壺の町

著者 :
  • 光文社
3.05
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本棚登録 : 60
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334928308

作品紹介・あらすじ

神戸の住宅街で中年夫婦と娘が生かされたまま焼かれるという猟奇的殺人事件が起こった。遺されたのは確実なアリバイをもつ勤務医の娘婿ひとり。娘の不倫相手が参考人として取り調べられ、無実を明かすために真相を探る。事件は22年前、中華料理店を営む夫婦の事故死から始まった。残忍な殺人事件に隠された純愛。地上げ、心中、放火、震災-、人々の嘆きと怒りと哀しみを取り込んで町は生きていく。日本ミステリー文学大賞新人賞受賞後第一作、絶望と復讐を描く長編ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 読み応えのある文章でした。
    意外な犯人とか展開ではないけど、犯人の過去に迫る辺りなどぐいぐい引き込まれました。

  • ゆっくりと事実を解き明かしてゆく。
    キーワードは街、地震。

  • 87神戸が舞台と言うことで手に取ったけど、やっぱり復讐担は目覚めが良くないね。解決させた元作家はもっと出世できると思うが、何かが足りないんでしょうね。ちょっと暗くなった。

  • ハッキリ言って面白くない。
    堂々巡りの筋道を長々と書き連ねて、犯人はすぐ判る。犯人から目をそらすのに躍起になっている。短編でサラリと片付く物語を膨らませたバブル小説。文章も読み辛い。
    この作家は方言を駆使するが、分かりにくい言葉使いで文章を疲れ果てさせている。文章が切れ切れでスッキリしない。
    着想が悪いわけではない、構想と文章力にリズムが合わない。音痴のkaraokeみたいなっている。残念無念。

  • 閑静な住宅地にある邸宅で、老夫婦と娘が生きたまま焼かれるという猟奇事件が発生する。
    医師である娘の夫には鉄壁のアリバイがあり、娘と不倫関係にあった小説家が事件の真相を探る。

    設定、展開、動機、どれも面白いのに決定的に文章が下手だ。
    探偵役の小説家と夫、メインを張るふたりが男で、かつ書き分けができていないからどっちがどっちかわからなくなる。
    複数の人間が一場面で動くと地の文も会話文も意味が取りづらくて誰の行動か言葉かすんなり入ってこない。

    メインの2人でさえ人物像がはっきりせず、登場人物にまったく感情移入できない。
    この物語は共感が強まるほど読み手の情動をかきたてるわけだから、作品としてこのキャラクタの弱さは致命的ではないかと思う。

    探偵役のうだつのあがらない小説家は、登場から唐突感があるし、なぜ事件に首を突っ込むのか理解不能、そしてあらゆる行動が都合よく進みすぎている。
    小説家に魅力を感じないから、なんで刑事が彼に協力するか理解できず、その刑事も人物として立ち上がらないから余計に物語にリアリティがない。

    こういう種類のケチをつけたくなる小説は珍しいかもしれない。
    物語も文章も酷いというのは割とよくあるけれど。
    なんか色々と惜しい。

  • 熱を感じない話だった。
    面白い面白くない、じゃなくて
    なんと言いますか低温小説って感じ。

  • おそらくは神戸長田と思しき街をを主な舞台としたミステリー。よく出来たストーリーではあるんだけど、犯人が犯行を決意するに至った出会いは偶然性が高すぎてご都合主義的だし、犯人を特定する決め手についてはもっと簡単な別の方法を素人の俺でも思い浮かぶしで、ちょっと詰めが甘いと言わざるを得ません。

  • なんでも、昨年「大絵画展」という作品で日本ミステリー文学大賞新人賞をしたのだそうだ。
    たまたま本作を図書館で見かけ何気なく借りてみた。

    なかなか語りがうまい。プロットも悪くないし、結構読ませるね~と思いながら中盤まではすいすい読み進む。
    が、何故か後半、どうしちゃったの??突然降ってわいたような設定が現れたり、都合よくいろいろ展開しすぎたり、ぐずぐずに。
    落としどころもちょっと今ひとつだし、第一に、一番肝心な主人公(だよね?)の水嶋周平の人物像がはっきりしない。
    というか、どの登場人物も人物像が定まりきらず浅い感じ。
    語りがうまいだけに、なんだかもったいないなあ。
    でも、他の作品も気になる作家ではある。
    読んでみようかしら。

  • 展開は練られている。「壺」のたとえはちょっといただけない気もするが。

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著者プロフィール

愛媛県生まれ。銀行勤務の後、学習塾を経営。デビュー作『神の手』が、電子書籍で異例の大ヒットを記録して話題となる。2011年、『大絵画展』(光文社)で、第14回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞。

「2023年 『最後の記憶 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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