純平、考え直せ

著者 :
  • 光文社
3.21
  • (45)
  • (177)
  • (368)
  • (94)
  • (12)
本棚登録 : 1490
感想 : 296
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334927417

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 坂本純平は、六明会傘下・早田組の盃をもらって、2年目のヤクザ、21歳。
    歌舞伎町界隈のペットとして、夜の女達にからかわれ、可愛がられている。
    当面の目標は、部屋住みを卒業して、バッジをもらう事。
    一回り年上の直系の兄貴分・北島敬介に憧れている。

    そんな純平が、組長から“鉄砲玉”になれと、指令を受けた。
    実行まで、三日間。
    考え直せるか?

    主人公の純平が、単純で、カッコつけで、騙されたり、頼まれたら断れなかったり、憎めない。

  • 埼玉育ち、今は歌舞伎町でヤクザの下っ端になっている純平21才。親分から相手の組の男を討ってこい、と「鉄砲玉」になることになった。実行の時までのめくるめく3日間の話。

    娑婆の思い出にと兄貴から渡された金で高級ホテルに泊まり、高級寿司を喰おうとするが臆して店に入れず回転寿司を食べ、あこがれのダンサーにかっこをつけ、ヤンキーねえちゃんと知り合うと、彼女がネットに決行を載せたことから、書き込みが・・


    親のいいなりで世間の期待に沿うことに疲れてグレた大学教授との話が含蓄。純平が父は知らず、男をひきこむ母のもと、養護施設育ち、悪いことはみな純平のせいにされた中学時代、というグレといい子のパターン化は気になるが、これも奥田氏流の皮肉なのかな。

    最後は純平にきっちり救いのある書き方があるのかと思ったが、どうだったんだろう、どちらともとれる。

    2018に映画化されていた。純平は野村周平。


    「小説宝石」2009.9月号~2010.8月号連載

    2011.1.25初版第1刷 図書館

    書評:朝日 2011.3.9
    https://book.asahi.com/article/11648274

  • 良い意味で「悪くなかった」。
    ラストのもやっとも含め、佳作!
    奥田さんはこれでいい、これがいい。


    純平、考え直さないだろうな。
    純平、やり直せが読みたいな。

  • 2013.5.27
    歌舞伎町、ヤクザの下っ端の純平、心酔する兄貴のようになりたい。
    でもなぜかみんなから笑われる...
    そんな純平が組長から鉄砲玉になるよう命令される。
    決行までの3日間、自由な時間とお金を手にいれた純平は美味しい物を食べ、様々な人と出会う。
    ナンパで知り合った女がネット純平のことを掲載しスレッドが立ち盛り上がりを見せる。

    オチは

    鉄砲玉としての結末は書かれていないけれど
    アナクロな純平はきっと任務を果たすんやろうなあって思った。
    成功するかは別として。

    テンポが良くて、結構ギリギリのラインの部分もユーモアに読める。

  • 軽過ぎました。

  • まぁ、やいやい言うのがネットの掲示板だったり、よく分からない女だったりしたら、そりゃ考え直すきっかけにもならないよね…という読後。純平にとって肝心な存在が誰一人「考え直せ」とは言わなかった。弱いけど、頭は良いし、心も純粋な所があるので憎めないキャラでした。最後はほんとにほんとに狙いを命中させたのかな…。はっきりしない終わりで、ちょっともやもや。

  • 結局順平は考え直さなかった。面白いおじさんはどうした?

  • おもしろかった!
    読みやすくスラスラと読めました。
    ネットの掲示板も絡ませた、アウトローの世界の青春物語?
    帯にも書いてあったが、滑稽で哀しい物語でした。

  • 私の場合、小説というのは、作者と題名で半分ほど興味をそそられます。
    今回の題名もインパクトありました。
    以前、朝井リョウの「霧島、部活やめるってよ」にも衝撃を受けましたが、同じような題名ですね。
    まず個人名が入っている。
    誰かに語りかけている。似ていますね?
    「霧島・・・」のほうは題名から察するに学校生活、青春もののような気がして未読です。朝井くんはまだ若いし、今後も読む機会があるでしょう。
    一方、奥田秀朗はだいたい作品は読んでいるお気に入りの作家さんなので迷わず手に取りました。
    う~んやくざの世界のお話ですね。その世界は怖いのですが、いつもの破天荒なとんでもないお話、というものではなくてややおとなしめ、ストーリーもありふれている・・・ふ~んそうか~という感じ。
    題名そのものでした。
    折しも今、遅まきながら「ナオミとカナコ」を読んでいます。
    先にドラマを見始めたのですが、やっぱり本の方がおもしろいですね。
    区切られずにどんどん読めるし、もうすぐ追いつくぞ。
    でもキャスティングはぴったり、素晴らしいと思います。

  • う~ん、最後がなぁ。
    ヤクザの世界ってこんな感じなのかな、って途中は興味深く読めたんだけどね。

著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

奥田英朗の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×