- Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334927400
感想・レビュー・書評
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仕切り直しの1冊だけあってまほろ節はかなり抑え気味。導き出した公理から論理を組み合げてゆく独特のスタイルも鳴りを潜め、純粋な超正統派新本格といった風合い。これはこれでよく出来ているのだけど、求めていたものとは少し違うかな。
とはいえ、いままで人に勧めにくかった古野まほろの入門本とするには打ってつけです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
雪山、山荘、密室、マザーグース、ダイイング・メッセージ、見立て人形、そして読者の挑戦状…本格のガジェットをふんだんに詰め込んだ魅力的な作品です。
しかし、動機やメイントリック、ダイイング・メッセージに突っ込みどころが多く、納得出来ませんでした。
九領明殺しの謎解きは非常に秀逸で読み応えがありましたが、全体的に良く出来ているとは思えず、玉石混淆な印象でした。 -
順番的にはそろそろ天帝シリーズの続きにとりかかりたいところなんだけれども、どうにも勿体なくて、こちらに先に手をつけることに。
薄い…
まほろ分が…薄い……!
もはやこの程度では禁断症状が出てしまう。もっとルビを!もっとはふうを!
まあ、館の描写なんかでの衒学っぽさはいかにもまほろだなあと思って読んでいたんですが。
今までに比べてかなり読みやすくなってるし、『鳳翔』の裏表紙にも書いてあるように自分は結構文章力あるなあと思って読んでいたんですが、ここだと結構ボロカスですね。ふむ…。
次は何読もうかなあ。 -
密室、雪山、見立て、童謡、そして探偵、読者への挑戦状。
本格のガジェットを弾丸のようにブチ込みながらそれを本格ミステリから一歩も二歩も離れたところに当ててくる。ある意味すごい。
地の文が気持ち悪くて、ちょっと読むのに苦労した。あと、「と、あたし。」なんていう語り手は基本的に嫌いだ。
しかしこの気持ち悪さ、落ち着かなさがもしかしたら群衆を惹きつけるのかもしれない。
どうしてイエ先輩はユカと付き合ってるの?
とりあえず、どんな感想も放置して、
「うげらぽん」… -
なかなかにいい感じですね。
謎めいた洋館。そこにたどり着く橋は落とされ。そして大雪。雪の上には被害者の足跡しかない殺人。マザーグースの歌とともに次々に殺害され。そして「読者への挑戦状」。
いいですね。なんか言い方はアレですが、ほっとしますw
ただ雰囲気とかは悪くないんですが、内容が微妙に追いついてないように思いました。特に気に入らないのは探偵役かな。女性作家がエキセントリックな性格の探偵役を書くとどうもこんな感じで「単なる嫌味な奴」にしか思えない人になってしまうことがよくある気がするんですよね。
御手洗某に代表されるような「奇人だけど憎めない」というさじ加減が難しいんだろうとは思いますけども。
文章も軽い青春もののようなやりとりでありながら途端に重苦しくなったりとどうにも尻の座りが悪い・・・
トリックもそれほどパッとしない感があったしなあ・・・Yってそれかよ?!みたいなのもあったし・・・
雰囲気は気に入っただけに残念。 -
古野まほろ、初挑戦。
世評からもっと読みづらい癖のある文体だと思っていたのだが、意外にもすんなり読めた。
吹雪の山荘で招待客を襲う連続殺人。『そして誰もいなくなった』をなぞったような序盤から、密室やらマザーグースやら本格ガジェットをこれでもかと詰め込んで、どんどん事件が起こる。
探偵役は元天才ピアニストの青年で、絶対音感を捜査に役立てているところは面白い。
しかし、最後に明らかになる不可能犯罪のメイントリックはちょっと…無理がありそうな。
全体的には普通に若い新本格という感じだったが、他のレビューを見るとこの作品はまほろ入門編として推奨されているので、今度は天帝シリーズなどもっとぶっ飛んだのを読んでみたい。