ホイッスル

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 105
レビュー : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334928438

作品紹介・あらすじ

平穏に暮らしていたはずの両親。その父が突然いなくなった。思い出の詰まった実家も売却されていた。何一つ身に覚えのない母は、なぜと叫びながらも、答えを手繰り寄せていく。不倫・離婚・裁判、家族の再生の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 平凡に暮らしていたはずの夫婦。
    老齢の夫章が、家を売り払い、全財産を持って行方不明になった。
    突然のことに戸惑う妻聡子、母を支えなければと気持ちを添える娘香織、叔母を助けたいと頑張る姪優子、章をたぶらかしていた看護師和恵、裁判を請け負った弁護士芳川と事務員沢井、彼女たちの4年間。

    平凡な日々から、突然何も無い状態放り出された妻の立場、同じ年頃の両親を持つ娘の立場、どちらにもなり得る自分なので、何度も胸がかきむしられるような気持ちになりました。
    しかし、悪意に満ちた和恵自身も、ある意味被害者ではないかとも思え、同情してしまうところもあった気がしています。
    やっ ぱり、和恵の夫とレミだけは許せませんね。
    天罰が下らなきゃならないです、あの2人は。

    最後に章に再会した聡子の姿に、涙が止まりませんでした。
    強くなった聡子達の姿に安心したものの、生きているうちに、章が家族の元に戻れたら良かったのに、と思わずにはいられませんでした。

  • 法律事務所の依頼者に比重を置いたもので
    「テミスの休息」の前の話。

    依頼者の66歳の女性の身に起こったことは重い。

    バカな夫だと思うが狂った人の判断基準は
    予想がつかない。

    信じていた人に裏切られる
    精神的な打撃は周りが思っている以上にきつい。
    裏切られたほうも狂ってしまいそうだ。

    裁判ってお金もかかるけど、気力もいる。
    そう思うと聡子は本当に頑張ったと思う

    どんな老い方をするかはその人の意志で決められるものなのだ。
    事務員の沢井さんの要所要所に挟まれる

    「息子を育てる覚悟」みたいな真っ当さが結構好き。

    本当に素晴らしかった。深夜の一気読み。おかげ様で今日は目がシパシパでした。


    私はやっぱり、不貞行為は刑事罰でいいと思ってるけどね!

  • 「不幸せの量はみんな同じ。幸せの量は人それぞれ」

    どこからどうやって這い上がればいいのか
    盲目的に信じて、なんの疑問ももたずにこの先も連れ合うのだと そう思っていた人に
    裏切られた
    と表現するとなんだかとても薄っぺらくなってしまう。
    怒りと
    悲しみと
    悔しさと
    不安と
    色んな感情がないまぜになりながら
    進んでは戻りを繰り返しながら
    それでも現実を受け入れ
    そこから立ち上がろうとする
    その過程が
    生々しく、繊細に、時に清々しく
    描かれている。

    心持ちを大切に
    幸せの量は自分自身で決める事ができるんだ

    2012年 光文社 
    装画:水口理恵子 装幀:川上成夫・塚本裕子

  • もちろん面白かったですよ。
    頑張っている人を応援したい、そんな気持ちになれます。
    ただ、夫が消えてすぐに、いきなり相手と思われる人を訴えたりするかなぁ。
    この話では相手は本当に根っからの悪人だったから、結果オーライだけれど、
    やっぱりまずは夫を探してきちんと離婚の手続きすべきじゃないのかな~

  • 途中放棄。
    『手のひらの音符』に次ぐ藤岡陽子2冊目。
    出てくる年寄りが可哀想でヒリヒリして途中離脱。
    最後まで読めば年寄りが可哀想なんていう浅薄な感想は 吹き飛ぶんだろうけれど、どうしても痛くてだめだった。

  • 2018.4.2 読了


    孫がいる老夫婦。
    そのまま 老後を過ごすと思っていた矢先
    突然 夫から 離婚を言い渡される。
    家も売った、出て行ってくれと言われる。

    その年老いた妻、その娘
    不倫相手、それぞれの目線で
    短編が進む。

    妻が不倫相手を相手取って
    裁判を起こす。
    その弁護士の目線。

    物語が進行してゆく。

    最初は世間知らずだった妻、
    なぜ?しかなく、弱々しいかった妻が
    だんだん強くなってゆく。

    最後 ちょっと希望の光が見えて
    よかったな。

  • 2012年6月、父が亡くなったと警察から連絡を受けた香織。4年前に突然「女の人と暮らす」と留守電にメッセージを残し、母を残し家を売って出て行った父は再婚したのではなかったのかー

    ◆ここに出てくる男どもが芳川センセ以外クズすぎて泣ける…。砂丘での例え話の妙。聡子さんの気丈さ、香織ちゃん優ちゃんの応援、芳川センセと涼子さんの誠実さに救われるけども…どうにも自分や両親に置き換えて考えてしまっては生理的嫌悪で…奴ら丸ごと成敗したい!!自分だったら、聡子さんのように生きられるだろうか…。旦那はん大事にしよう…。

  • 2017/8/29
    これはすごく良かったよ!
    題名から予想した内容とは全く違って、なんと家族や人間関係の話だった。
    この方の作品は何冊か読んで、大好きだなと思っていたけど、更に感動して好きになりました。
    主人公の心の動きがよく分かって、助けてくれる人もいれば、詐欺まがいのことを平気でして、大きな顔で生きてるヤツ
    その中で、自分を失わず、助けあいながら、希望を持って生きていく。
    なんて、強い生き方なんでしょう!

  • 2016.11.27読了

  • 2016.4.25予約 2016.5.12

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プロフィール

藤岡 陽子(ふじおか ようこ)
1971年、京都市生まれの小説家。同志社大学文学部卒業後、報知新聞社にスポーツ記者としての勤務を経て、タンザニア・ダルエスサラーム大学に留学。帰国後に塾講師や法律事務所勤務をしつつ、大阪文学学校に通い、小説を書き始める。この時期、慈恵看護専門学校を卒業し、看護師資格も取得している。
2006年「結い言」で第40回北日本文学賞選奨を受賞。2009年『いつまでも白い羽根』でデビュー。看護学校を舞台にした代表作、『いつまでも白い羽根』は2018年にテレビドラマ化された。

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