純平、考え直せ

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334927417

感想・レビュー・書評

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  • 全体的には少しリアリティさに欠ける、軽薄で都合のよすぎる歌舞伎町やくざ事情と、それにからむネット世界の非現実的?やや冗長で退屈な?設定に、読んでいて尻がむずむずした。しかし、一方で、埼玉ヤンキー事情など、やたらにディテール感満載で、そこらへんはものすごいリアル。やはり語り口も読みやすく、最後まで一気に読ませる。結末はちょっと意外だったが、読者に考えさせる余韻をもたせたのは、ありがちな結末で陳腐にならないエンディングとして、成功してるといえるかも知れない。

  • おもしろかった!
    読みやすくスラスラと読めました。
    ネットの掲示板も絡ませた、アウトローの世界の青春物語?
    帯にも書いてあったが、滑稽で哀しい物語でした。

  • 極道の世界で誠実に生きる純平の物語。
    最初はアウトローな純平にあまり共感出来ないものの
    日常をもがき苦しみながら過ごしていく純平の姿に
    いつしか惹き込まれていました。

    ヤクザなんてなるべく係わり合いになりたくないので
    あまり考えたことは無かったのですが
    実際には悩んだり喜んだり人間味溢れるところも
    当然あるんだろうなとか何か考えてしまいました。

    ラストどうなるのか分からないところも
    ちょっとモヤモヤ感がありますがそれはそれでいいかなと思います。

  • まさかこんないい話しだとは思わなかった。
    純平って、いい奴なんだな。
    ヤクザならでは?の人情話し。
    歌舞伎町が舞台なだけに、いろんな情景も浮かんでくる。
    純平は頼られたいんだね。寂しいんだね。なんか切ないけど、純平が誰かといると笑顔が浮かんでくる。
    構うなよって言うけど内心は嬉しい。

    カオリに話しかける純平に、ふわっとした。
    加奈子のメールが嬉しかった。
    ゴム毬みたいに飛んでくる2人。

    はじめてできた信也。弟分も兄貴も誰に何を言われても、自分が信じればいいんだ。
    人の喜ぶ顔が嬉しい。
    赤ちゃんの頃のようにみんなに守られているような安定感。

    みんな誰かとかかわりが持ちたいんだ。ネットでも、悪口でも。

    最後はハッキリしなかったのがよかった。純平があの後どうなったのか。
    想像で救われる。

  • 私の場合、小説というのは、作者と題名で半分ほど興味をそそられます。
    今回の題名もインパクトありました。
    以前、朝井リョウの「霧島、部活やめるってよ」にも衝撃を受けましたが、同じような題名ですね。
    まず個人名が入っている。
    誰かに語りかけている。似ていますね?
    「霧島・・・」のほうは題名から察するに学校生活、青春もののような気がして未読です。朝井くんはまだ若いし、今後も読む機会があるでしょう。
    一方、奥田秀朗はだいたい作品は読んでいるお気に入りの作家さんなので迷わず手に取りました。
    う~んやくざの世界のお話ですね。その世界は怖いのですが、いつもの破天荒なとんでもないお話、というものではなくてややおとなしめ、ストーリーもありふれている・・・ふ~んそうか~という感じ。
    題名そのものでした。
    折しも今、遅まきながら「ナオミとカナコ」を読んでいます。
    先にドラマを見始めたのですが、やっぱり本の方がおもしろいですね。
    区切られずにどんどん読めるし、もうすぐ追いつくぞ。
    でもキャスティングはぴったり、素晴らしいと思います。

  • う~ん、最後がなぁ。
    ヤクザの世界ってこんな感じなのかな、って途中は興味深く読めたんだけどね。

  • 2015.07.31読了

    純平は本当にいい奴。
    この終わり方はないだろう と言いたい。

  • ヤクザの下っ端の純平の元に指令が.

    「鉄砲玉になれ」

    というわけで,
    「純平,考え直せ」
    と周囲が引きとめようとする話.

    そこそこ.

  • 21歳の純平は歌舞伎町の小さな組のヤクザである。組ではもちろんこき使われ、しんどい生活を送っていたが、ある日突然鉄砲玉に指名され対立する組の幹部を殺害するよう指示される。それから三日間少しまとまった金を渡され、久しぶりにつかの間の自由を満喫しつつ仕事をやり遂げようとする。そこに現れた同世代のはみ出しもの達らと出会い、また、ネットに書き込まれたことから様々なレスが純平に書き込まれることとなる・・・。奥田英朗もはずれのない大好きな作家の一人だ。この本は軽く書かれた感じだが、やはり場面の展開がとてもいい。純平に感情移入して読める。

  • 楽しく読ませてもらいました。

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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