東京ヴィレッジ

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334928018

作品紹介・あらすじ

松倉明里は玩具メーカー・リンデンの総務部に勤める33歳のOL。夢のある商品開発をと思いつつも、入社以来事務方仕事ばかり。昨今の経済危機から、大手メーカーとの吸収合併の話が持ち上がり、リストラの噂が社内に飛び交い始める。そんなとき、青梅市にある明里の実家に、正体不明の夫婦が住み込んでいるという情報が。家では何が?7年越しの恋人や同僚に背中を押され、実家に戻った明里を待ち受けているものは、はたして?ミステリアスな新・家族小説。

感想・レビュー・書評

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  • 相変わらず面白い話しなんだけど物足りない

  • ミステリーだけど、この先の未来に起きてもおかしくはないストーリー。角が取れて丸みを帯びた人物設定で寄生獣となっている夫婦はアライグマとして表現されている事からして危害を与えるわけでもなく棲みついて自分たち色に染めていく。
    この先の老後の生活を考えると共存もいい気がする。広い土地があるならば。。。

  • 明野さんの著書と言えば、恐ろしくて終始ドキドキする物語をイメージするのですがこの物語は現実の日常世界に密着していて、言うなれば家族のストーリー。

    嫌悪感すら持っている自分の故郷だが、実家に入り込んだ不審な夫婦の存在を知り離れて暮らす主人公(明里)とその恋人が、家族の為に動きだす。

    期待していたサスペンスとはかけ離れていて、地味な印象で話が進みます。

    最終的に不審な深堀夫婦の謎も解けないままで、恋人と同僚・明里の方向性もはっきり見えずスッキリしない終わり方でした。

  • 64対決じゃなくて敵対的共存?寄生もオッケー?中途半端な感じ。

  • 正に今という時代をリアルに描いた作品。
    主人公は都内で自活する30代のOL。
    田舎者で覇気のない家族を嫌い、一応東京だが東京とは思えない田舎の故郷を嫌い、実家を飛び出した彼女。
    震災後、勤めている会社に合併の噂が流れ、リストラの不安にさらされる事となる。
    そんな折、青梅の実家に得体の知れない男女が住み着いているという知らせが入る。
    会ってみるとニコニコと笑顔を浮かべ愛想のよい初老の男女。
    だが実家の広い家土地を拠点に怪しげな商売をしようとしている。
    彼女はその住み着いた男女について調べ、家族に警告をするが、家族たちも薄々住み着いた男女が危うい人間だと知りつつも状況を変えようとはしない-。

    まだるっこしい話の運びだな~と思いました。
    登場人物のほとんどがはっきりしたがらない性格だからかもしれません。
    住み着いた男女の事をあれこれ調べるだけで中々話が進展しない。
    そして、その男女というのも一癖二癖ある性格だというのは分かるものの、はっきりそれと分かる出来事があるでなし、主人公の彼らに対する態度もはっきりしない。
    ただラストはメッセージ性が強く、ちょっと考えさせられるものでした。
    面倒が嫌いで流されやすい性格の人間とそれを食い物にする人間。
    両者共目に見えてそれほど悪くないというのが却って恐い・・・。
    経済が滞る今の世の中では、「もてる者」は貴重になっていく。
    それなのに、その人間が自分が「もてる者」という自覚もなくノホホンとしていれば、それにいくらでも群がる人間がいるということ。
    こういう事は現実に日本各地で起こっているのでないか、起こりうるのではないかと思わせるお話です。

  • 34歳、独身、玩具メーカーOLの明里は、会社合併によりリストラされそうな雰囲気。実家は青梅で雑貨店を営みそれなりの土地持ちだが、家族全員人が良く怠け者。
    その実家に正体不明の夫婦が住み着いていて・・・。

    何とも奇妙な話。
    明野照葉さんの持ち味だなあと改めて思った。
    (図書館)

  • リストラを心配する、都心で一人暮らしのOL、明里(あかり)。
    大嫌いな実家とは距離を置くものの、実家に怪しい夫婦が入り込み寄生していると聞き、調査?を開始する。

    で、結局、怪しい夫婦を追い出し切れず、自分も恋人や友達を連れて実家にUターン&寄生。
    何なんだ、この結末?!、と気持ち悪く読了。
    私、こういう人達、ダメなんだよねー、と再認識(笑)。

  • なんだろう・・・気持ち悪かった。
    こんなお人よし?というか良くわからない人たちがいるんだろうか。
    素性のわからない他人と一つ屋根の下でずーっと暮らすって
    気持ち悪くないのかなぁ?

  • 玩具メーカーに勤める34歳の松倉明里は経済危機の煽りで会社が大手メーカーと吸収合併に伴いリストラの危機に。そんなとき青梅の実家に正体不明の老夫婦が住み込み不穏な状態になっている情報が。七年越しの恋人の郁人と同期の恵の協力により正体を暴く。しかし郁人と恵も青梅に住み込み商売を始めようと持ち掛け明里は二人に不信感を持ち始める。ミステリーな話しだが最後は松倉家はどうなったのかちょっと尻切れで終わった感じでハッキリしないのが残念だ。
    東京の西端の田舎町青梅ってなんか行ってみたいっぽい魅力。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    松倉明里は玩具メーカー・リンデンの総務部に勤める33歳のOL。夢のある商品開発をと思いつつも、入社以来事務方仕事ばかり。昨今の経済危機から、大手メーカーとの吸収合併の話が持ち上がり、リストラの噂が社内に飛び交い始める。そんなとき、青梅市にある明里の実家に、正体不明の夫婦が住み込んでいるという情報が。家では何が?7年越しの恋人や同僚に背中を押され、実家に戻った明里を待ち受けているものは、はたして?ミステリアスな新・家族小説。

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著者プロフィール

明野照葉

東京都生まれ。一九九八年、「雨女」で第三十七回オール讀物推理小説新人賞を受賞。二〇〇〇年、『輪廻RINKAI』で第七回松本清張賞を受賞、一躍、注目を集める。ホラーやサスペンスタッチの作品を得意とし、女性の心理を描いた独自の作風はファンを魅了してやまない。『汝の名』『骨肉』『聖域』『冷ややかな肌』『廃墟のとき』『禁断』『その妻』『チャコズガーデン』(以上中公文庫)、『女神』『さえずる舌』『愛しいひと』『家族トランプ』『東京ヴィレッジ』『そっと覗いてみてごらん』など著作多数。

「2020年 『新装版 汝の名』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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