ブルーマーダー

著者 :
  • 光文社
3.79
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本棚登録 : 2138
レビュー : 338
  • Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334928551

作品紹介・あらすじ

あなた、ブルーマーダーを知ってる?この街を牛耳っている、怪物のことよ。姫川玲子。常に彼女とともに捜査にあたっていた菊田和男。『インビジブルレイン』で玲子とコンビを組んだベテラン刑事下井。そして、悪徳脱法刑事ガンテツ。謎めいた連続殺人事件。殺意は、刑事たちにも牙をむきはじめる。

感想・レビュー・書評

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  • 姫川玲子シリーズの新作。「ストロベリーナイト」の今までにない警察小説と主人公の姫川という女性が魅力的で引き込まれ、シリーズを読んできた。前作「インビジブルレイン」で姫川シリーズも終わりかと思ったが、「こういう展開もあり」かと納得。いろいろな場面をモザイクのように積み重ね、伏線を多彩に張り巡らし、だが最初のうちは単なる連続殺人事件サスペンスではないかと思わせる。しかしクライマックスでは事件の解決と共に姫川と菊田の感情もストーリーに絡ませ、終焉を迎える。「さすが」である。クライマックスは一気に読んでしまった。姫川の女性としての魅力と悲しみ、その捜査力のすばらしさ、これからもこのシリーズは続けてほしい。

  •  姫川玲子のシリーズが『ストロベリーナイト』のタイトルでドラマ化され、さらに今年は『インビジブルレイン』が映画化された。映画にもなった『インビジブルレイン』は、姫川の許されぬ恋と、彼女の抱える闇というテーマが大写しになった作品であったが、ほぼ原作に忠実に描かれた中で唯一、組対課の刑事・下井の存在は映画化にあたって無視されてしまっている。

     しかし映画であれ、原作であれ、そのラストシーンで解散を余儀なくされる姫川班のその後については、シリーズ追っかけ読者としては極めて興味深い。

     その後のことはテレビドラマでは短編集のようなドラマを組んで、特別番組として、奇しくも映画封切りの本年1月26日の夜に放映された。内容は『感染遊戯』を原作としたものに色をつけたものである。

     本書『ブルーマーダー』は、シリーズのそうした慌ただしい動きの中で前後して出版されている最新作であるから、本当の意味での『インビジブルレイン』の後日談である。しかし後日談という読み方をせず、単独の警察小説として読んでも別に構わないだろう。姫川、菊池、下井、勝俣といった主だった刑事たちのそれぞれの活躍ぶりを見ると、シリーズを順番に読むことをお勧めしたいが、単独で読んでも充分このシリーズのよさは味わえると思う。

     なぜなら今回の殺人犯は、極めて謎に包まれているからだ。そして刑事たちのそれぞれの動きと、一見無縁のように見える殺人犯の動きが、どういうわけか、姫川の移動した先である池袋署管内にどんどん集約してゆく。全部が紐解けるまで、ブルーマーダーと呼ばれる殺人鬼の秘密はわからないのだが、とにかく際立って目立つキラーぶりである。

     まず消されるのが、ヤクザ、暴走族上がり、中国人組織、と暗黒街をのしている現代の反社会団体たちのメンバーに限られている点。またその殺人の残忍さと容赦なさはバイオレンスの極致である。その被害者の数も正確ではなく、もはや都市伝説と化している池袋の夜が、暴力の張り詰めた気配に満ちているのだ。

     本来あるべき暗黒街VS警察という彼我の闘いを無視したその遊撃的な殺人者たちの行動が本書の軸である。スリリングな展開と、いつも用意されてゆく活劇。これら娯楽小説の要素が集まって、パワフルなエネルギーとなっている辺りが、このシリーズの魅力である。

     このように刑事たちがひとつの事件に集約するストーリーを毎度毎度書けるとは到底思えない。次は一体どこへゆこうというのだろうか。

     姫川は、菊池は、勝俣は?

  • まだ読み終わったあとの高揚感が残っている。
    陰惨で凄まじい描写が多く、その殺戮場面を脳裏に浮かべると陰鬱な気持ちになりかけるが、それでもドキドキしながらページをめくる手が止まらないクライムサスペンス小説。

    誉田哲也氏の所謂“警察小説”といわれるものを初めて読んだが、なるほど、評価されるだけの迫力があった。
    ドラマで「ストロベリーナイト」を見ていたので、主人公の女性刑事姫川玲子は竹内結子で、「ガンテツ」は武田鉄也で脳内再生しながら読んだが、何の違和感もなく、ドラマのキャスティングは見事に嵌っていたと思う。

    ──舞台は池袋。次々と起こる無差別殺人。
    犯人は誰か?ヤクザの抗争がらみか、それとも“半グレ”の仲間たちによるものか。
    警察の知らない闇深いところで犯人の行動は着々と進行していた。
    殺戮の動機は何なのか?
    それは、警察の機構改革や裏切りなどとも関連していた。

