婚外恋愛に似たもの

著者 :
  • 光文社
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感想 : 85
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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334928520

感想・レビュー・書評

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  • ◆アヒルは見た目が10割・・・”上から三番目”の女・桜井美佐代。神田みらいのファン。子無し、夫はKGB64のオタク。
    ◆何故若者は35年生きると死にたくなるのか・・・ブスでバカ、”下から三番目”の女・益子昌子。八王子のファン。息子はグレて、夫は借金まみれの暴力男。
    ◆ぬかみそっ!・・・バリバリのキャリアウーマンで美貌も頭も1番、おまけに親も大富豪の隅谷雅。高柳主税のファン。現実の結婚には興味がなく、頭の中で主税と結婚してすでに11年。
    ◆小料理屋の盛り塩を片付けない・・・絵に描いたように凡庸な女・山田真美。皐月ジルベールのファン。娘の撫子と共にスノーホワイツを応援し、ネットのBJ小説を読み漁る。
    ◆その辺のフカフカ・・・物心ついた時からデブでブスな女・片岡真弓。大船眞秀のファン。”乙部しろまる”というペンネームでBL小説出版していたが、最近はスノーホワイツのメンバー同士の恋愛を妄想したBL小説をネットに掲載している。
    ◆茄子のグリエ~愛して野良ルーム2・・・代々木第一体育館で「スノーホワイツ初めての雪祭り」と銘打った単独コンサート後、5人は代官山の焼肉屋に集っていた。

    以上6編の連作短編集(?)。最初の5編は全て主人公が違うが、全員ディセンバーズのデビュー前アイドルグループ「スノーホワイツ」のメンバー誰かの熱狂的なファン。それぞれの現実を抱えつつ、自分のお目当てのアイドルに夢中な日々が描かれている。最後の「茄子のグリエ~愛して野良ルーム2」で5人が全員集合する。

     扉ページに「この話はフィクションです。実在するいかなる組織、団体とも関係はありません」とあるが、この本を読んだら100人が100人共、某J事務所を思い浮かべて読むことは間違い無し。残念ながらJr.を応援した経験はないけれど、私もJ事務所所属のデビュー組2人のファン歴が長いので、思い当たるところや突かれて痛いところ、「そこまで書く!?」というようなディープな世界まで見事に描き切っていておもしろかった。同じ人を好きになっていなければ、決して知り合うことのなかった5人の交流。欲をいえば、もっと”普通”な独身女性が1人いてもよかったかも。結構特殊だと思うので、この5人(笑)。

  • 恋人間だけでなく親子間においても「愛されたいなら愛される努力をしろ」は有効な正論だ。世知辛くとも、人間対人間である限り。

  • 予想を超えて面白かった
    読みやすいし話も繋がっとるんやね

    ただ私はアイドルに興味が全く湧かんから
    登場人物たちの陶酔っぷりが理解できん。笑

    桜井さんのキャラが好き

  • 容姿、仕事、家族、生い立ち、
    社会での立ち位置もバラバラの
    35歳・夫ありの5人の女たち。
    共通点は、
    デビュー前の男性アイドルグループ
    「スノーホワイト」の熱狂的ファン。
    そんな5人の出会いの物語。

    おもしろかった!
    5人の女たちは、ヒエラルキー的
    美人で金持ちすべてにおいてトップの女
    仕事も恋もお金もたいてい3番目ぐらいの女
    いたって普通、凡庸で埋もれている女
    何をやっても下から三番目ぐらうと感じてる女
    デブでブス、おバカで貧乏な女
    社会的な格差みたいの感じるけど、それぞれみんな、
    コンプレックスや、嫉妬、満足できない気持を抱えてる。

    アイドルファンというつながりでは、
    それぞれ生き方や、環境がが違う割には、
    セレブの嫌味も、ブスの悪態も、なんだか
    成立してるように見えるのがおもしろい。
    アイドルへの熱狂振りは、“痛い”のかも
    しれないけど、すごく“愛おしさ”感じる。

    婚外恋愛ってタイトルはぴったり、アイドルって、
    特別!現実ではないけど、夢だけでもない。

    爽快感あり

  • う~ん…自分にはイマイチ。
    憧憬☆カトマンズは面白かったのに。
    若い頃にもアイドルと結婚を信じる程陶酔したことがないからか…
    書き下ろしの最後の章で心の中の声を読むと、やっぱりこれだけ地位や立場が違うとな~と感じてしまった。

  • ザ☆ジャニーズオタク。
    普通に生活していたら、まず知り合えない人と友達になって、生活にハリがあって、ちょっとうらやましいな。
    追っかけするお金も体力もないけど。

  • 2013.2.21

  • 私はこの本に出てくる女達よりほんの少し若くて、アイドルに熱をあげてる訳でもない。けれど彼女達の考え、コンプレックスなんかは、とても身近のものに感じられた。作者、すごいなと感心。
    書き下ろしの最終章が、いまいちだったなー。

  • 容姿も暮らしも全く異なる5人の女。
    共通点は同じ男性アイドルグループに熱をあげていることだけ。

    宮木さんの女の描写って容赦ないなと。
    かわいく書こうとか、贔屓がなくて、みんな荒れてて正直だなと。

    不良息子に切った啖呵が良かった。
    親に愛されたければ努力しろと。
    言い切ってしまうのが良かったなー。

  • 登場人物全員に一切感情移入できないのに、ジャニオタあるあるすぎて笑ってしまうやら身につまされるやら。読み終わって思わず女の人生とは何ぞや、などと考えてしまったが、ものすごく元気になれる物語。おろかであっても彼女たちの幸福感を自分のものとして感じることができたのは、私が彼女たち側の人間だから、なんだろうけど。

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著者プロフィール

1976年神奈川県生まれ。2006年『花宵道中』で女による女のためのR-18文学賞の大賞と読者賞をW受賞しデビュー。『白蝶花』『雨の塔』『セレモニー黒真珠』『野良女』『校閲ガール』シリーズ等著書多数。

「2023年 『百合小説コレクション wiz』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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