろうって思ってたけど、最後までそこには触れられず。まぁ、真美自身が前向きになれたなら良いけど、私だったらちょっとショックかなと。

  • 4人家族の日常の一コマ。
    とっても読みやすかった(^-^)

  • 初めましての作家さん
    一つの家族のそれぞれの物語り。
    それぞれにそれぞれの想いがあり、一人の人間である。
    そのうえでの共同体としての家族。
    つかず離れず。
    みんな完璧じゃない。
    そんな当たり前が当たり前にすぎていく日常。

  • サクサク読めました。四人家族それぞれの日常のちょっとした出来事があたたか目線で描かれています。一つひっかかったのが表題作で、長女真美が母の書いた自分の育児日記を廃品回収の中から見つけるというところ。真美はそれを読んで母の愛情を確認し、救われるのでいいんですが、思い出の詰まっているであろう育児日記をあっさり捨てるなんて…。真美が成人するまで置いといてほしかったぞ!と思いました。

  • 2011.3.22 初読 市立図書館

    ものすごく読みやすくて、一晩で読んでしまった。

    四人の中で一番、春子(母親・40代)の気持ちがわかる気がして、
    私ももう若くない(とっくに子どもじゃない)んだなと思った。

  • どこにでもいるような普通の家族のお話。特に変わった出来事があるわけでもない、誰にでもあるような日常。お父さん、お母さん、お姉ちゃんと弟、ひとりひとりの物語。こういう緩やかな優しいお話、けっこう好き。

  • 日常は様々なストレスの連続。
    子どもは子どもなりの、
    大人は大人だからこその。

    でも、それらのストレスを乗り越えながら、
    日常を紡いでいく。

    うちの家族も似たような感じだったなと、しみじみ。

  • 椰月さんらしい日常ほのぼの。

  • ( ॑˘ ॑ ) ⁾⁾

  • 椰月先生お得意の日常の一幕もの

  • おとなしくて両親の諍いや母親の不機嫌につい萎縮してしまう姉、子どもっぽく身勝手さが残るが悪意はない母親、まっすぐで陽気でシャイな面もある弟、妻に頭が上がらず日常にやや倦んでいる父親・・・・どこかにいそうなありふれた一家のそれぞれを主人公にした連作短編集だ。

    家族というものは、ひとまとめに乱暴にくくってしまいがちだけれども、個人の集合体であり、それぞれに思惑があり、だから各々が勝手なことを考えていて、でも集まって暮らして家族なんだなぁ、という当たり前のことを思った。

  • 小節ごとに主人公の家族が変わる。サラサラと読み進められた。

  • 特によかったのが表題作でもある『ダリアの笑顔』。
    小学生の女子のココロ、こんな感じだったなあ、と懐かしい。育児日記も泣かせるし。
    元気なのに見ることろはきっちり見ている弟クン、リトルリーグの人間関係の描き方が上手い。
    この一家のその後も見てみたい気になる。

  • 2014.1.12読了。綿貫家四人家族。真美、健介、母春子父明弘それぞれノ目から描いた4つの短編集。ダリアの笑顔って素敵な表現だなあって思った。以前読んだルリ姉とよく似た構成だった。

  • 4人家族のそれぞれの視線から描いた短編集。
    同じ出来事でも、家族でもそれぞれ違いようにとらえていることが分かって面白い。それぞれが日常を乗り越えるのに精いっぱいな感じが、わかるなーという気持ちと、みな同じなんだと安心する気持ちで、なんとなくほっとする。

  • 「綿貫さんち」は四人家族。「明るく笑うもう一人の自分」を空想する長女・真美。主婦業と仕事をこなしながら、揺れる40代を惑う母・春子。転校生の女子に投手の座を奪われそうな長男・健介。経理課係長の仕事に疲れ、うつ病を心配する父・明弘。どこにでもいそうな家族が、悩みを抱えながらお互いを支え合う日常を、それぞれの視点から描いた小さな宝石のような物語。
    -------------------
    椰月さんらしい、ほんわかしか家族のお話し、
    空気感が好き!

  • 家族って、いいな。
    家族だからって以心伝心できるわけじゃない。
    何を考えているのかわからない部分も多々ある。
    それでも、一つ屋根の下に集まる家族という人間関係は、かけがえのないものなんだ。

  • 最近、椰月さんにハマってます。

    アラフォー、小中高の子どもたち、フルタイムの仕事、同じような立場なので共感できる部分も多く、自分の言動に反省もしつつ…楽しく読了!

  • 従順でおとなしい娘の真美は、ぎくしゃくする家族に不安を抱えながらも、明るくて笑顔が眩しいクラスメートに得意の毛糸を教えながら自信をつけていく。

    マイホームを手に入れるために働いて、余裕のある仕事に落ち着いた母、春子が密かにハーゲンダッツを食べるのを楽しみにし、同級生たちと今を楽しむ日常。

    野球一筋の息子、健介のクラスにやってきた転校生は変わり者だけど、野球を通じて徐々に打ち解けていき、念願だった犬を飼うことが実現した。

    繊維会社に勤める父の明弘は、偶然見つけたインラインスケートを趣味にするべく準備を進めながら、会社での小さなゴタゴタを無難にこなしていく日々。

    家族の話。ぎくしゃくしたときを乗り越えて、平凡ながらも幸せな生活を送る家族。
    読みやすい。あー、ハーゲンダッツ食べたくなった)^o^(

  • 4人家族それぞれの視点から、時間軸をずらして書いてあるところもいい。
    正直ヒステリー気味の母親はあまり好きではなかったが、物語が進んで子供たちが元気に成長していく姿をみると、あぁいうのもアリなんだろうと思った。元気な弟君が一番良かった。

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著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。2002年、第42回講談社児童文学新人賞を受賞した『十二歳』でデビュー。07年『しずかな日々』で第45回野間児童文芸賞、08年第23回坪田譲治文学賞、17年『明日の食卓』で第3回神奈川県本大賞、20年『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』で第69回小学館児童出版文化賞を受賞。『明日の食卓』は21年映画化。その他の著書に『消えてなくなっても』『純喫茶パオーン』『ぼくたちの答え』『さしすせその女たち』などがある。

「2021年 『つながりの蔵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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