刀圭

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 82
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334927301

作品紹介・あらすじ

井坂圭吾は長崎帰りの若き町医者。亡き父の教えに従い、貧しい町人たちを安く、時に無償で治療していた。ところが、懇意にしていた薬種問屋の若旦那・生三郎と言い合いになり、援助を打ち切られてしまう。圭吾の診療を手伝っていたタキは、新たな援助先を頼るが、そこには思いも寄らぬ因縁があった…。期待の新鋭が精魂こめて描き上げた、傑作時代長編。

感想・レビュー・書評

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  • あの子は伊坂先生と似ているところがあるから心配でねぇ。

  • 2018/8/9
    自分のことなど顧みず人のために尽くす感動的な医者の話かと思いきや、先生ダメでいい。
    頭固くて裏の気持ちがわからないし融通も利かないとか、カチカチだからすぐ折れちゃっておタキちゃんのヒモ化とか、なかなか珍しいタイプのキャラクター。
    若旦那がめっちゃ素敵。長生きして。

  • この人の作品は、初めて。読みやすいので、続けて読んでみようと思う。

  • テーマも分かりやすく、サクサクと読みやすかったです。
    理想と現実の落差に心が折れる
    助けてくれるものが回りにちゃんと居てくれる
    感謝しないといけないね!

  • 文体や話の運びは読みやすいのだが、いかんせん主人公が頭でっかちの世間知らず頑固坊ちゃんすぎて、読んでいてイライラしてしまうことの方が多く、あまり楽しめなかった。主人公の成長物と読めば、成長前の主人公に欠点が多いのは仕方ないのだが、その欠点が人物的な魅力を掻き消してしまっていて、全く共感もできなければ魅力も感じない主人公になってしまっているのが残念。脇役に魅力的な人物が多いので、そちらの魅力で読み進められた感じ。

  • 貧乏にばかりを相手に看る。時には無償で。だがそれが思わぬ方向に…

    長編もいいな!
    はやく結婚すればいいのに、と思いながら(笑)
    辛い時期がちょっと長いので、読後感がたまらない。

  • 刀圭とは、薬を調合する匙のこと。

    『ゆるぎない「圭」となれ。』

    本の装丁に惹かれて、手に取った1冊。
    読んでみたら、面白かった。
    (途中)

  • 刀圭とは、薬を調合する匙のことを指し、翻って医術、または医師を示す言葉だ。
    長崎で蘭学を学び、江戸に戻ってきた圭吾は、父親の遺志を継いで貧乏人のための医者として、長屋で開業をする。
    強い正義感を胸に抱いていた圭吾だったが、融通の利かなさや頑迷さが災いし、やがて自分の存在意義を見失ってしまう。
    医療従事者が負荷を抱えていることをテーマにした小説は、ドラマ化もされた『神様のカルテ』や海堂尊のシリーズものなどで最近よく出てきているが、それの時代物版といったところ。
    いい話ではあるのだけれど、あえて時代設定を江戸とした意味が感じられず、なんとなく設定と物語がうまく合致していない印象を受けた。

  • 井坂圭吾は長崎帰りの若き町医者。亡き父の教えに従い、貧しい町人たちを安く、時に無償で治療していた。ところが、懇意にしていた薬種問屋の若旦那・生三郎と言い合いになり、援助を打ち切られてしまう。圭吾の診療を手伝っていたタキは、新たな援助先を頼るが、そこには思いも寄らぬ因縁があった…。期待の新鋭が精魂こめて描き上げた、傑作時代長編(「BOOK」データベースより)

    今回の作品が、初長編にして初単行本デビューだそう。
    とてもそうは思えないほど、中身はしっかりしています。
    読み始めてから、ぐいぐい引き込まれる感じ。
    読者を引きつけてやまない何かを持っている新人さんだと思いました。
    キャラクターも一人ひとりが魅力的。
    女性の書き方が特にうまいですね。
    芯がしっかり通った、けれど情も持ち合わせている素敵な女性がたくさん出てきます。
    男性はそれに比べると、やや悩みすぎ?
    井坂の父が身を持ち崩した意味がもっと他にあるのかと思っていたら、結構ストレートな悩みが元だったというのがややがっがりではあったのですが、そこまで突っ込まなくてもいいのかもしれませんね。
    ちなみに表紙のイラスト、あさのあつこさんの『火群のごとく』に似てるなぁ。
    と思ったらやっぱり同じイラストレーターさん(柴田純与さん)でした。
    涼やかなイメージで、井坂のイメージにぴったりですね♪

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著者プロフィール

早稲田大学教育学部(講談社文庫初期の傑作『古典落語』を編んだ興津要のゼミ)卒業。横浜在住。2007年、第2回小説NON短編時代小説賞で「寝姿指南」が最終候補になり、08年、「素見」で小説宝石新人賞を受賞。若き町医者を描いた初長編『刀圭』と、受賞作を含む短編集『ひやかし』が好評を集める。祥伝社文庫既刊に『江戸の茶碗』『酒が仇と思えども』。著書に「着物始末暦」「大江戸少女カゲキ団」シリーズ、『うき世櫛』『御徒の女』『神奈川宿 雷屋』などがある。

「2022年 『吉原と外』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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