鮫島の貌 新宿鮫短編集

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334927998

作品紹介・あらすじ

新宿署刑事・鮫島。警察内の不祥事に巻き込まれたが一人屈せず、上層部や同僚には疎んじられ、食いついたら離れない単独捜査で、犯罪者には「新宿鮫」と恐れられる男。彼が街を行けば、ドラマが生まれる。新宿署異動直後の鮫島を襲う危機を描く作品や、腐った刑事や暗殺者との対決、人気コミック「こちら葛飾区亀有公園前派出所」両津勘吉、「エンジェル・ハート」冴羽〓(りょう)が登場する異色作、『狼花新宿鮫9』のサスペンスフルな後日談など、「鮫」にしかない魅力が一編一編に凝縮された全10作。

感想・レビュー・書評

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  • 新宿鮫シリーズの短編集。
    読んだ積もりでいたが、記憶にない作品もあったので初読みだったらしい。

    ミステリーあり、サスペンスタッチあり、ドラマあり、コメディもあり。
    警察アンソロジーに収録されていた「雷鳴」。雷雨の夜にバーの店内で繰り広げられる鮫島と客の男との会話、それを聞くバーテンダー。結末がなかなか。

    ここ半年ほど見かけない危ないヤクザを巡る「亡霊」や美しき密告者「水仙」も良かった。

    エンジェル・ハートとこち亀の企画物はおふざけのように映るものの、あの藪と両津勘吉が意外な関係だったというのは面白かった。

    最終話「霊園の男」ではロベルト村上を巡る長い闘いの真の決着が付く。
    村上が最後に残した言葉の意味も分かる。
    新宿鮫シリーズは終盤は勢いがなくなってきたものの、また短編集でも良いので書いて欲しい。

  •  新宿鮫のスピンオフ短編集。10編収録。

     シティハンター・冴羽やこち亀・両津を扱った話もあり、作者の遊び心が窺える。

     また、1話目と最終話に読ませる作品を配するところはさすが。

  • もう題名を見ただけで、ドキドキしてしまう。
    鮫島の顔というと、真田広之を思い浮かべてしまうが、ちょっと意味合いの違う、鮫島の「貌」の短編集。(実に珍しい)
    新宿署防犯課勤務、新宿鮫こと鮫島警部。主人公は、その鮫島をとりまく上司だったり、恋人(久しぶり!!)だったり、同級生だったり、犯罪者だったり、その中に鮫島がかっこよく登場してくる。
    短編なのに、いつの間にか話の中に犯罪や事件が織り込まれていて、最後はうまく解決に持っていく、とうまくできていて、シリーズを読んでいる人にはより面白く、これが初めてだよ、と言う人にも鮫島の魅力は余すところ無く、伝わることだろう。
    シリーズは完結したとか、いや続くとか色々言われているが、新宿鮫には、まだまだ歌舞伎町で活躍してもらいたい、と切に願う。

  • 鮫島シリーズの初の短編集。シリアスものだけでなく、冴羽遼(シティハンター?)や両津勘吉出てきたりと、新宿鮫っぽくない短編もあったが、それはそれで面白かった。

    • hs19501112さん
      未読です。

      『小説こち亀』を読んだので、「幼なじみ」に両津が登場するのは知っていましたが・・・。

      「シティハンター」とのコラボも...
      未読です。

      『小説こち亀』を読んだので、「幼なじみ」に両津が登場するのは知っていましたが・・・。

      「シティハンター」とのコラボもあったとは!

      “鮫”は長編であってこその“鮫”だと思っていたので購入する予定は無かったですが・・・、このレビューを読んで興味が高まりました。
       図書館で見かけたら借りるかも・・・。
      2012/03/26
  • 再読。短編集と鮫島は意外に相性は悪くはないと。

  • 新宿鮫シリーズ、短編集。
    鮫島の理解者である上司「マンジュウ」が語る新宿署異動直後の鮫島との話など、周りの人物から見た鮫島が描かれていて面白かった。
    だが、シリーズを読んでいるからこそ面白いと思うのだろうし、長編に比べると物足りなかった。

  • 知られざる鮫の顔

    人気シリーズ「新宿鮫」の短編集。多角的な切り口の作品はいずれも魅力的だ。まさかの両津勘吉、冴羽といったマンガキャラとのコラボも面白い試みである。どの作品も長編として読みたくなる魅力に溢れている。特に最終章「霊園の男」は最終作(?)の「絆回廊」から直結する話なので、間を置かずに読むと感動は倍増するに違いない。シリーズを通して世界観が確立しているので、ファンであればすんなり入り込むことが出来る。もちろん長編を読んだことのない方にも手に取っていただき、長編の方にも興味を持ってもらえれば、嬉しいことこの上ない。

  • 初めて読んだ新宿鮫の短編集。
    いろんなサイドストーリーをたくさん読めるのはありがたいけど、新宿鮫独特のジワジワからのクライマックスは短編では楽しめない。
    とか言いつつ、また、こんな短編集があれば読んでみたい。

  • まあまあ

  • 一度も読んだことのなかった新宿鮫。とりあえず短編から読んでみることにした。
    短編だからかもしれないけど、読みやすかった。
    シティーハンターと両さんが出てきて、面白かった。
    これなら他のも読んでもいいかも。


    新宿署刑事・鮫島。警察内の不祥事に巻き込まれたが一人屈せず、上層部や同僚には疎んじられ、食いついたら離れない単独捜査で、犯罪者には「新宿鮫」と恐れられる男。彼が街を行けば、ドラマが生まれる。新宿署異動直後の鮫島を襲う危機を描く作品や、腐った刑事や暗殺者との対決、人気コミック「こちら葛飾区亀有公園前派出所」両津勘吉、「エンジェル・ハート」冴羽獠が登場する異色作、『狼花新宿鮫9』のサスペンスフルな後日談など、「鮫」にしかない魅力が一編一編に凝縮された全10作。

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著者プロフィール

1956年愛知県名古屋市生まれ。慶応義塾大学中退。1979年に小説推理新人賞を「感傷の街角」で受賞しデビュー。1986年「深夜曲馬団」で日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞、1991年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門受賞。1994年には『無間人形 新宿鮫IV』直木賞を受賞した。2001年『心では重すぎる』で日本冒険小説協会大賞、2002年『闇先案内人』で日本冒険小説協会大賞を連続受賞。2004年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞受賞。2010年には日本ミステリー文学大賞受賞。2014年『海と月の迷路』で吉川英治文学賞を受賞、2022年には紫綬褒章を受章した。


「2023年 『悪魔には悪魔を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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