世界でいちばん長い写真

著者 :
  • 光文社
3.45
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本棚登録 : 610
レビュー : 133
  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334927233

作品紹介・あらすじ

親友の洋輔が転校してしまい、宏伸は元気がない。クラスでも冴えないし、クラブ活動の写真部でも、部長の三好にきつくあたられる。そんなある日、宏伸は不思議なカメラと出合う。それは、長い、長〜い写真が撮れるカメラだった…。

感想・レビュー・書評

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  • 360度パノラマ写真の中で、いちめんに咲き誇るひまわり。
    思わず、見せて見せて!と駆け寄りたくなってしまいます。

    幼いころからずっと一緒だった親友が遠くに引っ越して以来
    何をするにも気分が乗らず、沈みがちな中学生の宏伸。
    リサイクルショップを営む祖父の店で見つけたヘンテコな物体が
    手作りの360度パノラマ写真撮影用カメラだと知ったとたん、
    眠っていた写真部員の血が騒ぎ始めるあたりが、いかにも中学生らしくて可愛い♪

    突然カメラを持って飛び込んできた宏伸に、カメラの仕組みを丁寧にレクチャーし
    初撮影のためのフィルムまでプレゼントし、現像にも工夫を凝らしてくれる写真屋の店長や
    ギャンブルが大好きで、美人なのに容姿を磨くことには全く無頓着なわりに
    宏伸に元気がないと見ると、たこ焼きを大量に焼いて食べさせたり
    夕陽の中のひまわりも撮影したいと言われれば、丸一日撮影につきあう
    従姉妹のあっちゃんなど
    宏伸を後押ししてくれるひとたちの心遣いも温かくて。

    これをきっかけに、卒業記念イベントとして、全校生徒参加の
    世界でいちばん長いパノラマ写真撮影会の実行委員長に抜擢され
    目を白黒させながらも大役を果たそうと頑張る宏伸を
    いつのまにか、あっちゃんや写真部のみんなと一緒になって応援している私。

    何周もぐるぐる回るカメラに合わせ、部活ごとに趣向を凝らして
    次にカメラが回ってくる瞬間までに大慌てでポーズを変える中学生たちの姿は
    写真自体もそうだけれど、そのドタバタも含めて、動く映像で見てみたいなぁ!
    特に、アニ研の、遠くからひとコマごとに近づいてくる、ハリボテのガンダム♪
    (しかも途中で力尽きて壊れるところが、また素敵☆)

    気の強い女子たちにお尻を叩かれながら奮闘する中学生男子の
    一生懸命さが可愛くて、爽やかな1冊です。

    • 円軌道の外さん

      しかし誉田さんって
      幅広いっスよね〜(笑)

      武士道の時は
      女子高生が主人公〜!?ってビックリしたけど(笑)、
      今度は中学生...

      しかし誉田さんって
      幅広いっスよね〜(笑)

      武士道の時は
      女子高生が主人公〜!?ってビックリしたけど(笑)、
      今度は中学生の男の子なんですね(^O^)


      自分も上手くはないし
      高いカメラ持ってるわけじゃないけど、昔から写真が好きで

      いつも野良にゃんこの尻尾追いかけてます(笑)


      爽やかな青春ものは
      なんやかんや言っても
      毎回うるうるきちゃうし(笑)

      まろんさんの詳細なレビューが
      読書心を疼かせるし(笑)、

      コレは間違いなく
      読みたいリスト入り決定ですね(^_^)v


      あっ、ずっと文庫派だったけど
      最近は近くに図書館を発見したんで(笑)
      かなり助かってます♪


      2012/12/01
    • まろんさん
      ほんとに幅広く書ける方ですね~!

      私は臆病者なので、誉田さんのハードボイルドな作品の方には挑戦できないので
      (ドラマの『ストロベリー・ナイ...
      ほんとに幅広く書ける方ですね~!

      私は臆病者なので、誉田さんのハードボイルドな作品の方には挑戦できないので
      (ドラマの『ストロベリー・ナイト』の、苺の中でいろんな目が瞬きしてる映像を見てしまってから
      しばらく悪夢にうなされました。。。)
      武士道シリーズとか、こういう青春路線作品を心待ちにしてます。

      円軌道の外さんの撮る野良にゃんこの写真!
      きっとにゃんこたちへの愛があふれてるんだろうなぁ。。。見られたらいいのに♪

      図書館を発見されたとのこと、
      素敵なレビューがますますたくさん読めそうでうれしいです(*'-')フフ♪
      でも、病み上がりなんですから、くれぐれも無理のない範囲で書いてくださいね~。
      2012/12/02
  • グロい警察ものを書く人の作品とは思えないほど爽やかで清々しい。カメラに詳しければもっと感動が強いと思うが素人でも十分楽しめる!