    これまで読んだ「世界で一番長い写真」や「幸せの条件」「あなたが愛した記憶」などとは、全く異なった、おそらくこちらが彼の本流というべきなのだろう犯罪小説。
    手に汗握る感じで読み終えた。
    途中、玲子の心理描写とも言うべき独り言的な台詞には少し違和感があったが、慣れればストーリーを遮るほどではない。 
    この小説を読んで思ったのだが、作者は心理描写の表現手法にやや甘さがあるのではないか。
    だから「あなたが愛した記憶」のような複雑な心理描写が展開される作品はやや無理がある感がする。
    この作品のように、無機質で、ところどころに心情が混じるようなストーリー重視の犯罪小説なら納得がいくのだが、心情表現がメインになる作品では厳しい。
    まだ「武士道」シリーズなどは読んでいないので、断言はできないけれど。
    ただし、犯罪小説としては、ストーリー展開も緻密で、かなり面白かった。
    「ストロベリーナイト」を初めとしたほかの姫川玲子シリーズも読みたくなった。

  • 4.5
    個人的にはインビジブルレインより好きかな。
    やはり姫川には恋愛話は要らないかも、、、

  • ハマって読んでいる姫川玲子シリーズ。

    おもしろい。
    菊田との関係も、あぁぁぁと思いつつも、現実ってそんなもんだみたいな気持ちになる(物語だけども)

    立てこもりのシーン、強行突破のとこ。泣けた。泣けたー!

  • どうか次作では菊田が離婚してますよーに(祈)。

  • なんでだか姫川シリーズがものすごく懐かしく感じた。
    『ドルチェ』シリーズや警察モノじゃないのを間に挟んでるからかな。

    (ある意味初心に還ったともいえる)数々のグロい描写や
    最初はバラバラだったピースがどんどん纏まって絡まり合ってくる流れは
    近作の『あなたが愛した記憶』などと共通する気がする。
    無駄にグロいんじゃなくて、ちゃんと理由があるところなんか特に。
    それにしても折り畳む、とか…。折り畳めるものなんだなぁ(爆)。

    原点回帰なのだろうか、
    事件発生の流れとか雰囲気は『ストロベリーナイト』を彷彿とさせる。
    それでも大きく違うところはあって、その最たるものが
    登場人物、特に玲子の『犯罪者の思考回路』の心理描写、
    細かくいうとその思考の流れの説得力じゃないかと思う。
    木野自身の言葉では全く説明されていない動機を玲子が解き明かしていく
    取調室のシーンなどは読みごたえがハンパなかった。
    この辺は誉田哲也さんが進化した、ともいえるんじゃないかと。
    『ストロベリーナイト』などの初期作品を並行して読んでみると
    心理的な部分が圧倒的に判り易くなってることが実感できると思う。

    一方で菊田との関係性にも一応の決着を見た、というか
    お互いの本心をここまで見ることができたのもある意味収穫だった気がする。
    正直なところ、菊田と梓がイチャついてる(爆)シーンは若干イラッとしたけど(笑)
    エピローグのお見舞いのくだりを読んだ限りでは
    少なくともこのふたりにとってはこの結末でよかったのかもな、と思えた。
    今までとは違う形の愛情で結ばれたんだな、と。

    そしてやっぱりガンテツはムカつく(笑)。
    昔はそんなガンテツに遣り込められてた玲子が
    今作では奴をさらっといなして尚且つ利用しちゃってた辺りがスカッとした。
    冒頭と最後に出てくる井岡と國奥との遣り取りは所謂サービスかな(笑)。
    あれだけ凄惨な事件のあとの最後の1行でカクッとなるのは流石というか(笑)。

    関係ないけどドルチェシリーズの舞台も池袋近辺だったな。
    最近読み返したばっかりだったのでちょっとニヤリとした。
    こっちのシリーズに魚住巡査部長が出てきたりってことは…ないか(´・ω・`)
    見てみたいんだけどなー…(笑)

  • 暴力の描写はとにかく痛そう。

    姫川班の解散はちょっと残念であったけれど
    まぁ、仕方ないかと思う。

    菊田も仕方ないか。

    というか、姫と菊田がくっつくイメージは
    できないものなぁ。



    ガンテツが意外といい奴だったのでビックリした。

    事件がねじれて絡んで収束していく様は
    読みごたえがあった。

    最後の姫川がよかった、
    辛かったけどよかった。

    ドラマの二階堂ふみちゃんもこのシーンはめっちゃよかった。

  • ドラマで見て先が気になってしまったので読んでみた。
    残酷な描写が多く、闇社会での事件のためダークで得体のしれない雰囲気がとても恐ろしく感じた。
    序盤で出てきた登場人物が終盤にかけて繋がっていき一気に伏線が回収されるためページを捲る手が止められなかった。
    犯人を犯行へ駆り立てる動機がとても悲しく感情移入してしまった。

  • ドラマでやられるので、その前に読みきりたくて読みましたが、やっぱりこのシリーズは面白いですね。ストーリーを堪能しました。

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著者プロフィール

誉田 哲也(ほんだ てつや)
1969年、東京都生まれの小説家。学習院中・高等科を経て学習院大学経済学部経営学科卒業。卒業後にミュージシャンを目指していたが、椎名林檎の存在で断念。格闘技ライターを経て作家活動に入る。
2002年、『妖(あやかし)の華』でムー伝奇ノベル大賞優秀賞を獲得しデビュー。2003年『アクセス』でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞。
代表作は、映画化もされた『武士道シックスティーン』に始まる「武士道」シリーズ。姫川玲子シリーズの『ストロベリーナイト』はドラマ化・映画化された。ほか、『ジウ』シリーズ、魚住久江シリーズ『ドルチェ』『ドンナ ビアンカ』や、『ケモノの城』『プラージュ』などがある。

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