- 光文社 (2011年1月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784334927417
みんなの感想まとめ
主人公の純平は、21歳のヤクザとして歌舞伎町を舞台に成長を遂げる物語です。彼は組長からの指令を受け、"鉄砲玉"としての運命を考え直すことになります。単純で憎めないキャラクターの純平は、周囲の人々との関...
感想・レビュー・書評
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坂本純平は、六明会傘下・早田組の盃をもらって、2年目のヤクザ、21歳。
歌舞伎町界隈のペットとして、夜の女達にからかわれ、可愛がられている。
当面の目標は、部屋住みを卒業して、バッジをもらう事。
一回り年上の直系の兄貴分・北島敬介に憧れている。
そんな純平が、組長から“鉄砲玉”になれと、指令を受けた。
実行まで、三日間。
考え直せるか?
主人公の純平が、単純で、カッコつけで、騙されたり、頼まれたら断れなかったり、憎めない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この作品の感想をまとめて言うと
ヤクザの下っ端って切ないな
そんなヤクザでもリアルの知り合いだと親身になって心配してくれるんだ
やっぱりネットの住民は勝手な事を言いたい放題言ってるだけなんだな、自分もそうなってないか意識しないと
ということになるかと思います。 -
埼玉育ち、今は歌舞伎町でヤクザの下っ端になっている純平21才。親分から相手の組の男を討ってこい、と「鉄砲玉」になることになった。実行の時までのめくるめく3日間の話。
娑婆の思い出にと兄貴から渡された金で高級ホテルに泊まり、高級寿司を喰おうとするが臆して店に入れず回転寿司を食べ、あこがれのダンサーにかっこをつけ、ヤンキーねえちゃんと知り合うと、彼女がネットに決行を載せたことから、書き込みが・・
親のいいなりで世間の期待に沿うことに疲れてグレた大学教授との話が含蓄。純平が父は知らず、男をひきこむ母のもと、養護施設育ち、悪いことはみな純平のせいにされた中学時代、というグレといい子のパターン化は気になるが、これも奥田氏流の皮肉なのかな。
最後は純平にきっちり救いのある書き方があるのかと思ったが、どうだったんだろう、どちらともとれる。
2018に映画化されていた。純平は野村周平。
「小説宝石」2009.9月号~2010.8月号連載
2011.1.25初版第1刷 図書館
書評:朝日 2011.3.9
https://book.asahi.com/article/11648274 -
良い意味で「悪くなかった」。
ラストのもやっとも含め、佳作!
奥田さんはこれでいい、これがいい。
純平、考え直さないだろうな。
純平、やり直せが読みたいな。 -
やはり奥田英朗の本は読みやすいです。
この本は結末を先に書いてからその時点に至るまでのストーリーにしてくれた方が面白かったのかなと思いました。
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読みやすい
日本一の歓楽街 歌舞伎町が舞台。21歳の純平が命じられ、しようとしていることは悲愴な内容だけど、登場人物が多く、純平は絶えず誰かといる。文章もどぎつくなく、健康的な物語。癖がないが、ラストは衝撃的。ラスト半ページで突き落とされたうえに結局その後はどうなるのかな。読後感は突き放された後の着地点がわからずいつまでも彷徨っているような感覚。
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チンピラの世界観、歌舞伎町の世界、やくざの世界、警察の世界、どこまで真実なのかは不明だが、気軽に、楽しんで読めた。ただ、親に愛されずに育った子どもというのは、言い知れぬ寂しさを抱えているんだろうなと。
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奥田英朗らしい世界。
若い男の子をデフォルメしてヤクザの鉄砲玉を描く、モノマネ芸のコロッケや清水アキラの世界、名人芸だね〜
舞台からか村上龍、『インザミソスープ』を思い出した、ちょっとイメージは違うけど。
著者は、『邪魔』『最悪』とか写実的な長編があって。
デフォルメした作品軸では『ララピポ』『東京物語』など男の子が一方にあり、本作、『サウスバウンド』などから『家日和』と家庭が入ってきて、『ガール』『マドンナ』のオンナに至る。これらの病んだ世界を『インザプール』などで伊良部医師が治療する。 -