  • 青春。みんなで何かを成し遂げるって、いいなぁ!と素直に思えました。しかも全校生徒でギネスへの挑戦。実話ではないけれど、実際にこういう体験をした子供たちはどこかにいるわけで、一生の思い出になっただろうな、と思います。

    時々デスマス調になる主人公の一人ツッコミが、気弱で殊勝で面白い。

  • 世界一長い写真を撮る話。
    青春だなー。
    宏伸がちょっとずつ成長していく様子とか、あっちゃんの強烈なキャラがいい。
    360℃ぐるっと笑顔って、想像しただけで笑顔になれるな。

  • ふーんって思いながらも、これが青春だったような甘酸っぱさを覚える作品。
    教室片隅系の主人公が少しずつ変化していく情景がリアルで、
    ストーリーよりも主人公の成長を温かく見守ってしまう。
    ちょっと最後、小鳥の巣立ちを見たような気がした。

    意外でした。

  •  タイトルそのままの「世界でいちばん長い写真」を作るだけの小説なんだが、この本のいいところは、ずばり、主人公が中学生の男の子であるというところだ。もちろん「世界でいちばん長い写真」のギネス認定を受けている人はいるんだそうだ。その事実をもとに、作者は、中学生を主人公にした青春小説を書こうと決めたみたいだ。そうして、『武士道シックスティーン』に始まる武士道三部作という女子小説とは一味違った男子の方の物語も書こうとトライしたのだと思う。

     そのトライはいい意味でとても成功していて、やっぱり想像力に長けている、小説家という職業は、女のことであれ男の子であれその世代その時代のヒューマンな心の機微というところにかけては、やっぱり優れた表現力を持っている、としか言いようがないのだ。

     本書では、気の弱い男の子が主人公だけど、彼を取り巻く友達たちも含め、とても強い女の人が印象的に出てくる。いわば『武士道』シリーズの磯山香織みたいに男っぽいおなごである。最後の最後まで格好いい大人の女でありながら、思いもかけぬ人物との間に知らぬ間に恋が芽生えていたらしく、そうして彼女にも女の人という一面が出てくるあたり、中学生のピュアハートから見る狭苦しい視野にはちょっとしたドキドキだったろうと思われる。

     そんなデリケートでマイクロでナノなシーンが連続するところが青春小説やヤングアダルトの読みどころ。大人だったら見過ごしてしまったり、適当に自信過剰でやり過ごしたりする部分をピュアに受けちゃうのが青春であり、新しい経験がいちいち心を荒々しく踏んづけて行ったりするのが少年時代なのである。だからぼくは青春小説を読むのがやめられないんだ。

  • ストロベリーナイトやジウシリーズなど、殺人描写がエグさに定評がある誉田哲也による青春小説。今まで、誉田作品はほとんど警察・推理物しか読んでこなかったから、人が死なないやつ読むの初めて(笑)
    【あらすじ】仲の良かった幼馴染が引っ越しをしてから、ほとんど笑うことがなかった主人公がある日、巨大で一風変わったカメラに出会う。

    ホント、誉田作品って読後感たまんないよね。もちろん、警察物と今回のような青春物では読後感の種類違うけど。久々の☆5つです!

  • 東京出張往復の道中でほぼ読了。ほぼ、になったのは、今日の出張にはこれ一冊しか持って行かなかったので、活字中毒のわたしは、読み終わるのを途中で意図的にやめたのでした。ほんとなら、帰りの名鉄線岩倉あたりで読了してました。まあ、いいたのは、それくらいこの作品は面白くてイッキに読めた、ということ。ここのところかなり寝不足気味で、電車で座って本を読んでると間違いなく居眠りしてるのだけど、今日はそれがなかったし。これ、おすすめです!んで、表紙は、おとうさんと犬がしんぢゃうマンガの表紙に似ている。 あっ、そうかひまわりね、そうね。読んだらわかる!すまんこってした。

  • 近著の作品がやや疑問の残る作品だったり、読後の
    爽快感がイマイチだったりした誉田さんでしたが、
    今作は「武士道~」シリーズが好きな方も安心、納得の
    ほのぼのした青春小説。「武士道」と違って主人公は
    ちょっとぼんやりした中3男子。でもこの子がいいんですよ。
    結構ユーモアセンスもあって、意外と芯も強くて、何気に
    周りを巻き込める秘めた力を持った隠れた出来る子。
    そして何より、楽しそうなの笑顔が大好きなんだよね。
    単なるぼんやり君じゃないのです。

    武士道のように清らかで強い青春だけじゃない。
    こういった少し緩~いのもまた青春。むしろリアル。
    ジワっとくるあったかい、誉田作品の新境地です。

  • 何事も受け身で地味な少年が360度パノラマ写真が撮れるグレートタミヤに出会う。
    その出会いによって劇的にその主人公・宏伸が変わる訳じゃない。ただほんの少し変わる物語。
    ギネスに挑戦する写真も撮影者はあくまでも松本さんで宏伸たち自身はあくまでも松本さんのお手伝いというか協力者という立場。
    劇的で感動的に成長しないのがちょっと現実的。
    だけど淡々と進む中で確実に変わって行く宏伸。
    従姉のあっちゃん、じいちゃんが良いキャラ。
    宏伸が撮影したひまわりの写真が見てみたい。
    特にお気に入りの夕方の写真。
    今はデジカメが主流だけどフィルムのカメラも良いよね。
    最近手に取ってないけどふとフィルムのカメラで撮影したくなった。

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著者プロフィール

誉田 哲也(ほんだ てつや)
1969年、東京都生まれの小説家。学習院中・高等科を経て学習院大学経済学部経営学科卒業。卒業後にミュージシャンを目指していたが、椎名林檎の存在で断念。格闘技ライターを経て作家活動に入る。
2002年、『妖(あやかし)の華』でムー伝奇ノベル大賞優秀賞を獲得しデビュー。2003年『アクセス』でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞。
代表作は、映画化もされた『武士道シックスティーン』に始まる「武士道」シリーズ。姫川玲子シリーズの『ストロベリーナイト』はドラマ化・映画化された。ほか、『ジウ』シリーズ、魚住久江シリーズ『ドルチェ』『ドンナ ビアンカ』や、『ケモノの城』『プラージュ』などがある。

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