彼女の時効

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 169
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334928483

作品紹介・あらすじ

浅井久子は、12年前に夫をひき逃げで亡くした。犯人が分からないまま時効を迎えた今も、悲しみが癒されることはない。夫の事故現場を訪れたところ、久子は奇妙な女性を見かける。もともと霊感があった久子だからこそ見える存在。彼女は幽霊だった。その女性はある殺人事件の被害者であり、すでに時効が成立していた。娘の行方を捜して彷徨う彼女の手助けを買って出る久子。情報を集めていくうちに、お互いの事件にも動きが…。一人の主婦が「真実」に辿り着くまでを描いた異色ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 夫をひき逃げ事故で亡くした久子。
    犯人はわからないまま、事件は時効を迎えていた。
    夫と同じくひき逃げ事故で亡くなった政子の霊と出会ってしまう。

    初読みの作家さん。
    とても読みやすく、さらっと読了しました。

    幽霊との同居という不可思議な展開も、言葉巧みで、決して違和感なく読み進めることが出来ました。
    夫を殺めた犯人が誰なのか知りたいと思っていた久子、この世に心を残していた政子、母の死は自分のせいと思いつめていた加奈子、皆の思いが最後に遂げられて良かった。

    時効が廃止された今、解決を見ない事件がなくなることを願います。

  • ひき逃げで夫を殺された妻。あるいは母を殺された娘。

    設定がいきなり吹っ飛んでてちょっとおもしろかった。
    けっこう平和な終わり方だったけど、好きな雰囲気。

  • あっ!これ読んだことあった‼︎と気づいたけど、結局最後まで読み通した。意外とほのぼのな終わり方。

  • 交通事故被害者遺族の話と著者お得意の母娘の親子愛。
    関わった人々についてあれこれ推理するのは全く無駄だった。
    謎解き要素は無きに等しい。
    (図書館)

  • 一気読み。怖い話じゃなくてよかった~。
    犯人はラストにあっけなくなく出てきた。でも、読後感けっこうスッキリ。

  • ひき逃げで主人を亡くした主人公が出会った女性は・・・

    時効の廃止と被害者家族の気持ちがよく描かれています。

    設定がユニークで一気に読んでしまいました。

  • 幽霊のお話。途中は読ませるけど、結末はあっけない感じ。この人の作品はたいていこんな幕切れ。

  • 幽霊だから矛盾ありなのかもしれないけど

  • ひき逃げされた夫へ会いに行った帰り道で見かけた
    こんな季節なのにコートを着てうろついている女性。
    もしかして、と思って声をかければ、やはり幽霊で。

    幽霊が出現した時点で、奇妙な状態になってしまっていますが
    それ以外はまったく普通の話。
    ひき逃げをされた遺族にとって、その所業は殺人と変わらない。
    殺されたのですから、それは当然です。
    犯人が目の前にいたら? と聞かれれば、殺したい、という。
    その立場になってみなければ分かりませんが
    相手にも家族が…などと言う人だけは無理だと思います。
    じゃぁ殺されたこっちの家族はどうするの? と聞きたいですね。
    まぁそれを出汁にお金を吸い取ろうとするのもいますが。

    相手が罪を罪と認めて謝罪する事。
    それが最初で、人によっては最後になるかもしれない要望。

    残された、現実に戻った彼女はどうするのでしょうか?
    今までとは違って、知り合いも出来た、はできた事ですし。
    しかし、親戚ってどうしてこうも図々しくなれるものなのでしょうか?

  • えー、幽霊が見える!?
    なのに、ひき逃げされた旦那さんは見えないんだよね〜。
    見える見えないに法則があるのかもしれない。
    政子という幽霊に出会えて久子も救われ心の整理ができたように思う。他人と話すというのもひとつの解決法だわね。
    犯罪とは遠く離れた暮らしが1番だなぁ。

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著者プロフィール

新津きよみ長野県生まれ。一九八八年『両面テープのお嬢さん』でデビュー。二〇一八年『二年半待て』で徳間文庫大賞を受賞。『女友達』『トライアングル』『ふたたびの加奈子』など多くの作品が映像化されている。主な著書に『夫以外』『ただいまつもとの事件簿』『セカンドライフ』『妻の罪状』など。

「2022年 『ここだけのお金の使いかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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