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軽過ぎました。
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(データ移行)
最高の一冊。本当に読んで良かった 自分と同じ21歳の主人公。色々と考えるものがあった。 -
途中までとっても面白くてひきこまれて。
ネットの書き込みが加熱してくる辺りから嫌な予感はしていたけれど
これで終わりとは。。
うーん、とても残念。 -
えっ?この内容と展開でここで終わるの?普通に生活する社会人には共感しにくいし、これで良いのかとモヤッと感が残る話でした
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2014.12記。
なんか固い読書が続いたので奥田英明氏を読む。
同氏の代表作「空中ブランコ」「イン・ザ・プール」は、変人精神科医伊良部とセクシーナースのマユミが現代の心患う人々を治療ともいえない治療で治していくストーリー。阿部寛と釈由美子でドラマ化され、そちらもヒットしたらしい。
もうね、確実に笑ってそしてほろりとする、と分かっているわけです。
チンピラ純情やくざの純平が、かっこいい先輩に乗せられて鉄砲玉として敵対組織の幹部を狙撃する役を命じられる。決行の数日前、ちょっとした偶然から一夜を共にすごすことになった女の子が「私の知り合いが鉄砲玉になる。なんとか止めさせたい」とネットに書き込んだことから色々な人がコメントをつけ始め、思わぬ方向に事態は進み始める。
暖かい家庭に恵まれなかった純平にとって、ネットとは言え誰かが自分を心配している、ということが初めての経験だった。
「小学校に上がってから、哀しくて泣いた記憶はない。前提に大きな諦めがある。絶対的な愛情を信じていない」(P.201-202)。
「最後の最後でこんなに温かい気持ちになると、正直未練が湧く。案外世界はいいところかもしれないと、考え直したくなる。」(P.258-259)
純平が最後にとる行動は・・・。
伊良部シリーズに、ケータイを手放せず、親に無理やり取り上げられてけいれんを起こす高校生の話が出てくる。例によって伊良部の変態カウンセリングでネットでの「つながり」の虚構に気づき、「ともだちたくさん」幻想から解放されるのだが、マユミに惚れたその高校生が「好きなタイプは」と尋ねるシーンがある。そこでマユミが答える。「友だちがいない奴。大勢で遊ぶの、苦手なんだ」。
ネットの絆なんて必要ないよ、と気づかされる高校生、ネットで初めて温かい気持ちを知る純平、しかし、著者は結局同じことを読者に伝えようとしていたのではないか。そんなことを思った。
ちなみに読後感にやや共通したものを感じた小説としては、高校生の援助交際をテーマにした村上龍の「ラブ・アンド・ポップ」。
かなーり前だが、庵野秀明が初めて実写映画を監督した作品の原作で、クライマックスの名ゼリフは映画では浅野忠信が長回しでほぼ原作どおり語り尽くしていた。映画の方もとてもよかったです。 -
奥田さんの久々の新作。
21歳のヤクザの純平は鉄砲玉を命じられる。
お金と自由な時間を与えられた決行までの3日間のお話。
鉄砲玉のことよりも歌舞伎町の住人たちと純平との交流が話のメインになってます。
密かに思いを寄せるダンサーを筆頭に歌舞伎町を彩る人びと、
食い逃げをする元大学教授の老人、
鉄砲玉になることをネットに書き込む一晩を共にした女。
そのサイトの書き込みレスが妙にリアルで笑えた。 -
養護施設で育った純平が、不良の末にヤクザになり、鉄砲玉として抗争相手のタマを獲りにいくまでの物語。
母親からも見捨てられ、誰からもかまわれず、男を上げるため、兄貴のために鉄砲玉になることを志願した純平に、次々と出会いが訪れ、純平を揺さぶる。
切った張ったのヤクザ美学みたいなものに魅力を感じつつも、人を殺すということの意味も解いてみせている作者に感服。
でもどうにもならないような、人間の不安定さが滲み出たラストも奥田さんらしくて納得。 -
下っ端やくざの純平は親分から言われて鉄砲玉となった。決行の時まで後3日。
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結局順平は考え直さなかった。面白いおじさんはどうした?
著者プロフィール
奥田英朗の作品
