踊る猫

著者 :
  • 光文社
3.61
  • (16)
  • (29)
  • (31)
  • (4)
  • (3)
本棚登録 : 244
レビュー : 36
  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334928537

作品紹介・あらすじ

夢か、うつつか、物の怪か。俳人・与謝蕪村が垣間見た妖しの世界。心にそっとあかりを灯す珠玉の連作短編。第3回小説宝石新人賞作家、待望のデビュー作(受賞作「梅と鴬」収録)。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 「わたしも人の親になってわかったりもしたんですけど、初めは心から可愛い、愛しいと思って抱きしめたり支えていたもんも、次第にその重みが、じわりとのしかかってくる。すると愛しいのには変わりがないけれども、その重みをちょっと負担に思ってくることもあるやないですか」

    淡々と語られるちょっと不思議なお話に戸惑いつつ読みすすめる。
    それが何時の間にかジンワリと染み込んできていた。
    堅物岩次郎さんの肩からふっと力が抜ける瞬間。
    厳しい環境に生きながらも真っ直ぐな新吉の視線。
    ゆきの初恋の息苦しさと切なさ。
    お駒の気丈さ。
    ただ、どれも最後はほんわかと暖かさが残る。
    お咲の話なんて読後にぼんやりしちゃった。
    つい読み直して時間をかけてしまった本。

    「梅と鶯」は色彩が鮮やかで、お話の悲しさが対象的。
    読後の余韻に今でも浸ってるところ。

  • ジャケットに惹かれて、購入。
    しかも、続編『笑う狐』も一緒にー。私としては、久々な買い方。

    与謝蕪村を軸として、物の怪がすっと日常に忍び込む、連作短編集。
    面白い、けれど、ぐっと引き込まれるまでにもう一息の空気感が欲しいな、と思った。

    短編の一話一話は短くて、中でも「雪」と「梅と鶯」の二つにはぐっときた。
    人が人を想いながら、しかし、世界を隔たってしまった者の哀しさがとても上手く書けているなぁ。

    この作品がデビューということで、次作は更にこの世界観に磨きがかかっているだろうか、とワクワクしている。

  • 俳人蕪村を聞き手に、ちょっと不思議な(怪異な)話を集めた連作短編集。怖ろしいという程ではないけれど、妖しい話が多いかな。わりとさらっと語られるのが持ち味なのかもしれないけれど、私には少し物足りない感じがした。

  • 短編だけど、読み進め難かった
    なんでだろー?

    最後の物語はちょっとウルっときた
    その話をシリーズにしたらいいのに

  • こっちの方が最初にでてたよう。

    狐の方が好み。

    でも雪女のおはなしは心に残る。
    せつない

  • 山奥の澄んだ水や、朝もや、星だけが頼りの夜やら、
    なんかそんなものを感じながら読む。

  • 人ではないもの達。昔から日本に伝わる不思議な存在は情緒があってなんだか信じたくなってしまいます。
    蕪村の俳句とあわせてよむ『雪』『夜の鶴』は趣深まります。
    『梅と鶯』は情景がはっきり浮かんでくるほどで泣きそうになりました。
    想いは伝わります。

  • ある男が、あちこちで不思議な物語を拾っていく短編集です。私はホラーがちょっと苦手。でも、これは奇譚というくらいの、ぞっとするというより、人情に溢れた物語になっているので、気持ちよく読み進むことが出来ました。
    京都のことばによって綴られてゆく物語が、妙に心地よかった。この台詞には独特の心の動きが表現されていて、うんうん、そうやね、と、こちらもいつのまにか(なぜか京都弁?で)頷いているのです。
    語り口の、うまさでしょうか。
    最後の「梅と鶯」は第三回小説宝石新人賞受賞作品で、語り手は異なっています。
    これも幽霊話なのですが、怖ろしくない幽霊なので、心から寄り添うことが出来ました。

  • 題と表紙で読む事にしたこの本、読み始めて蕪村が語り部なのにビックリ。丁度前日に「若冲と蕪村展」に行ってたのだ。そんなサプライズにワクワク捲るもしばらくは「悪く無いが特段良くも無いなあ。文章の雰囲気も話の筋も“優等生のお手本”並でインパクトないから、読後すぐ忘れそう」な印象。だったが、書き手の話作りが上手くなったのか中頃から面白くなり始める。今後は空気感にもっと磨きがかかるといい。成長が楽しみな著者かも。どうやら蕪村語り部話はシリーズ化したようだが、デビュー作の蕎麦屋&植木屋コンビも別の話で読んでみたい。

  • 昔むかし、人々の見えるもの聞こえるものが、今より少しだけ多かった時代。
    不思議なできごとは、いつもすぐそばにあった――。 夢か、うつつか、物の怪か。俳人・与謝蕪村が垣間見た妖しの世界。

全36件中 1 - 10件を表示

折口真喜子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

踊る猫を本棚に登録しているひと

ツイートする